日刊IWJガイド・特別公開版「20年度日本の成長率4.6%減で過去最低! 菅政権の失政・悪政が続く限り日本に浮上の目なし!! IWJは真実を報じ『草の根民主主義』実現! ご支援よろしくお願いします!」2021.05.19号~No.3170号


┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━━
■はじめに~日本転落!! 20年度日本の成長率は「4.6%減」でリーマン・ショックより悪く、過去最低! 東アジア最悪! 無能な菅政権の失政・悪政が続く限り日本に浮上の目なし!! 国民投票法改悪も!! IWJは真実を報じ続けることで「草の根民主主義」「草の根言論の自由」を実現します! IWJの活動に皆さまからのご支援をよろしくお願いいたします!
■4月は、月間目標額に到達いたしませんでしたが、多くの皆さまからのご寄付・カンパでIWJを支えていただきました! 本当にありがとうございます! 4月のご寄付者様に感謝のしるしとして、お名前を順次掲載させていただきます。5月もピンチが続いています! ご支援をどうぞよろしくお願いいたします!
■【中継番組表】
■<IWJ取材報告 1>「クアッド」への英仏独蘭の参画と軍事演習への説明不足を指摘したIWJに、茂木大臣は「『自由で開かれたインド太平洋』は包摂概念で安全保障はその一部、説明は何度もした」などと理屈も何もない、ムチャクチャなはぐらかし!~5.18茂木敏充外務大臣 定例会見
■<IWJ取材報告 2>30自治体が大規模ワクチン接種会場設置を希望。菅総理が掲げる1日100万人接種へは遠いが、「スピードアップにはつながる」!?~5.18ワクチン接種に関する河野太郎新型コロナワクチン接種推進担当大臣の記者会見
■水俣病患者に寄り添い、そして命を落とした写真家ユージーン・スミス氏を描いた『MINAMATA』が9月に日本で全国公開! 水俣病確認から65年。しかし当時の国と公害たれ流し企業と、その企業にやとわれた暴漢たちの犯した過ちは、過去のことではない! 地球閑居問題には高い関心を示しても、被害実態の明らかな公害からは目をそむけてしまってはいないだろうか!? 公害こそ、環境問題の原点である!!
■【緊急シリーズ特集!コロナ禍の陰で着々と進む戦時独裁体制樹立の改憲!今国会での改憲国民投票法強行採決を許すな!! 20】本日午後7時半から2019年収録「中米貿易戦争はプロレスか!? デジタル覇権を争うスマホ業界の抜き差しならない米中相互依存!トランプ米大統領のオーバーアクションに適応する中国の交渉力と技術力!! ~2.13 岩上安身によるインタビュー 第922回 ゲスト 中国通エコノミスト田代秀敏氏 2/3」を再配信します!
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■はじめに~日本転落!! 20年度日本の成長率は「4.6%減」でリーマン・ショックより悪く、過去最低! 東アジア最悪! 無能な菅政権の失政・悪政が続く限り日本に浮上の目なし!! 国民投票法改悪も!! IWJは真実を報じ続けることで「草の根民主主義」「草の根言論の自由」を実現します! IWJの活動に皆さまからのご支援をよろしくお願いいたします!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 内閣府が18日発表した2020年度の国内総生産(GDP)の「実質成長率は前年度比4.6%減」で、「リーマン・ショックに伴う世界的な金融システムの混乱に揺れた08年度(3・6%減)よりさらに悪く、現行統計と比較可能な1995年度以降で最大の落ち込み幅」となったことを毎日新聞が報じました。

 2020年4月から21年3月の2020年度ではなく、1月から12月の2020年の日本の成長率は4.8%減でしたから、かろうじて0.2%だけ上向きました。しかし近隣の他国と2020年の成長率を比較すると、台湾は、コロナ禍を克服して2.98%と、1991年以降約30年ぶりに中国の成長率を抜きました。台湾に抜かれたとはいえ、2.3%と同じく成長を続ける中国はもちろん、日本と同じくマイナスに転落した韓国と比べても、韓国のマイナス幅は1.0%、それに対して日本は4.8%のマイナスですから、中国を中心に、世界で最も繁栄し、経済の中心地となっている、といわれる東アジア地域の中で、日本はダントツの「一人負け」を喫しているのです。

 日本の成長率が、大幅に低く、東アジア最悪である、そこまで日本はおちぶれた、という事実に衝撃を受けず、原因の分析を真剣にせず、失政に対する批判を行わないようなメディアやジャーナリストや知識人やエコノミストがいたら、その人間たちは、自分たちが名乗っているその看板は即、返上すべきです。

 さらに同日内閣府が発表した2021年1~3月期の実質成長率の速報値は「前期比1・3%減」で、「この状態が1年続いた場合の年率換算は5・1%減」となることも毎日新聞は伝えています。2021年は2020年より一層悪くなる可能性があるということです。

 コロナ禍にまみれても他の東アジア諸国でこんな坂を転げ落ちるような国力低下を示している国はないということからも、転落の理由はコロナ禍そのものではなく、すべては、コロナ禍への対策を2代にわたって誤ってきた無能な安倍・菅政権の失政、悪政の責任です。コロナのせいにするな、政府の馬鹿げたコロナ対策のせいだ、と言いたいところです。

※20年度GDP、過去最悪4.6%減 リーマン・ショック超える下落(毎日新聞、2021年5月18日)
https://mainichi.jp/articles/20210518/k00/00m/020/031000c

※日本経済、2020年は4.8%縮小 新型コロナウイルス影響(BBC NWES、2021年2月15日)
https://www.bbc.com/japanese/56066376

※中国、20年2.3%成長 10~12月は6.5%増と回復拡大(日本経済新聞、2021年1月18日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1549C0V10C21A1000000/

※台湾の経済成長率、約30年ぶりに中国超え(共同通信グループ アジア経済ニュース、2021年02月01日)
https://www.nna.jp/news/show/2147290

※2020年通年のGDP成長率はマイナス1.0%(韓国)(日本貿易振興機構、2021年01月28日)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/01/f78632ac6b183432.html

 しかし安倍・菅政権の失政、悪政が、コロナ対策だけでないことは周知の通りです。

 連日この日刊IWJガイドでお伝えしているように、今国会で、改憲手続き法である「日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案」、いわゆる国民投票法改正(改悪)案が可決、成立しようとしています。

 成立すれば、いつでも国会での改憲発議が可能となります。現在の衆参の陣容を見ると、改憲勢力が3分の2を超えていると見られ(参院はギリギリ)、衆院の解散総選挙が行われ、改憲勢力を大幅に落選させない限り、この危機は去りません。

 改憲勢力はコロナ禍を悪用して緊急事態条項が必要だというプロパガンダを繰り広げており、世論調査を見る限り、そのプロパガンダは過半数の国民をだますのに「成功」しているのが現状です。

※5月3日憲法記念日に菅総理は危険な「緊急事態条項」を創設する憲法改正へ意欲! 新聞各社の世論調査でも改憲派が増加!(日刊IWJガイド、5月4日号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/48745#idx-4

