奇跡の海・上関の希少生物を子どもたちに残そうと国際生物学者らが国際シンポジウム 2014.8.18

記事公開日:2014.8.18取材地: テキスト動画
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(IWJ・石川優)

 山口県・上関町に中国電力上関原子力発電所を建設する計画がある。しかし、工事着工、運転開始ともに時期が未定となっており、計画は宙に浮きつつある。

 上関原発の建設をめぐっては、上関町だけの問題ではなく、原発建設予定地が瀬戸内海に面していることから、一度事故が起きると、瀬戸内海の生態系にも多大な影響をおよぼしかねない。

 また、原発設置にともない、海を埋め立てる計画があるため、生態系が崩れてしまうことが懸念されているほか、工事による大きな騒音も影響を与えるだろうといわれている。

 瀬戸内海は奇跡の海とも称され、国の天然記念物にも指定されているカンムリウミスズメが普通に観測することができる貴重な場所だ。

 その上関町の生物多様性について、8月18日、国際シンポジウムが衆議院第一議員会館で行なわれ、希少生物の様子を報告した。

■ハイライト

  • パネリスト Kim Nelson氏(オレゴン州立大学水産・野生生物学)、武石全慈氏(北九州市立自然史・歴史博物館)、Darrell Whitworth氏(カリフォルニア環境研究所)、渡辺伸一氏(福山大学生命工学部)、高島美登里氏(上関の自然を守る会)

原発賛成9割 最近は自然保護活動に理解を示す町民も

 シンポジウムを主催した「上関の自然を守る会」の高島美登里氏は、上関町の近況を話した。上関町では、地域の人の9割が原発に賛成で、反対派はわずか1割だという。

 しかし、近頃は、数多くの生物学者がフィールドワークのために上関を訪れることから、原発に賛成してきた人からも、カンムリウミスズメという言葉が聞かれるようになったようだ。

 海外の研究者らも上関に足を踏み入れるようになり、原発賛成派からも「上関の何もないことが逆にいいのか」と、上関の自然を守る活動に、理解を示す町民も増えてきたと語った。

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