2015年5月28日17時30分から、東京電力で中長期ロードマップの進捗に関する記者会見が開かれた。大きなリスクとなっていたRO濃縮塩水からストロンチウムを除去する処理が全て完了した。β線源であるストロンチウムを除去することで、敷地境界線量が低減された。今後、他の核種の除去やフランジ型タンクの解体を行う予定だ。
2015年5月28日17時30分から、東京電力で中長期ロードマップの進捗に関する記者会見が開かれた。大きなリスクとなっていたRO濃縮塩水からストロンチウムを除去する処理が全て完了した。β線源であるストロンチウムを除去することで、敷地境界線量が低減された。今後、他の核種の除去やフランジ型タンクの解体を行う予定だ。
■全編動画
フランジ型タンクに溜めこみ、大きなリスクとなっていたRO濃縮塩水からストロンチウムを除去する水処理が完了した。このSr(ストロンチウム)処理水は、今後ALPS(多核種除去設備)で再度処理し、他の核種を除去する予定。またフランジ型タンクも順次解体し、溶接型タンクに置き換えていく予定となっている。
タンクに貯留していたRO濃縮塩水は、β線の影響でタンクから制動X線を生じ、敷地境界線量を大きくしていた。また、フランジ型タンクから漏洩する問題が多くあり、大きなリスク原因となっている。大きなβ線源であるストロンチウムを除去することで、これらのリスクは解消できたことになる。
当初は全てALPSで処理する計画だったが、ALPSの性能が計画値を達成できず、処理計画が間に合わなくなった。そこで、Srを除去する設備を追加設置、Srのみを、まず除去することにした。
ストロンチウム処理水は、引き続きALPSで再処理し、Sr以外の61核種を除去、ALPS処理水とする予定。ただし、懸念されているトリチウムは除去できない。増田尚宏・廃炉推進カンパニープレジデントは、そのようなトリチウム水は溜め続けるとかねてから明言しており、政府側のトリチウムタスクフォースの結果を待つ構えだ。一方、原子力規制委員会は、トリチウムはどうしようもなく、告示濃度以下なのだから、海洋放出する方がよりリスクを下げられると発言している。
労働安全、衛生環境の改善策として、全面マスク着用省略可能エリアが拡大され、また、大型休憩施設が完成し、5月31日より運用を開始することが公表された。
構内ダストモニタを追加増設して監視体制を強化するほか、1から4号機建屋周辺以外では、半面マスク着用での作業も可能とした。ただし、水処理施設内や汚染水タンク群のタンク堰内の作業は、水はね等のリスクを考慮し、全面マスク着用としている。
全面マスクでないことで、暑さ対策や、会話時の聞きやすさの向上、心理的な圧迫感の解消といった作業環境の改善が期待できるという。
■■■■■■
以下、東京電力ホームページより、リンクを表示
2015年5月28日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第18回事務局会議)