シリーズ: 岩上安身インタビュー
【ガザ侵攻】誰からも罰せられることのない者がいる、不均衡な世界〜岩上安身によるインタビュー 第440回 ゲスト モントリオール大学教授・ヤコブ・M・ラブキン氏 2014.7.23
特集 中東|特集 IWJが追う ウクライナ危機
ヤコブ・M・ラブキン氏は、旧ソ連レニングラード(現サンクトペテルブルグ)に生まれ、歴史学を修めた後、カナダに渡った経歴を持つ。歴史学者として研究・教育活動を行う一方、ユダヤ教徒であるラブキン氏は、著書『トーラーの名において』で、パレスチナにおけるイスラエル国家建設に帰結したシオニズム運動に対して強い批判を展開している。
イスラエルによるガザ侵攻、ウクライナでのマレーシア機の「撃墜」事件など、世界を揺り動かす出来事が立て続けに起きている。これらをどう読み解けばいいのか。岩上安身のインタビューに応じたラブキン氏は、「免責性」「不均衡」という二つのキーワードを用い、現在の世界で何が起きているのかを明快に論じた。
(再UP)集団的自衛権とともに安保法体系に呑み込まれる日本〜岩上安身によるインタビュー 第439回 ゲスト 『検証・法治国家崩壊』著者・吉田敏浩氏 2014.7.24
特集 日米地位協定|集団的自衛権|憲法改正
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1959年に出された一つの最高裁判決が、その後の日本の歩みを決定づけた。しかも、その歩みは、一国の憲法の外部に、もう一つの法体系があるという異常な状態の中でなされてきた。
『検証・法治国家崩壊』(創元社・2014年)は、駐留米軍基地に絡んだ日本での裁判に米国が関与し、その判決内容に決定的な影響を及ぼした経緯を、米国公文書の徹底調査により解明した労作である。この判決——砂川判決——により、日本には、一つの憲法に基づいた法体系が存在するにもかかわらず、日米安全保障条約に基づくもう一つの法体系が構築されていくことになる。
その結果日本はどうなったか、またこれからどうなるのか。7月24日、著者の一人でジャーナリストの吉田敏浩氏に、岩上安身が聞いた。
「竹中平蔵の正体」 〜岩上安身によるインタビュー 第438回 ゲスト 『市場と権力』著者・佐々木実氏 2014.7.16
「竹中平蔵」――。嵐のような「構造改革」全盛時代を演出した張本人である。
ジャーナリストの佐々木実氏は、8年という取材期間を経て、竹中氏の評伝『市場と権力』(講談社、2013.05)を執筆。同書は、経済学者、政府閣僚、企業経営者といった複数の顔を自在に使い分け、政策決定に絶大な影響力をおよぼしてきた竹中氏の実像をとらえた力作として高い評価を得ている。
「軍法のない軍隊は使えない」”紛争解決請負人”が解釈改憲による集団的自衛権行使容認に疑義~岩上安身によるインタビュー 第436回 ゲスト 東京外国語大教授・伊勢崎賢治氏 2014.7.11
国際NGOや国連職員として、東ティモールやシエラレオネ、アフガニスタンなどの紛争地域で武装解除にあたった経験を持つ東京外国語大学教授の伊勢崎賢治氏。伊勢崎氏は、元内閣法制局長官の阪田雅裕氏や大森政輔氏、伊藤真弁護士らとともに、解釈改憲による集団的自衛権行使容認に反対する「国民安保法制懇」のメンバーとして活動している。
伊勢崎氏は、安保法制懇が報告書の中に記載した事例や、安倍総理が記者会見でパネルを用いて説明した米艦船による邦人救助といった事例について、「個別的自衛権や警察権で対応可能だ」と語り、自衛隊の海外における武力行使を可能にする集団的自衛権の行使容認を、国民に正面から信を問うことのない解釈改憲によって行う安倍政権の対応を批判した。
「7・1閣議決定は違憲 法的な効力はない」 〜岩上安身によるインタビュー 第435回 ゲスト 伊藤真弁護士 2014.7.5
