三菱自動車が1991年から25年間にわたり、軽自動車の4車種で燃費試験のデータを不正操作していた問題が、各界に波紋を広げています。石井啓一国土交通相は4月28日の定例会見で、国交省が燃費の算出に必要なデータを測定する走行試験を独自に行うと発表しました。不正が発覚した軽自動車4車種からはじめ、現在市販されている全9車種でも実施するとのこと。政府による試験は異例のことです。
※『日刊IWJガイド』2016.4.30日号~No.1325号~より抜粋
三菱自動車が1991年から25年間にわたり、軽自動車の4車種で燃費試験のデータを不正操作していた問題が、各界に波紋を広げています。石井啓一国土交通相は4月28日の定例会見で、国交省が燃費の算出に必要なデータを測定する走行試験を独自に行うと発表しました。不正が発覚した軽自動車4車種からはじめ、現在市販されている全9車種でも実施するとのこと。政府による試験は異例のことです。
今回の三菱自動車によるデータ不正発覚のあおりで、他の日本メーカーにも厳しいまなざしが向けられています。マツダやダイハツといった他の自動車メーカーは、不正を強く否定しています。現在のところ、メディアの批判の鉾先は、不正を繰り返してきた三菱自動車の体質に向けられています。もちろん三菱は批判されて当然ですが、不正を見抜けず、「見逃し続けてきた」日本政府の規制当局の責任はほとんど追及されていません。
自動車は日本の輸出産業の柱であることから、これまで政府による規制と監視が甘く、過度に優遇されてきた、ということはなかったでしょうか? そうした政府の責任を問う、という姿勢もメディアには必要であると思われます。
日本で自動車の燃費試験を独占的に行ってきたのは、「交通安全環境研究所」という独立行政法人です。この団体は主に国土交通省の官僚の天下り先で、2014年度には国交省OBが理事に就任し、年間で約1500万円の報酬を得ていました。
自動車会社が「優遇」されてきた、というのは、税制面では明らかになっています。中央大学名誉教授の富岡幸雄氏は、2014年12月1日に行われた岩上さんによるインタビューの中で、日本最大の自動車メーカー・トヨタによる税金逃れの実態を暴きました。
トヨタの租税回避の実態は、前述した「パナマ文書」の中身にもかかわる話です。ぜひ、富岡氏へのインタビューをご覧になってください。
今回の三菱自動車による燃費データ不正問題に関しては、IWJとして、引き続き取材を進め、検証レポートとしてまとめる予定ですので、どうぞご注目ください!