集団的自衛権と憲法をテーマにしたシンポジウムが4月10日(木)、日本弁護士連合会の主催で開かれた。元防衛大臣の北澤俊美参議院議員の講演が行われた後、元内閣法制局長官である阪田雅裕氏、東京新聞論説兼編集委員の半田滋氏、大阪国際大学准教授・全日本おばちゃん党代表代行の谷口真由美氏を迎えてパネルディスカッションが行われた。
(IWJ 松井信篤)
集団的自衛権と憲法をテーマにしたシンポジウムが4月10日(木)、日本弁護士連合会の主催で開かれた。元防衛大臣の北澤俊美参議院議員の講演が行われた後、元内閣法制局長官である阪田雅裕氏、東京新聞論説兼編集委員の半田滋氏、大阪国際大学准教授・全日本おばちゃん党代表代行の谷口真由美氏を迎えてパネルディスカッションが行われた。
記事目次
■ハイライト
北澤氏は防衛大臣時代にアメリカのケリー国務長官と8回会談しており、「アメリカ側から『日本の集団的自衛権がなければ困る』といったメッセージは全くありませんでした」と語った。
しかし、例外的な人物として、共和党のリチャード・アーミテージ元国務副長官の名前を挙げた。 北澤氏によれば、アーミテージ氏は、「集団的自衛権が必要」と主張しており、その理由について、「自衛隊ほど規律正しく有能で運用能力の高いものはない」と評価しているという。
北澤氏は、アメリカ側が集団的自衛権の行使容認を歓迎する発言をしているのは、「使い勝手が良い」からだと主張。これによって中国や韓国との関係がさらに悪化するリスクが高いと指摘した。憲法9条が最終的なシビリアンコントロールの砦になる、と北澤氏は考えており、現在の解釈改憲の状況について、自衛隊の制服組に戸惑いの声があることを明かした。
安倍総理が憲法の解釈をめぐって、「最高責任者は私だ」などと衆院予算委員会で発言したことについて、北澤氏は「聞き捨てならない。整合性の取れない変更を行うことは、立憲主義に反している。選挙結果をもって国民に信任されたというのは、タチの悪い強弁だ」と厳しく批判した。
「日本における安全保障環境は、厳しさを増している」と安倍総理が主張していることに対しても、「その原因の大半は、安倍総理本人の口から出ている」と糾弾。歴史認識に関する不用意な発言などから、国益よりも個人的な信条を優先させ、国外に疑心暗鬼を広げる結果になっていると指摘した。
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