「『築地は狭いから移る』と言っているのに、豊洲に移って売り場面積が広くなるわけじゃない」「青果の場合には狭くなっている」――第3回市場問題プロジェクトチーム会議 2016.11.29

記事公開日:2016.12.9取材地: テキスト動画
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(取材・文:青木浩文)

 「豊洲に移って売り場面積が広くなるわけじゃない」――。

 第3回市場問題プロジェクトチーム会議が、2016年11月29日都庁で開催された。豊洲市場の施設の安全性、機能などについて、東京都中央区卸売市場の移転調整担当課長や株式会社日建設計などから説明があり、市場問題プロジェクトチームメンバーによる意見聴取などが行われた。

▲「『築地は狭いから豊洲に移る』と言っているのに、なぜ売り場面積は広くならないのか」と質す小島敏郎座長(手前)と、答えに窮する東京都中央区卸売市場の移転調整担当課長

▲「『築地は狭いから豊洲に移る』と言っているのに、なぜ売り場面積は広くならないのか」と質す小島敏郎座長(手前)と、答えに窮する東京都中央区卸売市場の移転調整担当課長

■ハイライト

  • 出席者 市場問題プロジェクトチームメンバー(小島敏郎氏(座長)、井上千弘氏、菊森淳文氏、佐藤尚巳氏、竹内昌義氏、時松孝次氏、森高英夫氏、森山高至氏)
  • 議題
    1. 豊洲市場の施設の安全性、機能について
      ア.前提条件(設計の与条件)/イ.5街区・6街区・7街区の搬出入、滞留自動車の経路、荷の経路、買い回りの動線など/ウ.個別の課題(6街区入口、建物内のスロープのヘアピンカーブなど)
      なお、議題1.では、東京都中央卸売市場及び株式会社日建設計からの説明、意見聴取等を予定。
    2. その他

 会議終了後、会見に応じた市場問題プロジェクトチームの座長である小島敏郎氏は、今回新たに浮かび上がった課題について、冒頭のように記者から問われると、次のように説明した。

 「築地から豊洲に移転するときに敷地面積が約1.8倍(約40ヘクタール)になる。広くなるのに、なぜ売り場が広くならないのか。『築地は狭いから豊洲に移る』と言っているのに、全然広くなっていないじゃないか、という素朴な疑問に、今までなかなか答えていただけなかった」

 「今日わかったことは、売り場面積は広くならない。青果の場合には狭くなっている。『売り場が狭いから、もっと広くしよう』ということではなくて、築地でいろいろな用途に使っている通路や荷さばき場所などを、機能別に分けて一つの閉鎖的な空間に入れていくと、1.8倍になるんだということ。逆をいうと、築地はあの面積(約23ヘクタール)のなかで、その1.8倍のことをやっているということだ」

▲パネルを使い説明をする株式会社日建設計

▲パネルを使い説明をする株式会社日建設計

 また、「市場問題プロジェクトチームは、豊洲移転の中止を前提としているわけでないのか」との記者の質問に対して、「何も前提にしていない」と小島氏は明言した。

 豊洲市場の店舗面積の狭さについては、以前より仲卸業者から懸念が噴出している。

 豊洲市場移転問題に関しては、岩上安身はIWJ設立前の2010年より取材を行っている。現在、同市場の主な建物下に土壌汚染対策の盛り土がなかったことに批判が集中する傾向があるが、同市場がはらむ問題は、多方面に及ぶ。IWJが東京中央市場労働組合より転載許可を得た「築地市場移転の問題点まとめ」(2014年4月12日現在)も是非一度お読みいただきたい。

 また、これまでに行われた市場問題プロジェクトチーム会議については、以下の記事よりご確認いただける。

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