 世論が、緊急事態条項の危険性について鈍いのは、その責任の多くは、大手メディアにあります。

 新聞・テレビは、特措法による緊急事態宣言と、改憲による緊急事態条項が、まったく別のものであることを十二分に国民に伝えているでしょうか!? 否、むしろ国民が混同してしまうような曖昧な伝え方が随所に見られます。また、マスコミはどこも、改憲による緊急事態条項がいかに危険なものであるか、真剣に、誠実に、かつわかりやすく、国民に繰り返し伝えているとは到底言いがたい状況です。

 このまま、大半の国民が真実を知らされないまま、憲法に緊急事態条項が書き加えられ、あげく、実際に緊急事態が発令されれば、国会はその機能を失い、内閣のみに全権力が集中し、国会審議を経ることなく、閣議決定のみで、法律と同じ効力を持つ政令が一方的に出せるようになります。内閣による独裁体制が確立してしまうのです。

 そうなれば、もはや、日本には、自由も、民主主義も、三権分立も、法の支配も、なくなります。国政選挙すらもなくなるのです。ですから、IWJはこれまで一貫して、緊急事態条項を阻止することが何よりも重要だと訴え続けてきました。既存の憲法秩序を覆す、従来であれば「違憲」とされるような内容の「政令」でも、「独立命令」として国民に押しつけられます。

 政府にとっては緊急事態条項さえ手中にあれば、9条を含めた憲法のどの条文にも拘束されず、「政令」ひとつでどうにでもできるようになるのです。既存の憲法秩序にもとづく法体系があろうとも、「緊急事態」を理由に、「政令」さえ出せば、独裁政府に不都合な言論の取り締まり、令状なしの逮捕、監禁、拷問、裁判抜きの処刑も可能となるでしょう。

 それらはすべて、歴史上過去の独裁国家において前例のあることです。「国家緊急権」の名のもとで、独裁権力は国民に対し暴力をもって服従させ、対外的にはしばしば侵略戦争に打って出ました。典型的なのがナチス・ドイツであり、大日本帝国です。

 反体制を唱える国民だけが弾圧されるのではなく、戦前・戦中の日本がそうであったように、国家総動員体制が作られ、国民は一銭五厘の赤紙で徴兵され、財産を徴発され、貯蓄を強制的に戦時国債の購入に回され、強制労働を強いられても、抵抗も逃走もできなくなります。

 安倍・菅両政権を支持してきた右派も、よくよく考えるべきです。右派には富裕層も含まれるでしょうが、戦費調達のために財産権も侵害されうるのです。新自由主義が大好きな富裕層であっても、無謀な戦争によって、平和だからこそ可能なビジネスも、自身や大切な人の生命も犠牲になることを忘れないでください。自由、法秩序、民主主義、平和、暴力の否定、それらが壊される時、誰もが犠牲となるのです。

 一番の問題は、国民に有無を言わさぬその独裁権力樹立の目的は何か、ということです。現状、米国の従属国でしかない日本が、米国の「鉄砲玉」として、中国や北朝鮮への攻撃を行うための最前線基地となり、日本列島全土を戦場として提供するために日本国民、日本社会すべてが犠牲になるプランが現実に進められている、ということを、日本国民全員が理解していたら、誰も承諾しないでしょう。

 だからこそ、このだまし討ち可能な緊急事態条項が必要なのです。有無を言わさず、国家が全権力を掌握し、国民にこの不条理を押しつけてゆく必要が、米国の戦争屋とその傀儡の日本の権力層にはあり、彼らは、普通の説得で、日本国民を納得させられると思っているはずがありません。

 現代はミサイル戦の時代です。連日お伝えしていますが、日本への「自称・スタンドオフミサイル(敵の射程外から攻撃する能力がある、という意味だが、実際には中国軍のミサイルは日本全土に届きうる)」配備が大急ぎで進められています。これは「専守防衛」ののりを超え、中国・北朝鮮領土内に届くもので、ということは逆に相手からのミサイル攻撃をも誘発し、反撃を受ける確率やリスクが格段に高まるということでもあります。

 これらは改憲を急ぐ動きと無関係ではありません。表裏一体だと見るべきです。

※「『スタンドオフ防衛能力』は、実際にはスタンドオフ=脅威圏外からの攻撃能力ではなく、圏内となり、事実上、刺し違え戦略なのではないか?」とのIWJ記者の質問に、岸大臣は話をそらし、「抑止力を高めるためのもの。(反撃には)対空防衛能力を高めていく」と疑問の残る回答~5.11岸信夫 防衛大臣 定例会見 2021.5.11
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/491886

※「日本列島全土が中国のミサイルの射程距離内にあるのに『敵の射程外から発するスタンドオフミサイル』をどうやって日本国内に配備するのか?」IWJ記者の質問に岸防衛大臣は実質無回答!!~5.14岸信夫 防衛大臣 定例会見 2021.5.14
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/491980

 中国・北朝鮮を仮想敵国とした米軍の「スタンドイン」戦略に、日本列島は組み込まれようとしており、そのために日本列島を米軍の自由に使える状況を作り出す必要があるのです。米国の戦略の絵図を知らなければ、この国のすぐ目の前の未来もわかりません。

※米中戦争前夜における日本主体の安全保障論(3)バイデン政権でも米軍の戦略に変化なし? 米中両国のミサイル戦略の狭間で日本列島全土が戦場になる!! 岩上安身によるインタビュー 第1018回 ゲスト 東アジア共同体研究所・須川清司上級研究員 2020.11.12
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/484696

 しかし、そんなことを一挙にやるには、私権をすべて一気に制限してしまう緊急事態条項を用いるしかありません。原発54基を抱えたまま、日本列島が米中代理戦争の当事国、最前線の戦場となれば、多数の市民が犠牲となるのは火を見るより明らかでしょう。最悪の場合、日本列島の国土の大半は、人の住めない放射能汚染地となるかもしれません。

 一面の記事にあるべきことなのに、日本の大手メディアが、ほとんどまともに論じていないのが、5月11日から17日まで行われた中国包囲網の大演習です。日米豪印のクアッドに加えて英独仏蘭の欧州の強国、昔の「帝国主義列強」がこぞって軍艦を「インド太平洋」へ送り、日本は各国の軍艦に寄港を認めました。

 覇権を巡る米中対立がエスカレートして、これだけの同盟国各国を巻き込み、万が一、この構図、この規模で実戦に至ったら、世界大戦の規模の戦争となりえます。

 その際、中国に最も近く、米欧の戦力に根拠地を与えているのが日本であることを忘れてはなりません。中国は日本のことを、憎かろうが憎くなかろうが、そんなこととは一切関係なく、在日米軍基地および自衛隊基地、そしてクアッドプラスαの同盟国各国の軍艦が寄港する港やその後背地に攻撃を仕掛けることになるでしょう。

