4、6号機オペフロア燃料取扱機を公開 ~東京電力福島第一原発入構取材 第六弾 2013.11.6

記事公開日:2013.11.6取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(IWJ・箕島)

 本年6月11日以来通算6回目の福島第一原子力発電所の報道現地取材が2013年11月6日(水)に行われた。4、6号機オペフロア燃料取扱機が報道に初めて公開、使用済燃料プールから燃料取出し間近の4号機の燃料取扱機、燃料プール等を取材した。

※核物質防護の観点により、一部撮影NG、音声消音の箇所がございます。ご了承下さい。

■全編動画 1/2

Jヴィレッジ出発 [00:00] 〜 入退域管理棟 [25:58] 〜 免震重要棟 [32:29] 〜 多核種除去設備

■全編動画 2/2

タンクエリア [00:00] 〜 4号機原子炉建屋 [11:06] 〜 6号機原子炉建屋 [48:39] 〜 小野明所長ぶら下がり会見
  • 日時 2013年11月6日(水)
  • 場所 福島第一原発(福島県大熊町)

新設された”入退域管理棟”を通って入構

 2013年11月6日、東京電力福島第一原子力発電所構内が報道陣に公開された。インターネットメディアとしては、引き続きニコニコ動画とIWJが、6度目となる入構取材を果たした。福島第一構内へは9時頃から15時過ぎまで留まり、放射線管理区域には11時から13時半頃まで滞在。報道陣の被曝線量は、各自おおむね40~50μSvだった。

 今回の取材では、6月30日から運用開始した「入退域管理棟」を利用し、多核種除去設備(ALPS)、H4エリアタンクおよびB4南エリアタンク、さらに4号機オペフロア、6号機オペフロアが公開された。

 入退域管理棟は、これまでバスで20~30分程度離れていたJヴィレッジで行っていた汚染検査、除染、防護装備の着脱、線量計の配布・回収を行う仕組みとなっている。入構者の負担軽減や、汚染を発電所の外に持ち出さないためだ。

水面の下に燃料集合体を見た

 ALPSは追加の性能試験や、腐食漏洩といったトラブルが続き、当初計画から1年以上遅れて、未だ実運用に入れない状態が続いている。東電は11月中旬から順次運用を開始する予定としている。ALPSが設置されている建物の外観は、過去の入構取材においても公開されていたが、今回は建物内に入り、ALPSに接近。ALPSは化学プラントそのものといった様相で、パイプが複雑に張り巡らされていた。

 H4エリアタンクは、フランジ底板の継目から約300トンの汚染水が漏洩したエリアである。当該タンクは調査のため解体されており、撤去済みだった。汚染されたタンク周りには、「高濃度汚染立入禁止」の注意書きが数多く設置されていた。B4南エリアタンクは傾斜地に建てられており、もっとも低い位置にあるタンクの天板からは、汚染水が溢漏している。タンクが巨大であるため、一見したところでは、傾斜しているかどうかは判別がつきにくい。

 4号機オペフロアは原子炉建屋の5階にある。使用済燃料プールから燃料を取出すため、隣接したところに燃料取出し鉄骨を建て、ダスト飛散防止のため建屋カバーを付けている。そこに新しく、燃料取扱いのための天井クレーンなどが設置された。燃料取扱機のクレーン上から見下ろせば、燃料プールの円形の水面が見える。水の中に燃料が整然と並んでいた。

 目に見える大きさのがれきはすでに撤去済みだが、小さいものは隙間に落ちている可能性がある。いずれにしても、燃料集合体を引き上げるまでは分からない。

 6号機オペフロアも5階だが、3.11震災で損傷しなかったため、当初の設備がそのままの形で残っている。4号機と比較すると少し古びている。6号機は、現在炉心から燃料を取出し、SFPへ移送中であるため原子炉のフタは開いており、内部の構造が見て取れる状態であった。

がれきの撤去や除染は進んだが、装備の過酷さは変わらない

 構内を移動中、鋼材が破断した1-2号機排気筒や、1-2号機建屋の海側にあるモバイル水処理装置、メガフロート、シルトフェンス、キャスク仮置き場などの様子も確認された。また、3、4号機タービン建屋の海側には、津波に流された車両などのがれきが未だ放置されたままだった。周辺は今も線量が高い。即座にとりかかる必要のない作業は、優先順位が低く設定されている。こうした光景は、事故収束作業には未だに余裕など少しもないことをうかがわせた。

 今回の取材で通行した箇所の最大空間線量率は、820μSv/h。前回6月11日までの構内取材の最大空間線量率は1000μSv/hを超えていた。がれき撤去や除染など、空間線量を下げる対策の効果のあらわれか、あるいは、雨で放射性物質が移動したものと思われる。

 日常だと上着が必要な季節だが、タイベック、全面マスクといった作業服を装着すると、取材しているだけでも汗だくとなった。全面マスクの締付けも苦痛で、2時間以上の着用は辛いものがある。この装備で事故収束作業にあたる作業員が、いかに過酷な仕事を強いられているか、改めて実感した取材であった。

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

関連記事

■視聴者ツイートまとめ

■報告ツイートまとめ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です