オバマ米大統領が4月23日、日米首脳会談などのため、国賓として来日する。これに合わせ、辺野古新基地建設や集団的自衛権の行使をめぐる解釈改憲に反対する市民らが21日、東京千代田区で「辺野古新基地建設NO! 市民集会」を開催した。
沖縄平和運動センター事務局長の大城悟氏は、辺野古の基地建設について、「戦後何十年も我慢してきたが、これが我慢の限界だ」と怒りを露わにした。
(IWJ・原佑介)
特集 日米地位協定
オバマ米大統領が4月23日、日米首脳会談などのため、国賓として来日する。これに合わせ、辺野古新基地建設や集団的自衛権の行使をめぐる解釈改憲に反対する市民らが21日、東京千代田区で「辺野古新基地建設NO! 市民集会」を開催した。
沖縄平和運動センター事務局長の大城悟氏は、辺野古の基地建設について、「戦後何十年も我慢してきたが、これが我慢の限界だ」と怒りを露わにした。
記事目次
■ハイライト
集会では、「ザ・ジャーナル」の主幹であり、鳩山由紀夫元首相が理事長を務める「東アジア共同体研究所」の理事でもあるジャーナリスト・高野孟氏が講演した。
安保法制懇における解釈改憲議論、内閣法制局長の人事、日本版NSCと特定秘密保護法、日米防衛協力ガイドライン再改定、TPP、武器輸出解禁――。
安倍政権下で進められるこうした一連の動きを、「戦争ができる国にするための、安倍改憲地ならしパッケージ」だと見る高野氏。しかし、昨年末に靖国神社を参拝したことで、安倍総理は「地雷を踏んだ」と分析する。「参拝で安倍が今まで持っていた政治的な展望は大きく狂い始めた。表面化するのは4月だろう」。
靖国参拝は国際社会へ衝撃を与え、さらにNHK会長の籾井勝人氏、経営委員の百田尚樹氏らの相次ぐ歴史認識などに関する失言も取り沙汰されている。こうした中、米国は、日本の集団的自衛権の行使を求めつつも安倍政権の「愛国路線」を警戒しはじめており、矛盾した状況が深まっていると高野氏は言う。
「靖国参拝は東京裁判の否定になり、従軍慰安婦の否定、憲法の否定となる。(安倍総理は)『戦後レジームからの脱却』というが、これらを並べると、戦後の日米関係の秩序そのものを否定しようとし、『大東亜戦争肯定論』に繋がる」
ブッシュ元大統領ならいざしれず、中国と戦争する気はまったくないオバマ大統領とともに、「反共」でまとまった冷戦時代の思考のまま「中国脅威論」で包囲網を作ろうとしている安倍総理。高野氏は、「『尖閣で戦ってくれ』と安倍はいうが、オバマは『戦う』とは言わないだろう」と冷ややかだ。
最後に高野氏は、きたるべき日米首脳会談について、「集団的自衛権の行使を容認しても、オバマ大統領は褒め称えないだろうし、共同文書も出さないだろう。ましてや尖閣諸島を守るためにともに戦うなどとは言わない。これで安倍総理の集団的自衛権への思いは水をぶっかけられたかのようなことになっていくかと思う。だからTPPで、特に牛肉、豚肉で大譲歩して、なんとかおみやげを持たせようとする、そんな『バカバカしい結果』になっていくのではないか」と予想を述べ、今月4月が転機となって、安倍政権は下り坂になっていくだろうと話した。
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