中長期ロードマップの進捗状況 記者会見「燃料取出し時に万が一落下しても、周辺公衆にリスクは与えない」 2013.10.31

記事公開日:2013.10.31取材地: テキスト動画
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 2013年10月31日、東京電力本店で「中長期ロードマップの進捗状況 記者会見」が開催された。4号機使用済燃料プールから使用済燃料を取出す時、落下した場合の敷地境界被曝線量を評価、周辺公衆にリスクは与えないことがわかった。

■全編動画

  • 日時 2013年10月31日(木)
  • 場所 東京電力本店(東京都千代田区)

4号機使用済み燃料取出し時の事故対策

 11月中旬から福島第一原発4号機の使用済燃料プール(以降 SFP)から燃料を取り出し、共用プールへ移送する予定。  安全のため、燃料取り出しに使用する燃料取扱機及びクレーンには、複数種の落下防止策が施されている。その上で、万が一にも落下し、放射性物質が環境の放出された場合の、発電所敷地境界における被曝線量を評価した。その結果、落下時に 0.78~5.3マイクロシーベルトであり、周辺公衆に著しい被曝のリスクを与えないことが発表された。  その一方、落下地点周辺の影響についてはまだ公表されなかった。

4号機使用済み燃料取出し、移送

 4号機使用済み燃料の取出し、移送は、東電社員1名+協力企業作業者5名の計6名を一つのチームとし、全6チームの体制で行うことが発表された。燃料取り出しは昼間に行い、夜間はSFP内燃料ラックの上や中にあるがれきの撤去作業行う予定。  現在作業担当者に対し、モックアップ装置を使った訓練を実施中。手順書・要領書は作成中で、IRIDに協力してもらってるということだ。  取出した燃料は共用プールに移送する。その後は共用プールで保管する計画である。

タンク増設計画と水処理シミュレーション

 旧原子力安全・保安院指示による処理水の発生量シミュレーションと、タンクの増設計画が公表された。  現在汚染水等を溜めるタンクの総容量は、約40万トンあり、最終的には80万トンにまで増設計画である。  同時に、多核種除去設備等で処理した後の水の発生量をシミュレーションした結果も公表された。処理後の水はトリチウムが除去できずに残っており、排水することができず、タンクに溜めなければならない。そのため、タンクの増設量が、処理後の水の発生量を上回る必要がある。  いろいろな条件があるが、今回のシミュレーション結果では、地下水バイパスを実施しないと、タンクが足りなくなるということが示された。

ALPS本格稼働はまだ確定せず

 多核種除去設備「ALPS」のC系のホット試験が終了し、結果を評価している段階であることが発表された。現在ALPSの除去性能の向上を検討してるところだという。  ALPSは本年6月15日に発生したタンクの腐食漏洩対策や、10月4日に発生したシステム異常などの対策と、それらの確認作業を行っている。本格的な運転はその後になり、時期はまだ確定していない。

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以下、東京電力ホームページより、リンクを表示

報道配布資料

廃炉措置等に向けた取り組みの進捗状況

2013年10月31日(第9回事務局会議)

※参考
 中長期ロードマップ

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