2014年9月17日14時30分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。規制委員会・規制庁発足から2年を振り返り、福島第一原発事故で地に落ちた、国民の原子力規制行政に対する信頼の回復に向けて、一定の成果が出ているのではないかと所感を述べた。
2014年9月17日14時30分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。規制委員会・規制庁発足から2年を振り返り、福島第一原発事故で地に落ちた、国民の原子力規制行政に対する信頼の回復に向けて、一定の成果が出ているのではないかと所感を述べた。
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9月18日で島崎委員、大島委員が2年の任期終了により退任することから、冒頭、田中俊一委員長より、規制委員会・規制庁発足から2年が経過したことを踏まえ、3年目に向けての所感が表明された。
東京電力福島第一原発の事故で、原子力規制行政の国民の信頼は地に落ちた。5人の委員は、常に事故時の反省を胸に職務に当たって来ており、「科学的・技術的見地から公正中立に独立して意思決定を行うこと」「意思決定のプロセス、規制の行政に関わる情報の公開を徹底し、透明性を確保すること」この二つが基本姿勢で、信頼回復に向けて一定の成果が出ているのではないか、と所感を述べた。
記者からも2年間を振り返っての感想について、質問が出された。委員長は「2年前はどうなるか予想もつかなかった」「進んだことも、進んでないこともいっぱいあるが、今日は細かく言うのは避けたい」と答えた。
公開された吉田調書を始め、「政府事故調査委員会による聴取記録」について、読感を記者が質問。委員長は「大変な調書だ」と始め、「今後の反省点で言えば、やはり、現場力だ」と感想を述べた。また、ハード面は新規制基準で相当なところまで求めたが、使いこなせる人、能力の充実をどうするかが今後の課題だとした。
さらに、「吉田元所長以外の調書については、まだ手元に届いていない。とはいえ、吉田調書を読むだけでも大変な量だった」と語った。
8月29日(金)の定例ブリーフィングにて、田中委員長に「審査プロセス自体の検討の必要性」「再稼働の判断主体」の二点について、予め質問の通告が成されていた。
前者は何回かやり取りを繰り返した後、委員長から「細かい技術的議論をここでやってもしょうがない、そこそこにしたほうがいいでしょう」とコメント。また後者については「再稼働に規制委・規制庁は全くコミットしないと何度も言っている。それ以上のものでもなんでもない」と従前の回答を繰り返した。
使用済燃焼集合体の中間貯蔵、保管方法の考えについて記者が質問。田中委員長は、リラッキングより乾式容器に貯蔵していく方が良いとの考えを示した。カナダではSFP(使用済み燃料プール)に保管し、7年経過後は乾式キャスクに入れるよう義務付けていることを例に、日本でそうするかは、今後慎重に検討する必要があると答えた。
■jaikoman氏によるツイート
銀行のオンラインのデータベースとデータコミュニケーション・プログラム保守を担当するソフトウェア・エンジニアをしていた経験から、ハード面ばかりでなく、原発を運転管理するソフト面が肝心だと言ってきた。田中氏もそう認めたが、だれも今原発を運転している人間のスキル・知識レベルを管理していないし、テストをしているのかチェックしていません。テストしていたとしても、吉田調書で彼も考えたこともないケースがあったといっているのだから、考えたこともなかった部分をオペレーションマニュアルに追加してテストで知識の習得と運転訓練をしなければいけません。だれも、その工程表をつくることもしていません。再稼働する準備ができていないことは、思考実験するだけでも自明です。でも、だれも指摘していません。この国には良心的な技術者も学者も経営者も、ましてや政治屋も「小」役人もいないことはあきらかです。「サルの惑星のサルの国」です。知性・理性・理知はみじんも見受けられません。