 ちなみに、中国は、世界で最も早く最低でもマッハ5以上、最大ではマッハ20以上というハイパーソニック(極超音速)ミサイルを開発し、すでに実戦配備しているのです。

 マッハ20やマッハ25のミサイルを誰が迎撃できるのでしょうか!? 洋上の戦艦や空母は、大きな的です。中国の東風(トンフー)が、「空母キラー」と呼ばれるゆえんです。日本に駐留する米国の第7艦隊ですら、無傷であるとは到底考えられません。

 中国はクアッドプラス英独仏蘭の「連合軍」の威嚇的なデモンストレーションに対し、闘争心を駆られこそすれ、怯えるとは思えません。

 繰り返しますが、こうした大演習の事実そのものが日本のマスコミではほとんど扱われません。IWJではくわしくリサーチした記事をアップし、昨日の日刊ガイドの後段で、その会員向けの記事をご紹介しました。

※<新記事紹介>米日豪印のクアッドによる中国包囲網に英独仏が加わり「インド太平洋」で大演習!! 中国対米国の覇権争いは「世界大戦規模」に拡大するのか!?(日刊IWJガイド、2021.05.18号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/48817#idx-3

※米日豪印のクアッドによる中国包囲網に英独仏が加わり「インド太平洋」で大演習!! 中国対米国の覇権争いは「世界大戦規模」に拡大するのか!?
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/492120

 会員登録の上、ぜひ、御覧になってください。

 IWJを御覧になっていないと、何が日本で、世界で、起きているか、本当にわからなくなると思います。

 通常であれば、こんな事態を知れば、反戦運動も起こりうるでしょうが、今でも「報道の不自由」を、記者クラブメディアは続けています。これで実際に、緊急事態条項の発令で全権力を内閣が掌握したならば、反対運動もできませんし、抵抗もできません。真実の報道もできません。そのため、ほとんどすべての国民は何が起きているか理解できないまま、プロパガンダだけを聞かされ、うのみにすることになります。真実は、今、メディアが知らせようとし、国民もまた知ろうとしなければ、知り得なくなるのです。

 今の与党政権は、米国の「命令」に過剰なまでに従って、こんな愚行を犯そうとしていることを、一人でも多くの日本人が目を覚まして、目前の危機を知る必要があります。

 IWJは独裁にも、米国への従属にも、当然ながら中国への従属にも反対しています。日本は、独立した、真の主権国家であるべきです。この国の運命を決めるのは、この国の主権者たる国民でなくてはなりません!

 「原発を抱えたまま破滅的な戦争」に突入することには、絶対に反対です。このまま米国の「鉄砲玉」に、無自覚に仕立て上げられて、日本がむざむざ自滅の道をたどることは、絶対に阻止しなければいけません。

 安倍政権と同じく、菅政権も破滅的な対米従属路線を突き進んでいますが、そんな罠にはまってはなりません。我々は、民主的な主権国家の道に引き返すべきです。

 IWJは、自由と民主主義・法の支配・人権を守り抜くだけでなく、極右・極左の両方の全体主義にも反対し、平和を維持しながら国民主権にもとづく日本国家の自立を求めるべく、報道・言論活動を行ってきました。

 そうした報道・言論活動をIWJ設立以来10年続けることができたのは、特定のスポンサーに頼らず、IWJの姿勢に共感してくださる一般市民の皆さまのご支援によって支えられてきたからです! 改めてそのことに感謝申し上げます。本当にありがとうございます!

 しかし、今後、そうした、権力の言いなりにならない、独立した報道・言論活動が続けていけるのか、今からが、正念場です!

 緊急事態条項が発令されれば、報道・言論の自由は間違いなくなくなります。報道・言論を統制する「政令」を内閣が出せば、「法律」と同等の効力をもつからです。言論の自由を定めた現行憲法秩序はすべてフリーズし、違憲の「政令」が乱発され、言論・報道の自由は殺されることは間違いありません。米国と政府にとって都合のよい報道・情報だけがあたかも「報道の自由」がまだ認められているかのような顔をして、とぼけてまかり通ることでしょう。

 真の報道の自由、真の言論の自由がなくなっても、新聞・テレビはそしらぬ顔で存在し、権力に迎合した情報をたれ流していくことだろうと思います。すべてが「官報」化することでしょう。

 しかし、IWJは、現行憲法の理念に立った、権力から独立した真の報道・言論を貫くつもりです! 日本国憲法第21条には「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」と定められています。この「表現の自由」を定めた憲法を、私たちは、自ら守りぬかなくてはなりません!

 しかし、緊急事態条項が憲法に書き入れられ、現行の憲法秩序が侵されて、独裁内閣の出す「政令」が万能となれば、この憲法21条の「表現の自由の保障」も空文化してしまいます。IWJは発行停止、アカウント停止になり、動画もテキストもすべて削除されるかもしれません。

 独裁権力と真正面から戦って、日本の破滅につながるその愚かさ、過ちを批判し続け、そのあげくに弾圧されてつぶされるというなら、それはそれで、岩上安身として、IWJとしては本望ではあります。

 しかし、そのはるか手前で、財政危機によって、つぶれてしまったら、あまりに無念で、死んでも死にきれません。

 日本国憲法は第12条で、「国民の努力」の必要性を説いています。「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民はこれを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」。

 IWJは、小さいながらも、草の根からの「公共性」をもつネットメディアとして、存在し活動し続けてきました。「皆さまのNHK」が「公共放送」をうたいながら、上からの「公共性」=政治権力への迎合、押しつけに与してきたのとは、正反対です。

 NHKの受信料は、強制力をもって徴収される税のごときものですが、IWJの活動費は、すべて、草の根の市民の皆さまからの、自発的な意志による、会費とご寄付・カンパによってまかなわれています。

 「草の根民主主義」「草の根言論の自由」の実現がここにある、と我々は思っています。IWJを支えてくださっている皆さまは、実は、憲法12条における「国民の不断の努力」を重ねられている方々であり、しかも「公共の福祉のために利用する責任」を果たされている方々なのです。

 そうした方々に、自発的に支えられて、私たちIWJが、日々、権力に忖度しない報道・言論のために活動できています。皆さまに支えられて、私たちもまた憲法12条に定められている「国民の不断の努力」の一部を担えていることを誇りに思います。そしてそれと同等に責任、そして使命感をひしひしと感じています。

 5月のご寄付・カンパは、5月18日時点で77件、141万円です。

 IWJへのご支援をお寄せくださった皆さま、本当にありがとうございます。岩上安身とIWJスタッフ一同、心より感謝を申し上げます。

 しかしながら、この金額は、5月以降の新たな月間目標額である467万5000円に対して30.3%にあたります。5月もすでに3分の2近くが過ぎましたが、目標額の3分の1に届いていません。

 IWJにご期待いただける方は、少額でもけっこうですので、ぜひご支援をお願いいたします! 1人でも多くの方々からご支援いただけることを願っています!

 期末まで残すは今月下旬と、6月、7月の2ヶ月強。先月4月も月間目標額に到達できませんでした。このままでは、7月末の期末を大幅な赤字で迎えることが濃厚となってしまいます!

