福島第一、排水路からの汚染水漏洩について情報公開の不備を反省「地元の信頼が大事だが、それを損ねてしまった」~東京電力「中長期ロードマップの進捗に関する記者会見(2015年2月分)」 2015.2.26

記事公開日:2015.2.26取材地: テキスト動画
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 2015年2月26日(木)18時30分から、東京電力「中長期ロードマップの進捗に関する記者会見」が開かれた。福島第一原発構内排水路を通じ、汚染水が海へ漏洩した件で、情報公開の不備を規制委員会、経産副大臣から叱咤されたことについて、増田尚宏(ますだ なおひろ)CDO・福島第一廃炉推進カンパニー・プレジデントは、「どんな情報が必要か、しっかりとらえて公開してきたい」との認識を示した。

■全編動画

「どんな情報が必要か、しっかりとらえて公開してきたい」と増田CDO

 福島第一原子力発電所の構内排水路から汚染水が海へ流れ出したとされる件について、増田尚宏(ますだ なおひろ)CDO・福島第一廃炉推進カンパニー・プレジデントは、「地元の信頼が大事だが、それを損ねてしまった」と反省の弁を述べ、「どんな情報が必要か、しっかりとらえて公開してきたい」との認識を示した。

 東京電力は2月22日(日)に、C排水路の放射線モニタが閾値を超えて警報を発した。その後のパトロールから、汚染された水が港湾内へ流出したと判断したという。さらに、2月24日(火)にK排水路を通じて、放射能濃度の高いたまり水が、港湾外へ漏洩したことを発表した。

 原子力規制委員会はこの問題に対し、2月25日の規制委員会で東京電力の情報公開、情報共有の仕方に問題があるとし、指導を行った。東電の増田CDOは、2月26日に高木陽介・経済産業副大臣を訪れ謝罪。高木副大臣は、情報公開について苦言を呈したという。

 これを受けて、増田CDOは、地元住民のみならず、避難者の方々にも安心してもらうためには「どんな情報が必要か、しっかりとらえて出していく」と答え、そのためのマネジメントは自身の責任だと述べた。

情報公開基準、見直しはしない考え

 東電は、K排水路の放射能濃度が降雨時に高くなることを、昨年2014年1月に把握していた。その際、原子力規制委員会の特定原子力施設監視・評価検討会に報告、議論していた。結果、排水路の側面がフォールアウト等で汚染されていると判断。まず清掃、洗浄が先決だと考え、2015年3月末までに清掃を完了させる計画だった。増田CDOは、「清掃を優先したため、(測定値の)発表を忘れていた」と弁明した。

 K排水路は、もともと「雨水」を排水する水路であったため、管理しない扱いになっている。そのため、現在の『情報公開基準』は適用しないという。基準を見直すことについて記者が質問するも、「そういう議論はしたくない」と言い逃れともとられかねない答弁に終始した。

 増田CDOは、必要とされる情報は公開していく考えを述べている。しかし、これまで記者会見で多くの記者が何度もデータを要求しても、「検討する」「意見としてうかがう」といった、事実上の公開拒否を繰り返している。

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以下、東京電力ホームページより、リンクを表示

中長期ロードマップ

2015年2月26日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第15回事務局会議)

廃炉・汚染水対策現地調整会議 2015年2月23日(第18回)

報道配布資料

2015年2月26日

2015年2月25日

2015年2月24日

2015年2月23日

2015年2月22日

プレスリリース

福島第一原子力発電所の状況について(日報)(東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響)

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