日本国憲法第96条で定められている通り、憲法改正には正式な手続きがある。7月1日の閣議決定は、「解釈改憲」という手法により、この手続きを避けて通った。
7月5日、岩上安身は伊藤真弁護士にインタビュー。伊藤弁護士は、司法試験のための予備校「伊藤塾」の経営を通じ、志のある法律家・行政官の育成に励んでいるとともに、「憲法の伝導師」として日本国憲法の価値を説く講演活動も活発に行っている。インタビューでは、伊藤弁護士に、日本国憲法の理念と立憲主義、そして今回の閣議決定の「違憲性」について聞いた。
【大義なき解散総選挙13】「たとえ一人でも、やらないといけない」集団的自衛権行使容認に反対した自民党・村上誠一郎衆院議員に岩上安身がインタビュー 時折涙を見せる場面も~岩上安身によるインタビュー 第434回 ゲスト 村上誠一郎衆院議員 2014.7.4
前日夜から首相官邸前で市民による大規模な抗議行動が行われたにも関わらず、7月1日(火)、安倍政権は解釈改憲による集団的自衛権行使容認を閣議決定した。
海外での武力行使を可能にする集団的自衛権の行使容認を、国民に直接信を問うことなく閣議決定した安倍政権の「暴走」に、自民党内部で「待った」をかけた議員がひとりだけいる。村上誠一郎議員である。村上議員は永田町内外で積極的に反対の論陣を張り、7月1日に行われた自民党総務会でも反対意見を述べていた。
閣議決定から3日が経過した7月4日、村上議員は岩上安身のインタビューに応じ、時折涙を見せながら、集団的自衛権行使容認に反対する理由と、政治家としての覚悟について語った。
「地球は寒冷化している」 地球環境の変化とエネルギー政策の展望について聞く~岩上安身によるインタビュー 第433回 ゲスト 名古屋大学名誉教授・小川克郎氏 2014.6.14
現在、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第5次報告書が順次発表されている。IPCCが1990年に最初にまとめた報告書は、「人為起源の温室効果ガスがこのまま大気中に排出され続ければ、生態系や人類に重大な影響をおよぼす気候変化が生じるおそれがある」と警告し、CO2の増加による地球温暖化に対して警鐘を鳴らしてきた。
世界的な「常識」として定着しつつあるこの「地球温暖化」について、「地球は寒冷化している」と異議を唱えるのが、名古屋大学名誉教授で地球環境科学が専門の小川克郎氏である。6月14日、小川氏が居を構える八ヶ岳で、岩上安身がロングインタビューを行った。
集団的自衛権行使容認をめぐる安倍総理の「嘘」 米艦による邦人輸送を米国は想定せず ~岩上安身によるインタビュー 第432回 ゲスト 辻元清美・衆院議員 2014.6.20
特集 集団的自衛権
「紛争国から逃れようとしているお父さんやお母さんや、おじいさんやおばあさん、子供たちかもしれない。彼らが乗っている米国の船を今、私たちは守ることができない」――。
安倍総理は5月15日の記者会見で、「邦人を輸送する米艦の防護」の重要性を強調し、集団的自衛権の行使容認が必要だと国民に訴えた。しかし6月11日、民主党の辻元清美議員が、米国は邦人輸送を想定しておらず、過去に邦人輸送の規定盛り込みを拒否していたことを国会で明らかにし、政府も「米国の方針はそのとおりだ」とこれを認めた。
安倍総理は国民に「虚偽」の説明をしたのか――。
「情報は人権の要石」 国連・自由権規約委員会での秘密保護法審査を前に、岩上安身が英エセックス大学人権センター講師・藤田早苗氏に聞く~岩上安身によるインタビュー 第430回 ゲスト 藤田早苗氏 2014.6.20
特集 秘密保護法
7月15、16日と、国連自由権規約委員会による日本審査がジュネーブで行われる。この審査で秘密保護法も議論の対象となり、規約に規定されている基本的人権を侵害するものであるかが、問われることになる。