 経理が、3月末時点で様々な要素(支出を必死に切り詰めたり、岩上安身の報酬を全額カットしたことなども含めて)を考慮に入れ、改めて試算し直したところ、今期の赤字転落を避けるためには、今後、第11期の期末となる、7月末までの約4ヶ月の間に、寄付・カンパが最低でもあと1800万円必要であるという結果が出ました。

 ここに、4月のご寄付の合計金額397万5000円が加わりましたので、今期の残り3ヶ月間(92日間)のご寄付の目標額は、1402万5000円となりました。これを3ヶ月で割ると、5月、6月、7月で毎月467万5000円をご寄付・カンパでお願いしなければならなくなります。

 赤字が重なれば、これまでのような独立したジャーナリズム活動を維持して、IWJを存続させていくことは困難になってしまいます。

 現在、IWJ代表の岩上安身は自身の報酬を100%カットし、今期末まで「ただ働き」のまま、「手弁当」どころか「持ち出し」で、日々の激務に取り組んでいます。しかし、岩上安身個人にしわ寄せをする「異常」な状況が続いては、この先、IWJが存続し、活動し続けることはできません。

 IWJは、岩上安身個人からこれまで993万5000円借り入れており、まったく返済できておりません。

 他方、岩上安身が、IWJの危機に直面しても、これ以上私財を投入できないのは、すでに1000万円近い金額をIWJに貸しており、しかもIWJから報酬を得ることなく「ただ働き」で働き続けているので、貯金は増えることなく、日々減り続けており、これ以上IWJに私財を投じれば、貯金が本当に底を尽いてしまうからです。

 つまり、岩上安身が「無報酬」を余儀なくされるような「異常」な状態が続くと、岩上安身がつなぎ資金を貸すこともできなくなり、IWJは行き詰ってしまうのです。

 4月末までに、多くの方々からご寄付・カンパをいただきましたが、それらはすべてIWJの運営にあて、岩上安身への返済には1円も回しておりません。この点は、ぜひ誤解のないよう、ご理解ください。

 岩上安身も一人の人間であり、生活者であり、扶養しなければならない家族もいます。老後の貯えを削ることにも限界があります。

 今期、IWJが赤字転落した場合、岩上安身がこれ以上個人でIWJを支えるのは不可能です。

 会費収入については、コロナ禍による会員の減少に伴い、前期比20%減の予想となっています。この現実は大変重くのしかかっています。

 前期の会費収入は8322万円でしたが、今期の予想はマイナス1672万円の6650万円になるだろうと予測しています。これは、あくまで現状で会員数が下げ止まり、維持されると仮定した予測です。会員数がさらに減れば、もっと状況は厳しくなるでしょう。

 会員数の減少に伴う会費の減少により、なおさら、ご寄付・カンパでのご支援が本当に重要になってきています。

 前述の通り、IWJが特定のスポンサーや権力に対して、顔色をうかがうことなく、独立した自由な報道と言論をこれまで展開できてきたのは、市民の皆さまのご支援があってのことです。

 私たちは、ご寄付や会費という形で、市民の皆さまから託された期待に、独立メディアとして使命を果たすことで、こたえたいと思っています。

 日本を破滅へと導く、改憲による緊急事態条項の導入にも徹底して反対し、その後に起こりえるであろう、米中の覇権闘争の「捨て駒」として日本がいいように使われ、戦場とされてしまうことにも、断固として反対し、抵抗を貫きます!

 権力とスポンサーに日和り、保身に走る数多の既存メディアのような無様な背信は絶対にいたしません!

 改憲による緊急事態条項によって、自滅に至る戦争への突入を阻止すべく、徹底的に戦い抜くためには、IWJの姿勢に共感し、IWJを支えてくださる市民の皆さまのご支援、ご協力が、どうしても必要です!

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■4月は、月間目標額に到達いたしませんでしたが、多くの皆さまからのご寄付・カンパでIWJを支えていただきました! 本当にありがとうございます! 4月のご寄付者様に感謝のしるしとして、お名前を順次掲載させていただきます。5月もピンチが続いています! ご支援をどうぞよろしくお願いいたします!

 残念ながら、ご寄付・カンパの月間目標額には到達しませんでしたが、IWJは4月もたくさんの方々に支えていただきました! IWJは市民の皆さまに支えていただいていることが誇りであり、励みです。皆さまそれぞれの想いの託されたこのお金を大切に使わせていただきます。

 4月にご寄付をいただいた方の中で、掲載許可をいただいた79件のご寄付者様のお名前を、感謝のしるしとして順次掲載させていただきます。

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S.T. 様
t.f. 様
Sung-Gi Kim 様
M.T. 様
M.K. 様
荒井伸夫 様
鈴木徹 様
小田嶋義美 様
島津宣久 様
志田二郎 様
藤本ひさ子 様
藤野修司 様
c.m. 様
筧紀美枝 様
本田宏 様
T.I. 様
katsuaki sato 様
塩川晃平 様
内山和重 様
鈴木博子 様

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 皆さま、誠にありがとうございました! お名前は、IWJのホームページにも掲載させていただき、感謝のしるしとさせていただきます。

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◆中継番組表◆

**2021.5.19 Wed.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【撮りおろし初配信・ IWJ_YouTube Live】17:00~「加計学園問題に関する情報公開請求訴訟 判決言い渡し後の記者会見」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 5月18日に収録した、「加計学園問題に関する情報公開請求訴訟」の記者会見を配信します。これまでIWJが報じてきた加計学園関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e5%8a%a0%e8%a8%88%e5%ad%a6%e5%9c%92
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【IWJ・Ch5】18:30~「いのちとくらしと人権まもれ!五輪(オリンピック)よりもコロナ対策を!改憲手続き法の採決を強行するな!5.19国会議員会館前行動( #0519議員会館前行動 )」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 「戦争をさせない・9条壊すな!総掛り行動実行委員会」、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」共催の抗議行動を中継します。これまでIWJが報じてきた東京オリンピック関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF
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【緊急シリーズ特集!コロナ禍の陰で着々と進む戦時独裁体制樹立の改憲!今国会での改憲国民投票法強行採決を許すな!! 20・IWJ_YouTube Live】19:30~「中米貿易戦争はプロレスか!? デジタル覇権を争うスマホ業界の抜き差しならない米中相互依存!トランプ米大統領のオーバーアクションに適応する中国の交渉力と技術力!! ~2.13 岩上安身によるインタビュー 第922回 ゲスト 中国通エコノミスト田代秀敏氏 2/3」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 2019年2月に収録した、岩上安身による田代秀敏氏インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた米中関係関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e7%b1%b3%e4%b8%ad%e9%96%a2%e4%bf%82

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/442325

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◆中継番組表◆

**2021.5.20 Thu.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【緊急シリーズ特集!コロナ禍の陰で着々と進む戦時独裁体制樹立の改憲!今国会での改憲国民投票法強行採決を許すな!! 21・IWJ_YouTube Live】20:00~「米中戦争前夜における日本主体の安全保障論(1) 自発的対米隷従国家・日本が対中ミサイル前線基地兼戦場に!? 米国の対中戦略を読み解く! 岩上安身によるインタビュー 第1013回 ゲスト 東アジア共同体研究所 須川清司上級研究員 前編」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 2020年10月に収録した、岩上安身による須川清司氏インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた安全保障関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/securitytreaty

