収束のめどが立たない福島第一原発の汚染水問題。その陰にはどのような障害が潜んでいるのか。
福島第一原発事故発生直後、当時の菅直人総理大臣の補佐官として原発事故対応にあたっていた馬淵澄夫衆議院議員の記者会見が10月18日、日本外国特派員協会で行われた。
(IWJ・原佑介)
収束のめどが立たない福島第一原発の汚染水問題。その陰にはどのような障害が潜んでいるのか。
福島第一原発事故発生直後、当時の菅直人総理大臣の補佐官として原発事故対応にあたっていた馬淵澄夫衆議院議員の記者会見が10月18日、日本外国特派員協会で行われた。
■ハイライト
「プロジェクトの責任者として、地下水と混じって汚染水が海に出ることをもっとも懸念していた」という馬淵議員は、当時、地下水の汚染源への流入を防ぐため、粘土壁によって建屋を囲む「ベントナイトスラリーウォール」という工法を提案し、東電と調整していたという。しかし、粘土壁には1000億円もの設置費用が見込まれたため、東電は、債務超過をおそれた。
粘土壁の記者発表直前、東電は発表の延期を申し出て、民主党政権は資本市場への影響を懸念し、東電の申し出を受け入れた。馬淵議員が総理補佐官の任務を解かれ、事故収束作業から離れたのは、直後の東電株主総会前日だったという。「その後、民主党政権によって遮水壁は作られなかった」と馬淵議員は口惜しそうに語る。
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