6月20日、藤田早苗・英国エセックス大学人権センター講師に岩上安身がインタビュー。藤田氏は、国際人権法の専門家としての立場から、秘密保護法に疑問を呈しており、昨年以来、秘密保護法成立の動きに対して、国連の人権問題専門家にも働きかけてきた。
【岩上安身のIWJ追跡検証レポート】セウォル号事故と韓国メディアの報道から考える ~滋賀県立大学講師・河かおる氏を交えて~岩上安身によるインタビュー 第428回 ゲスト 河かおる氏 2014.5.24
事故発生から2ヶ月が経とうとしている、韓国旅客船「セウォル号」沈没事故。6月6日時点で、死者290人、行方不明者14人という大惨事となった。
事故発生当初から、日本のメディアは、乗客を見捨てて脱出した船長と、宗教家で船会社の実質的オーナーである人物に焦点をあてて報じてきた。しかし、韓国のメディア、特に独立系メディアの報道を丁寧に読み解くと、この事故の背景となった、韓国社会の行き過ぎた利益追求主義や、米韓FTAなどで現実化しつつある新自由主義の実態が浮き彫りになってくる。そしてそれは、TPPに参加した、明日の日本の姿に他ならないのではないか――。
5月24日、朝鮮近現代史が専門で、事故直後から韓国の独立系メディアの報道をウォッチし続けている滋賀県立大学講師の河かおる氏を交え、セウォル号事故の経緯を改めて振り返るとともに、韓国メディアの報道を検証した。
集団的自衛権「グレーゾーン」 尖閣で開いた戦端が最悪の事態を招く ~岩上安身によるインタビュー 第427回 ゲスト 梓澤和幸弁護士(NPJ代表) 2014.5.29
「集団的自衛権とは、『自分の国が攻撃されていないのに、同盟関係にある他国が攻撃された時は、自分の国への攻撃とみなす』ということ」――。
5月29日、岩上安身のインタビューに応えた梓澤和幸弁護士(NPJ代表)は、集団的自衛権の定義を簡潔に表現し、「つまり米国がやられたら日本がやってやろうじゃないか、日本が戦争を買って出ようじゃないか、ということ」と付け加えた。
「渡辺氏は罪を犯した」――政治資金オンブズマン共同代表・上脇博之神戸学院大学教授が、渡辺喜美・前みんなの党代表を刑事告発! 岩上安身が告発趣旨を直撃インタビュー~岩上安身によるインタビュー 第426回 ゲスト 上脇博之氏 2014.5.31
化粧品大手DHCの吉田嘉明会長から計8億円を借入れた問題で4月7日にみんなの党代表を辞任した渡辺喜美衆議院議員に対し、この借入れが政治資金規正法違反にあたるとして、政治資金オンブズマン共同代表で神戸学院大学教授の上脇博之氏が、6月2日、東京地検特捜部に対して刑事告発を行った。
岩上安身は5月31日、神戸に飛び、告発状を提出する直前の上脇氏を直撃インタビュー。これまでの事実関係の経緯をふり返るとともに、今回の告発の趣旨について話を聞いた。
「日露エネルギー同盟を締結せよ!」シェールガス革命の幻想と日本のエネルギー戦略のこれから~岩上安身によるインタビュー 第425回 ゲスト 現役の経産省官僚・藤和彦氏 2014.5.23
特集 集団的自衛権~自衛隊が米軍の「下請け」になる日|特集 IWJが追う ウクライナ危機
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「ロシアから日本にパイプラインを引く」――。この驚きの提言を唱えているのが、世界平和研究所主任研究員で、『シェール革命の正体~ロシアの天然ガスが日本を救う』(PHP研究所)、『日露エネルギー同盟』(エネルギーフォーラム新書)などの著書がある、藤和彦氏である。
エネルギー政策の専門家である藤氏は、現役の経済産業省の官僚であるとともに、内閣官房に出向した経験も持つ。エネルギー政策に加え、地政学や安全保障といった観点からも、日本および世界のエネルギー問題を分析する、幅広い視野の持ち主である。