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/482747

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

米日豪印のクアッドによる中国包囲網に英独仏が加わり「インド太平洋」で大演習!! 中国対米国の覇権争いは「世界大戦規模」に拡大するのか!?
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/492120

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■<IWJ取材報告 1>「クアッド」への英仏独蘭の参画と軍事演習への説明不足を指摘したIWJに、茂木大臣は「『自由で開かれたインド太平洋』は包摂概念で安全保障はその一部、説明は何度もした」などと理屈も何もない、ムチャクチャなはぐらかし!~5.18茂木敏充外務大臣 定例会見

 5月18日午後2時30分頃より、外務省にて茂木敏充外務大臣定例会見が開かれました。茂木外務大臣からの報告、発言はなく、記者との質疑応答のみが行われました。

 朝日新聞記者が、「一部報道で6月のG7首脳会議にあわせて、日米韓の首脳会談を行う可能性というのが報じられております。最近、日米韓の要人の会合というのもたびたび報じられていまして、大臣もゴールデンウィークの外遊中に、日米韓外相会談に臨まれております。北朝鮮のアメリカによるレビューも終わりまして、日米韓の連携っていうのが意義を増してきているように思うんですけれども、今一度その日米韓での役割分担のあり方や、連携の意義についてお考えをうかがえましたらと思います」と質問しました。

 これに対して茂木大臣は、「ちょっと質問の意味が完全にわかってないんですけれど、北朝鮮対応含め、日米韓3ヶ国での連携、これは極めて重要だと思っております。また、日米韓の間で、(会談等は)そんなに頻繁ではないと思っておりまして、先日の5月5日の日米韓3ヶ国の外相会談、これが久しぶりの機会だったんじゃないかなと思っていますけれど、いずれにしても、様々な形で連携を確認していくことは地域の情勢を考えても重要なことだと思ってます」と答えました。

 これに続いて機会を得たIWJ記者は、以下のように質問しました。

 「2021年5月11日から17日まで、東シナ海で日米豪仏各国陸海軍の参加による共同訓練『ARC21』が行われました。また、イギリス政府は最新鋭の空母『クイーン・エリザベス』を中心とする空母打撃群をインド太平洋地域に派遣しており、年内には日本への寄港と自衛隊との演習も予定されています。

 日米豪印のいわゆる『Quad(クアッド)』に加えて、ヨーロッパの各国がインド太平洋地域に高い関心を持ち、軍備を派遣することは中国を刺激し、衝突につながるのではないでしょうか。この方向性が国際社会の平和と安定につながるとお考えでしょうか。また、これらに関する政府からの説明や情報の露出があまりないようですが」。

 なお、フランス軍の日本国内での訓練と、英空母「クイーン・エリザベス」の日本への寄港は初めてのことである。

※米日豪印のクアッドによる中国包囲網に英独仏が加わり「インド太平洋」で大演習!! 中国対米国の覇権争いは「世界大戦規模」に拡大するのか!? 2021.5.17
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/492120

 IWJ記者の質問に、茂木外相は以下のように回答しました。

 「まずですね、『自由で開かれたインド太平洋(通称FOIP  Free and Open Indo-Pacific Strategy)』という、この考え方は、2016年のTICAD(アフリカ開発会議)の際に日本が提唱して、考え方として民主主義であったり、基本的人権の尊重、法の支配等、共通の価値観、こういったものを共有しながら様々な協力を進め、それによって地域の平和、安定、繁栄、こういったものをつくっていく、そのための協力を進めようという考え方であり、それにつきましては、日米豪印といった国の協力と連結性の強化であったりとか、最近で申し上げますとワクチンで、これのアジア太平洋島嶼国への供給等、様々な分野に広がっております。

 また、インド太平洋地域、この要衝に位置します、ASEAN(東南アジア諸国連合)におきましても、独自のAOIP(インド太平洋に関するASEAN・アウトルック協力についての第23回日アセアン首脳会議共同首脳声明)を発表いたしまして、『自由で開かれたインド太平洋』、そしてAOIP、この考え方、まあ基本的に共有する、共通する部分が多いので、こういったことも昨年の日・ASEAN首脳会議でも確認し、協力を進めていくということになりました。

 今年に入りまして、EUとの間でも、1月に私がEUの外務理事会に出席をしまして、『自由で開かれたインド太平洋』、こういう考え方について説明を行いまして、多くの国から、それを支持したい、協力したいという話があったところであります。

 これは、安全保障の面ではありますけれど、それ以外の様々な分野というのも進んでいるわけでありまして、確かにそれぞれの国が、ヨーロッパにおいてもフランス、ドイツ、オランダが、インド太平洋に関する政策文書を発表しておりますし、英国政府もインド太平洋への方針を打ち出しているところであります。

 これは全体的な政策でありまして、そのなかに、ご指摘のような、空母打撃群の派遣であったり、ドイツのフリゲート艦の派遣であったり、さらには共同訓練ということも行われているということでありまして、元々『自由で開かれたインド太平洋』、これはあらゆる国に対して、包摂的な概念であります。こういった考え方を共有する、ルールを守るという国に対して、開かれた概念であると考えておりまして、こういったことはですね、丁寧に説明してきていると。

 説明を何度聞いたかわからない、というぐらい何度も聞いているという話でありまして、説明が足りてないってことはまったく当たっていないと思っております」。

 説明が矛盾していて説明になっていないのでまともな言葉で説明してもらえないだろうかというお願いには、どうも茂木大臣には通じないようです。

 茂木大臣が「自由で開かれたインド太平洋」が、あらゆる国に対して開かれている包摂的な概念であるならば、当然、その中に中国も、ロシアも、イランも含まれているはずです。

 「自由で開かれたインド太平洋」では各国の船舶が自由に航行することが許されその安全が守られる、ということが大前提になっています。中東からの石油に依存している日本にとって、このシーレーンが自由で安全なものであることは、非常に重要です。

 ところがこの平和を守るための構想であるかのようなインド太平洋戦略に、「ARC21」のように世界中から軍艦が集結して、中国包囲網を形成し、中国を軍事力で威嚇するようなことを行っていて、それが「インド太平洋構想」の理念と矛盾なく組み入れられているなどと、言われても「白は白、黒は黒」としか認識しない頭をもち、そのように発言しない正常で正直な人間にとってこれは頭が認知的不協和音を起こす、不可解でストレスフルな発言であると言わねばならないでしょう。

 しかしこのやり方こそは、クアッドプラスアルファが、現実に軍艦を集めてARC21という大演習まで行ったのは、端的にいえば中国の石油ルートを遮断するためです。

 中国は日本・韓国同様、中東からの石油に依存しているため、クアッドプラスアルファは、世界中の軍艦を集めて、その石油のシーレーンをインド沖でおさえ、マラッカ海峡を封鎖して、中国行きの石油タンカーも含めて自由な船舶の航行を遮断し、かつてのABCD包囲網で日本が石油禁輸に追い込まれたように、中国への石油の搬入を妨害してやろうと狙っているのです。

