2017年10月5日にニューヨークタイムスがハリウッドの大物映画プロデユーサーであるハーヴェイ・ワインスタイン氏のセクハラ疑惑を報じ、10月15日に女優のアリッサ・モレノ氏が「セクハラや暴行にあったことのある女性全員が#MeTooと書いたら、問題の深刻さが伝わるかもしれない」とツイートしたことで、世界中に広がった#MeTooムーブメント。そんなセクハラや性暴力の被害者が声を上げる動きは日本でも広がっている。
2018年3月3日、東京都渋谷区にて、「#WeToo Japan スタート記念イベント〜声をあげた人を一人にしないために、今自分ができること」が開催された。このイベントは勇気を持って声を上げた被害者を支え、バッシングの二次被害を受ける状況を変えていこうという思いから設立された「#WeToo Japan」というプラットフォーム(土台となる環境・基盤)が主催した。
パネルディスカッションには、「#WeTooオーガナイザー」に名を連ね、自らも元TBSワシントン支局長である山口敬之氏からの準強姦被害で民事訴訟中のジャーナリスト伊藤詩織氏が登壇した。
伊藤氏は被害者が声を上げることについて、「話したことによって自分の生きている社会、例えば会社の中などで生きづらくなってしまう」と二次被害の問題をあげ、「だから、いろんな覚悟をしなければならない。本当であればもっと気軽に助けてと声をあげられる状況でなければいけない」と、訴えた。
その上で伊藤氏は「そういった声を聞いた時に近くにいるあなたが、どうサポートできるか。でも、無理に何かしようとしなくてもいいと思う。聞くだけでサポートになることもあると思う」と呼びかけ、「まわりがどう温かく対応できるか、もう本当にそこに尽きると思います。だから今からそういった準備を私たちでできれば良いと思います」と、#WeTooムーブメントをスタートさせることの意義を語った。
IWJ記者は、パネルディスカッション後、伊藤氏へ単独取材を行った。
IWJ「具体的にどのような二次被害を受けたのですか?」
伊藤氏「匿名での罵倒に近い批判だったり、脅迫だったり、性的な写真が送られてきたこともありました」
IWJ「具体的に脅迫があったのですか?」
伊藤氏「どこから脅迫ととるかですが、身の危険を感じたこともありました」
IWJ「それはSNS、メール、電話、すべての手段によってですか?」
伊藤氏「はい。でも、電話は無言で言葉はありませんでした」
IWJ「日本にいるとそのような被害を受けたため、今、拠点を海外においているということですか?」
伊藤氏「はい」
IWJ「今、民事裁判中ですが、今のところどのような感触ですか?」
伊藤氏「まだ、準備書面のやりとりの段階です。(裁判の期日が)一ヶ月半(ごと)のペースで、来週3回目があります。これから原告本人として出ることがあると思います。でも、まだ時間がかかりそうです」
IWJ「第一回公判後、相手の男性が来ていたらどんな気持ちになるんだろうと言われていましたが、まだ、お会いしてないのですか?」
伊藤氏「はい。まだ、代理人の方だけです」
IWJ「伊藤さんのジャーナリストとしての、次のアクションは何ですか?」
伊藤氏「今、色々なプロジェクトが進んでいるんですが、とにかく伝えること…やはり、なかなか届かない声を聞いて伝えることが、私の仕事だと思うので、続けていきたいです」
IWJは今まで、山口氏による伊藤氏への準強姦罪疑惑の問題について繰り返し取材をしてきた。特集にまとめてあるので、ぜひ、こちらも合わせてご覧いただきたい。
伊藤詩織氏「言わない方が安全」二次被害を恐れ「助けて」と言えない日本社会を変えよう! #Mee Tooの次のアクション#We Too Japanスタート記念イベント~声をあげた人を一人にしないために https://iwj.co.jp/wj/open/archives/413828 … @iwakamiyasumi
あなたにも僕にも出来ること、変えられることはある。共に生きよう。
https://twitter.com/55kurosuke/status/971359825136242688