藤氏によれば、エネルギー源の多様性という観点からすると、日本は極めて危うい状況に置かれており、「先進国の中で最も石油を消費し、そのうち9割が中東に依存している」状況だという。
PC 遠隔操作事件~岩上安身によるインタビュー 第424回 ゲスト 落合洋司弁護士 2014.5.19
特集 PC遠隔操作事件
※この記事は、5月20日午前に片山祐輔被告が一連の事件への関与を認めるより前に取材したものです。IWJは、今後の展開についても引き続き取材を継続します(5月20日記載)
PC遠隔操作事件で、保釈中の片山祐輔被告の行方が分からなくなっているなか、落合洋司弁護士の事務所に「泉岳寺前法律事務所 片山祐輔様」という宛名のレターパックが届いた。レターパックは、いったん5月18日に事務所に届けられたが、事務所が不在だったために郵便局が保管しており、19日、落合弁護士が警察と協議したうえで受け取り、開封した。
「チェルノブイリでは5人に1人が鼻血」 健康被害をなかったものにする日本政府の対応を厳しく批判 ~岩上安身によるインタビュー 第423回 ゲスト ジャーナリスト・広河隆一氏 2014.5.17
小学館の週刊誌「ビッグコミックスピリッツ」に掲載された漫画「美味しんぼ」で、登場人物が福島第一原発を訪問後に鼻血を出すなどの描写があった問題は、安倍政権の閣僚が「風評被害につながる」などと揃って批判する事態に発展した。
この問題について、チェルノブイリを長年にわたり取材し、福島県内でも放射能の測定など取材活動を行っている、ジャーナリストで雑誌「DAYS JAPAN」編集長の広河隆一氏は、「『復興』という名目のもとで、政府や企業、IAEAなどによる安全キャンペーンが行われているのではないか」と指摘。ベラルーシやウクライナで2万5564人から回答を得たアンケート調査の結果を示し、「チェルノブイリでは、避難民の5人に1人が鼻血を訴えた」と語った。
「すべてが『実害』」 前双葉町長・井戸川克隆氏、石原環境相の「風評被害」発言を批判~岩上安身によるインタビュー 第422 ゲスト 前双葉町長・井戸川克隆氏 2014.5.12
「石原環境大臣に、なぜ鼻血が出るのか立証して欲しい」ーー。
週刊誌「ビッグコミックスピリッツ」に掲載された漫画「美味しんぼ」で、鼻血や体調不良について言及する発言が描かれた井戸川克隆前福島県双葉町長に5月12日、岩上安身がインタビューを行なった。井戸川氏は、石原伸晃環境大臣が、鼻血と福島原発事故による被曝の因果関係を事実上否定したことに対して、強い口調で反論。「私の人権を否定している」と批判した。
【大義なき解散総選挙11】岩上安身による緊急インタビュー 第421回 ゲスト 元米国防総省高官モートン・ハルペリン氏「米国政府は安倍政権に懸念を抱いている」 2014.5.8
「21世紀に民主政府によって検討された秘密保護法の中で最悪なものだ」――。
昨年末、安倍政権が国会で強行採決した「特定秘密保護法」について、痛烈に批判し話題となったモートン・ハルペリン元米NSC(国家安全保障会議)高官が、2014年5月8日に来日。岩上安身の緊急単独インタビューに応じた。
ハルペリン氏は米国防総省の高官時代、1966年から69年にかけて沖縄返還交渉に関わり、核密約などで日本側との交渉にあたった、外交安全保障の専門家である。ハルペリン氏はまた、情報公開と安全保障のバランスを定めた国際指針「ツワネ原則」作成に関わった、キーパーソンの一人でもある。
そんなハルペリン氏に岩上安身は、秘密保護法制定への「米国の関与」の有無、この法律を急いだ安倍政権の狙いと、そうした姿勢に対する米国の懸念、そして、日本と米国を含む民主主義国家が果たすべき情報公開の「責任」について、話を聞いた。