 マラッカ海峡封鎖は、まったく「自由でもない」「開かれてもいない」状態です。茂木大臣の言われた「自由で開かれたインド太平洋」という理念に反するのではないでしょうか。

 「自由で開かれたインド太平洋構想」の中に、具体的にはポジティブで平和的で建設的な政策などはほとんどなく、中国の「自由な貿易・石油取引・タンカーの安全な航行」を遮断して邪魔をし戦争準備をすることのほかは、構想は何もありません。茂木大臣は、なぜこの矛盾に気がつかないほど頭が回らないのでしょうか。

 気づいていて平然と「戦争は平和なり」という意味のことを口にしているのでしょうか。ならば「自由は隷従なり」とも「無知は力なり」とも思考し、行動し、口にできるのでしょう。

 そうであれば、茂木大臣という、あまり愉快ではない人物は、オーウェル著『1984』に登場する「ニュースピーク」の筋金入りの熟練した使い手といえます。そうした人物が大臣の地位にいる、ということは、この国とその「宗主国」や「同盟国」らは、もはや『1984』の中の全体主義国家「オセアニア」と同様の「お国柄」になってしまっているのではないでしょうか。

 私たち自身もふり返ってみましょう。自分たちが「オセアニア」の住人となってしまっていることへの違和感や疎外感が残っているでしょうか。

 違和感が消えた日が訪れたら、その人にとって、「思考の自由」がその人から消えたことを意味します。服従し、「思考の自由」をもたず、思考そのものをもはやしないで、「正統」に従って、労働し、生活するだけの人間。これは奴隷そのものです。

 茂木大臣のお得意な「ニュースピーク」に、イラっとした違和感を覚えてストレスを感じる人。そういう感覚が廃絶されないで生きている人は、今のこの政権下のこの国で、不愉快な思いをすることが多いでしょうが、あなたは「思考の自由」を、まだ、失わずにいる人です。

 会見の詳細は、ぜひ全編動画を御覧ください。

※「クアッド」への英仏独蘭の関与と軍事演習への説明不足を指摘したIWJに、茂木大臣は「『自由で開かれたインド太平洋』は包摂概念で安全保障はその一部、説明は何度もした」とはぐらかし!~5.18茂木敏充外務大臣 定例会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/492113

■<IWJ取材報告 2>30自治体が大規模ワクチン接種会場設置を希望。菅総理が掲げる1日100万人接種へは遠いが、「スピードアップにはつながる」!?~5.18ワクチン接種に関する河野太郎新型コロナワクチン接種推進担当大臣の記者会見

 5月18日午前9時頃より、東京都千代田区永田町の中央合同庁舎にて、河野太郎新型コロナワクチン接種推進担当大臣の記者会見が行われました。

 冒頭、河野大臣より、この日の会見後、午後から非公開で開催される予定の「規制改革推進会議」について、その議題などについて、報告がありました。

 また、PFI(Private Finance Initiative:公共施設の整備・運用に民間の資金・創意・工夫を用いる手法)について、2019年度のPFI事業における、地域の企業の参画状況の調査結果の報告がありました。地方公共団体が事業主体となるPFI事業47件の約9割、41件において地域企業が参画し、約半数にあたる22の事業では、地域企業が代表企業として参加したとのことでした。

 最後に、ワクチンの摂取状況についての報告がありました。

 5月17日までの累計で、医療従事者へのワクチン接種回数は、約548万回となっており、480万人とされる医療従事者のほぼ4分の3が一回目のワクチンを終了し、2回目接種まで終わった人がほぼ4割となっているとのことでした。

 高齢者へのワクチン接種については、5月16日(日)までの累計で、ワクチン接種完了者は約100万人となり、高齢者・医療従事者をあわせて全体で600万回を超えてきており、第5クールである5月10日からの2週間と、第6クールである5月24日からの2週間で、すべての高齢者の1回接種に必要なワクチンの配送が行われることになります。

 その後、第7クールである6月7日からのワクチンの配送について、河野大臣は「昨日、都道府県ごとの配分数をお知らせした。高齢者の接種実績が累計で100万回に達したので、今後も着実に進めていく」と述べ、報告を終えました。

 河野大臣からの報告後、各社記者と大臣との質疑応答となりました。

 質問は、モデルナ社製ワクチンの国内認可を見込んだ大規模接種会場の設置に、30の自治体から希望があったという、河野大臣の報告に関するものと、ワクチン接種の配送スケジュールについてが中心でした。

 IWJ記者は、会見で指名されず、質問の機会を得られませんでした。

 大臣からの報告と質疑応答の一部始終は、全編動画にてご確認ください。

※30自治体が大規模ワクチン接種会場設置を希望。菅総理が掲げる1日100万人接種へは遠いが、「スピードアップにはつながる」!?~5.18ワクチン接種に関する河野太郎新型コロナワクチン接種推進担当大臣の記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/492116

■水俣病患者に寄り添い、そして命を落とした写真家ユージーン・スミス氏を描いた『MINAMATA』が9月に日本で全国公開! 水俣病確認から65年。しかし当時の国と公害たれ流し企業と、その企業にやとわれた暴漢たちの犯した過ちは、過去のことではない! 地球閑居問題には高い関心を示しても、被害実態の明らかな公害からは目をそむけてしまってはいないだろうか!? 公害こそ、環境問題の原点である!!

 今年9月、水俣病の患者や家族を取材・撮影したアメリカ人写真家ユージーン・スミス氏の活動を元に描いた映画『MINAMATA(原題)』が日本全国で公開されます。スミス氏の写真のファンであったジョニー・デップ氏が、自身の制作会社でプロデュースし、製作と主演を務めています。

※映画『MINAMATA(原題)』公式サイト
https://longride.jp/minamata/

 1950年頃、化学工業会社チッソが「メチル水銀」を海に排出。以降、海の魚を水俣市などの住民が食べることで脳や神経を痛め、重い障害を負う「水俣病」が広がりました。

 ユージーン・スミス氏は日本で公害が社会問題となっていた1971年に、妻アイリーン・美緒子・スミス氏と共に来日し、熊本県水俣市に居を構えます。そして、水俣病の患者や家族に寄り添い、3年間に渡って取材と撮影を行いました。

 しかしユージーン・スミス氏は新聞記者や患者たちと共に千葉県のチッソ石油化学五井工場を訪れた際に、チッソ従業員に暴行を受け、脊椎を損傷するなどの重症を負い、その後も神経障害の後遺症に苦しみます。そして3年間の活動を終えて日本を離れてから4年後、59歳の時に発作を起こし、亡くなります。

