大手紙による事前の情勢調査では、厳しい戦いが予想されていた生活の党。フタを開けてみれば、大方の予想通り、当選者は、岩手4区の小沢一郎氏と沖縄3区の玉城デニー氏の2名だけとなった。注目された新潟5区の森ゆうこ氏は落選した。
小沢氏の当選が確定した22時を回っても、開票センターでバラつけなどは行われず、会場は重苦しい空気に包まれたまま。22時半から副代表の主濱了参議院議員が記者会見し、「今回の選挙に大義はなかった。しかし、非常に重要で、恐ろしい選挙だった」と今回の選挙戦を総括。結果については、「厳しい結果であるが、厳粛に受け止めたい。準備不足だった」と述べた。
会見には主濱副代表のみが応じ、小沢一郎代表は会場に姿を見せなかった。
会見後、IWJは主濱副代表に単独インタビューを行い、今回の選挙戦と生活の党としての今後の展望について聞いた。
- 日時 2014年12月14日(日)22:00~
- 場所 ホテルルポール麹町(東京・平河町)
※以下、発言要旨を掲載します
主濱氏、「国民の生活が第一」の原点に立ち戻る
――今回の選挙は、安倍総理が「アベノミクス解散」と宣言することによって始まりました。しかし、アベノミクスの是非だけでなく、原発の再稼働、特定秘密保護法、集団的自衛権行使容認など、多数の争点があったように思います。各地で街頭演説に立たれてみて、国民の関心は、どの点に集まっているように感じましたでしょうか。
主濱了副代表(以下、主濱・敬称略)「国民の関心という点では、消費税については、非常に反応が鋭かったと思っています。消費税というのは、2つの問題点があると思っています。まず、有権者の皆さんが特に反応してくれたのが、国民の家計に大打撃を与えるという点です。
それから、消費税増税によって、日本経済に悪影響を及ぼしているじゃないか、という点です。これについては、実際、4月に消費税が上がって、4、5、6月で日本経済が1.6%縮まりました。さらに、7、8、9月で、さらに0.5%縮まりました。こういうことで、経済が縮まっているじゃないか、景気が悪くなっているじゃないか、ということをお話しました」
――まだ最終的な結果が出たわけではありませんが、自民・公明の両党で3分の2を確保する勢いとも伝えられています。そうなると、自民党が公約に掲げる憲法改正の発議に、一歩近づいたと言えます。生活の党として、憲法を改正するということについて、どのようにお考えでしょうか。
主濱「憲法を改正するという時、どこを改正するかということが、私どもとしては問題だと考えています。
例えば、今、一番問題になっている集団的自衛権については、第9条の改正ということになるわけですけれど、自民党の案では、第9条2項を改正することになっています。第9条2項の改正については、私どもは反対です。
これはひとつのルールがあるわけですから、しっかりとそのルールに従って決めていかなければいけないし、決められた結果には従わなければいけない、ということだと思います。
集団的自衛権を認めるかどうかという点では、選挙の結果で判断するというのは、間違いであると思っています。やはり、憲法を改正するには、憲法の中に、憲法を改正する条文があるわけですから、その条文を使って、しっかりと国民の意見を聞きながら、あるいは国会の意見を聞きながら、改正をしていくべきであって、解釈変更というのは、あってはならないと思っております」
――2012年に民主党を離党され、国民の生活が第一の結成に参加し、日本未来の党、生活の党へと転じていくなかで、今回も含めた3回の選挙戦を通じ、小沢一郎氏のグループが、議席数を減らしてきたことは確かだと思います。この2年半を、どのように総括されますでしょうか。
主濱「『国民の生活が第一』という考え方、私どもは、常にこの原点に戻って、初心を忘れないということで、頑張って参りました。もうちょっと時間があれば、あるいは、私どもに余裕があれば、すべての国民に、『国民の生活が第一』という、私どもが考えていることを、しっかりとお話をしていきたいと思っています。
当初、私どもが民主党から分かれたのは、消費税の問題です。消費税の問題については、先ほど申し上げたように、私どもの生活に大打撃を与えるということと、日本経済に大きな影響を及ぼすという、2つの大きな問題点があります。
それから、忘れていることがあるわけです。もっと、先にやらなければならないことをやらないで、消費税にすぐ走ってしまった。こういうことが原因で、私どもとしては是認できないので、分かれたと、そういうような経緯がありました。
これまでの2年半弱、私どもなりに頑張ってきました。そして、それに賛同している方もいらっしゃると、思っています」