 暴行した従業員について、スミス氏らとともに五井工場を訪れて暴行にあった、チッソ水俣病患者連盟委員長の故川本輝夫氏の息子であり、水俣病資料館「語り部」の川本愛一郎氏によれば、「従業員約200名に囲まれ、五井工場の事務所内で暴行を受け負傷」「チッソ水俣工場からも動員されていた」とのことです。また、環境学者、公害問題研究家の故宇井純沖縄大学名誉教授は「企業に忠誠を誓う多数派労組」と記しています。一方で、会社から雇われた右翼や暴力団ではなかったかとの噂も絶えません。

※水俣病事件ー人間の尊厳を取り戻す闘いー~父川本輝夫と家族の物語~(水俣学研究センターHP)
https://www3.kumagaku.ac.jp/minamata/wp-content/uploads/2019/09/b946e915b9a65e4ee21470211a844547.pdf

※技術と産業公害 第4章:水俣病(国際連合大学刊、ジェトロHP)
https://d-arch.ide.go.jp/je_archive/society/book_unu_jpe5_d05.html

 5月16日、ANNの取材に応じたジョニー・デップ氏は、『MINAMATA』を今、伝えたい理由について問われ、「いま世界に広がっているパンデミックは悲惨な状況になっていますが、水俣病も同じくらい悲惨で長年に渡り汚染され人の命も奪われてきました。水俣の問題は一度きりの問題ではないと気付きました。

 今(コロナで)多くの人が被害を受けたり、たくさんの命が失われる中、医療関係者の方々はギリギリの状況で命を救おうと必死です。中には他人の命を救おうと自らの命を犠牲にする人さえいます。

 『自分さえ良ければ、私が、私が』という考えはよくあることで、今に始まったことではありません。こんな今だからこそ私たちの欲望や願望などを考え直すべきじゃないでしょうか」と答えました。

※J.デップ最新作で描く「水俣病」なぜ今?独占取材(ANNnewsCH、2021年5月16日)
https://www.youtube.com/watch?v=YY4ij0vj0M8

 1956年5月1日に水俣病が「公式確認」されてから、もう65年になります。しかし、水銀中毒が起きた範囲や被害者の数がいまだに明確ではなく、患者たちが水俣病患者としての認定や補償を求める訴訟が今も続いています。

※水俣病65年 実情に見合う補償運用を(熊本日日新聞、2021年5月1日)
https://kumanichi.com/articles/215052

 前述の通り、ジョニー・デップ氏は、世界が新型コロナウイルスの大流行に苦しみ、後遺症を含む「被害」が今後も長く続くであろうことを水俣病と関連付けて作品公開の動機を述べました。しかし、日本のコロナ禍は「ただの災害」ではなく、「人災」の側面を持ちます。

 政府は健康調査などを怠り、被害の実態を把握しようとしません。日刊IWJガイドをお読みいただいている皆さまにとっては、もはや「飽き飽き」した状況だと思います。政府による「まず、知ろうともしない」という反知性主義的な態度は、これまで幾度となく繰り返されており、65年前の水俣病も、現在のコロナも、そして原発事故による被曝も同じです。

 ユージーン・スミス氏の妻だったアイリーン・美緒子・スミス氏は、現在、「人をつないで脱原発と温暖化防止」を目指す市民団体「グリーン・アクション」の代表を務め、反原発運動を続けています。岩上安身がインタビューを行ったほか、講演の様子などをIWJのコンテンツとしてお届けしています。

※グリーン・アクション ごあいさつ
http://greenaction-japan.org/jp/aboutus

 2019年10月にお届けした公演では、アイリーン・美緒子・スミス氏が夫ユージーン・スミス氏と共に行った水俣病の取材を振り返り、以下のように述べています。

 「持続可能でない社会…アメリカのやり方、日本の高度成長のやり方。それのいいとこだけ見てたら本当に何も見えてない」、「私は水俣に行って救われたのは、全体像を初めて見せてもらったことだと思います」

※「ひとりでもやる!みんなでやるからできる!―水俣から原発 今までとこれからの課題」(京都大学)―講師 アイリーン・美緒子・スミス氏(グリーン・アクション代表) 2019.11.10
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/460603

 米国に追従することを優先し、政治が利権に汚染されてきた日本では、「成長」や「復興」というスローガンに国民もメディアも騙され、「一部の被害」を軽視したり、時には無視してきました。

 日本政府は、新たな事実の判明に対応できず、被害を見逃すことも度々です。最近であれば、コロナ変異株の発生に対して医療関係者が注意喚起してきたにも関わらず、デタラメな水際対策をするほかは「広まるに任せた」ことが記憶に新しいところですが、第二次世界大戦の原爆被害、原爆症の実態把握でも現実から目を反らし続けています。

 2014年8月、岩上安身は、被爆者の診断を40年以上続けてきた経験を持ち、原爆症認定を求める訴訟の支援を行ってきた東神戸診療所の郷地秀夫所長にインタビューを行い、原爆被害者が置かれた状況についてお話をうかがっています。

 「放射線に起因する障害・死因がまだ増え続けており、検診する度に、それを実感しています」と述べた郷地氏は、「子どもの時に被曝すると、放射線の影響が大きくなると考えられます」と、被害増加の理由に若年時の被曝をあげました。

 郷地氏によると、これまでの研究で得られた、放射線と病気発症との因果関係を示すデータは、30歳時点での被曝をモデルとしたものだといいます。別の年齢で被曝した場合の結果が明らかになっておらず、「20歳、10歳での被曝を基準にしたデータが出てくれば、恐い結果になるのでは」と郷地氏は懸念を示しました。

 放射線傷害の最も専門的な研究機関である放射線影響研究所は、放射性被曝によるがん発生は増えていくとの予測を出しており、当時の予測によれば、原爆被害が最大限に出るのは「2020年」だったというのだから驚きです。

※原爆被害は過去のことではない~岩上安身によるインタビュー 第448回 ゲスト 東神戸診療所・郷地秀夫所長 後編 2014.8.16
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/162253

 水俣病でも、コロナでも、放射能被害でも、科学にもとづく判断を尊重することが必要です。政府などの責任ある立場にある人々は、過去の決定に疑いがかかれば見直し、新たに判明した事実を受け入れ、誤りを正すことができなくてはなりません。

 水俣病は「もう終わった、過去のこと」ではありません。ユージーン・スミス氏が水俣で撮影した幼少の水俣病患者はまだ65歳くらいの年齢で、生きて、今も被害に苦しんでいます。

 福島原発事故の被害も、新型コロナウイルスの後遺症も、実態が見えてくるのはまだまだこれからです。

■【緊急シリーズ特集!コロナ禍の陰で着々と進む戦時独裁体制樹立の改憲!今国会での改憲国民投票法強行採決を許すな!! 20】本日午後7時半から2019年収録「中米貿易戦争はプロレスか!? デジタル覇権を争うスマホ業界の抜き差しならない米中相互依存!トランプ米大統領のオーバーアクションに適応する中国の交渉力と技術力!! ~2.13 岩上安身によるインタビュー 第922回 ゲスト 中国通エコノミスト田代秀敏氏 2/3」を再配信します!

 本日参議院で憲法審査会が開かれ、改憲手続き法である「日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案」、いわゆる国民投票法改正(改悪)案の趣旨説明が行われる予定です。

 自民、公明、維新、国民民主などの与党側は、参院で実質わずか3回程度の審議を行い、今国会回帰中に成立させることを目論んでおり、野党第一党の立憲民主党もこれに「合意している」と報じられています。

 しかし、立憲民主が衆院憲法審査会で修正案として提案した「CM規制などの措置を3年以内におこなう」という附則について、与党側は「改憲発議を妨げるものではない」と、衆院憲法審の審議で明言しています。

 CM規制がないまま改憲が発議され、国民投票が行われれば、資金力のある改憲勢力によるプロパガンダによって改憲が現実のものとなってしまいます。そして現在、菅政権は「コロナ禍に対応するため、憲法に緊急事態条項が必要」だと、デマによる惨事便乗プロパガンダを繰り広げています。

 IWJは今国会での国民投票法「改悪」案の成立、戦時独裁体制の樹立につながる緊急事態条項の入った自民党改憲に強く反対を表明し、その危険性を訴えるため【緊急シリーズ特集!コロナ禍の陰で着々と進む戦時独裁体制樹立の改憲!今国会での改憲国民投票法強行採決を許すな!!】を連日お届けしています。

 憲法に自民党改憲案の緊急事態条項が組み込まれてしまえば、いつでも、いつまででも独裁が可能になってしまいます。そして、その目的は、米軍の捨て駒として、集団的自衛権の行使容認と安保法制のもとで、日本が原発を抱えたまま、中国を相手にした米国の戦争に自動参戦するための戦時独裁体制の樹立にあります。

 中国の台頭と米国の衰退により、覇権交代の危機感を募らせた米国は中国叩きに血道をあげ、米中対立は激しさを増しています。しかしその一方で、経済の視点から見れば米中はサプライチェーンで深く結びついており、デカップリング(経済の分離)は容易ではないという現実もあります。

 こうした現実を政治的なバイアスで歪めることなく、多面的に正しく理解することは、米中の狭間に置かれた日本が、今後どのような政策を選択するのかを判断する上で非常に重要です。

 そこで本日午後7時半から、2019年2月13日に収録した「岩上安身によるインタビュー 第922回 ゲスト 中国通エコノミスト田代秀敏氏」より、デジタル覇権をめぐる米中貿易戦争に関する話題部分を抜き出した「中米貿易戦争はプロレスか!? デジタル覇権を争うスマホ業界の抜き差しならない米中相互依存!トランプ米大統領のオーバーアクションに適応する中国の交渉力と技術力!! ~2.13 岩上安身によるインタビュー 第922回 ゲスト 中国通エコノミスト田代秀敏氏 2/3」を再配信します。

 田代氏は、信頼できる中国ウォッチャーが絶望的なまでに不足する我が国においては希少な、信頼に値する中国ウォッチャーであり、エコノミストです。

 2018年3月1日に米国が中国からの鉄鋼、アルミの輸入に課税したことで始まった米中の報復関税の応酬について、田代氏は「日本のメディアは、米国担当の人は米国しか見ないし、中国担当の人は中国しか見ないから、米中という関係になると、すごく報道が浅くなる」と批判しました。

 4月16日に米商務省は米国企業に対し、中国の通信機器大手ZTEとの取引を禁止しました。これについて田代氏は、次のように語りました。

 「このZTEという企業は、創立時から香港資本が入った会社です。資本携帯は国有だけど、経営は民営といわれています。

 ここで取引停止をやったら、4月17日、米国を代表する半導体企業のクアルコムの株価暴落。で、18日、クアルコムは大量の技術者のレイオフ(解雇)を発表したんです。なぜか?

 クアルコムにとって、ZTEってとってもいいお客さんなんです。ZTEのスマートフォンとか基地局の機械の中を開けると、クアルコムの半導体がいっぱい入っているんですよ。

 たちまち市場が反応して、クアルコムの株価暴落、大量解雇。そこで慌てて、罰金刑に『減刑』したんです」。

 さらに、2018年10月4日にペンス副大統領(当時)が、保守系シンクタンクのハドソン研究所で演説すると、ニューヨーク・タイムズが「新冷戦」と報じ、日本のメディアも一斉にこれを引用報道しました。

 これについて田代氏は、以下のような分析をしましました。

 「ニューヨーク・タイムズが報じたタイトルは、ペンスの中国に対する演説は、『”新冷戦”の兆候』と、ちょっと冷かして言っているんです。それを日本のメディアは、『新しい冷戦が始まった』と、一斉に報じたわけです。

 ニューヨーク・タイムズは長い記事なんですけど、後ろの方に『ペンスの演説はドメスティックオーディエンス、国内の聴衆向けだ』って書いているわけです。

 中国は10月1日の建国記念日から国慶節で1週間まるまる休みなんです。4日ってそのど真ん中ですよね。しかもこれ、北京時間の夜11時半ぐらいから始めたんです。誰もリアルタイムで見ていないんです。しかも激烈な論調で知られる環球時報っていう、人民日報系の新聞が休みの日なんです。

 ニューヨーク・タイムズは全部指摘して、『中国をなるべく刺激せずに、トランプの支持層に向けてしゃべった』と、タネあかしを書いているんです。

 なのに、今、大手新聞の米国特派員なんてみんな、米国の超一流大学に会社の金で留学して立派な修士号なんか持ってる人なのに、なぜか、読まなかったのか、読んでも目に入らなかったのか、書いてみたけどデスクが削ったのか知らないけど、誰も報じませんよね」。

 岩上安身は、次のように応じました。

 「それだけの奥行きがあるニュースなのに、その奥行きをきちんととらえて封じるのがプロのジャーナリスト、メディアの仕事なのに、薄っぺらい報道。そして偏った、官邸の気にいるような報じ方をしている。

 でもこれ、積み重ねると誤解とか誤読、間違いが多くの日本人の頭の中に堆積されちゃうので、後で修正するのが大変になってくる」。

 この後、インタビューで田代氏は、日本メディアが「米中戦争によって中国経済が減速しはじめた」という論調の報じ方を取り上げ、具体的なデータを示しながらこれを否定し、鋭く批判を加えていきました。

 田代氏は「ファクトを見てほしい。これで本当に戦争をしているのか?」と指摘しました。

 詳しくはぜひ、本日の再配信をご視聴ください。

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【緊急シリーズ特集!コロナ禍の陰で着々と進む戦時独裁体制樹立の改憲!今国会での改憲国民投票法強行採決を許すな!! 20・IWJ_YouTube Live】19:30~
「中米貿易戦争はプロレスか!? デジタル覇権を争うスマホ業界の抜き差しならない米中相互依存!トランプ米大統領のオーバーアクションに適応する中国の交渉力と技術力!! ~2.13 岩上安身によるインタビュー 第922回 ゲスト 中国通エコノミスト田代秀敏氏 2/3」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

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 それでは、本日も1日よろしくお願いします。

IWJ編集部(岩上安身、尾内達也、城石裕幸、木原匡康、千浦僚、仲川正紀、中村尚貴、浜本信貴)

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
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