日刊IWJガイド・非会員版「分裂し、錯綜するドイツ! ノルドストリーム爆破事件で、今度は、ドイツ情報局の元長官がウクライナとポーランドの共同作戦だったと主張!」2024.8.24号~No.4310


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~分裂し、錯綜するドイツ! ノルドストリーム爆破事件で、米国に対する追及をタブー視するあまり、今度は、ドイツ情報局の元長官がウクライナとポーランドの共同作戦だったと主張! ドイツの独立系メディアも、米国の犯行を問題にできない!

■8月1日から、IWJの第15期が始まりました! 新たなスタートですが、さっそくピンチです! 8月は1日から23日までの23日間で、45件、73万6860円のご寄付・カンパをいただきました! 第14期の月間目標額は400万円で、仮にその目標額に当てはめると、まだ18%どまり! 月末までのあと8日間で月間目標の82%、約326万円が必要となります! かなり厳しい状況です! 他方で、「IWJしか報じていない情報」が、激増しています! どうか財政難のIWJが、独立メディアとして報道・言論活動を継続できるよう、皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げます!

■【中継番組表】

■ユダヤ系米国人であるブリンケン米国務長官が、「イスラエルとハマスの橋渡しとなる」と自画自賛する和平提案は、イスラエルがガザでパレスチナ人大量虐殺を続けるための時間稼ぎに過ぎない! シオニスト・イスラエルはガザの「安全地帯の終着駅」デイル・エル・バラに爆撃を開始! 立ち退きを命じられたパレスチナ避難民は絶望! 元イスラエル兵らは「誰かが近づいてくるのを見たら、相手の体の中心を撃つことが許されていた」「人道回廊沿いの立ち入り禁止エリアに入ってくる者は誰でも、射殺するのが方針だった」「人道支援の車列に見られないよう、遺体をブルドーザーで瓦礫の下に隠した」と証言!

■本日のニュースの一撃!

■【第1弾! ウクライナ軍がベラルーシ国境に12万人の兵力を配置!? ベラルーシのルカシェンコ大統領は「我々がウクライナとの国境から部隊をすべて撤退させれば、致命的なミスとなる」「国境地域には諜報部隊と特殊部隊が駐留」、「国境にはかつてないほど地雷が敷設されている」とウクライナを牽制!】『ロイター』は、「ベラルーシが兵力の約3分の1を国境近くに配置」と部隊増強を報じるが、追加部隊が撤退したことは報じず!!(『ロイター』、2024年8月19日)
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■はじめに~分裂し、錯綜するドイツ! ノルドストリーム爆破事件で、米国に対する追及をタブー視するあまり、今度は、ドイツ情報局の元長官がウクライナとポーランドの共同作戦だったと主張! ドイツの独立系メディアも、米国の犯行を問題にできない!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 ノルドストリーム爆発事件の「真相」追及過程において、ドイツが分裂し、混沌としてきています。

 ノルドストリーム爆破事件をめぐる最新の大きな報道は、【IWJ号外】でもお伝えした8月14日付の『ウォール・ストリート・ジャーナル(以下、WSJ)』の記事「酔いしれた夜、借りたヨット:ノルドストリーム・パイプライン破壊工作の真実」です。

※【IWJ号外】ノルドストリーム爆破事件の「真実」を『ウォール・ストリート・ジャーナル』が「笑劇」の暴露! 破壊工作の責任者は、ザルジニー将軍(当時)! しかも作戦に関与したウクライナ軍の指揮官たちは誰ひとり起訴できないと認定! 2024.8.16
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/524235

※A Drunken Evening, a Rented Yacht: The Real Story of the Nord Stream Pipeline Sabotage(WSJ、2024年8月14日)
https://www.wsj.com/world/europe/nord-stream-pipeline-explosion-real-story-da24839c

 この記事は、これまで、『ニューヨーク・タイムズ』や『ワシントン・ポスト』、『シュピーゲル』など、米国や、ノルドストリーム爆破事件の当事国であるドイツの主要メディアが、共同で紡いできた「米国は犯人ではない」という「物語」に、一つのバリエーションを加えたものです。

 この『WSJ』による「物語」の新しい主要登場人物は、ゼレンスキー大統領と、ザルジニー将軍(当時)です。物語の骨子は、次のとおりです。

 ゼレンスキー大統領は、一度は爆破計画を承認したものの、それを知ったCIAが中止を要請。しかし、ザルジニー氏は、大統領の指示を無視し、計画にも変更を加えたといいます。

 破壊工作の費用は約30万ドルで、実行犯らには民間人と軍人の両方が含まれていたとされます。ウクライナの実業家の資金提供も受けていましたが、証拠を残さないために口頭で合意に達したとされています。現在、駐英ウクライナ大使のザルジニー氏本人は、関与を否定していると伝えられています。

 この8月14日付の『WSJ』の記事が配信されると、その翌日、まるでタイミングを見計らっていたかのように、主に西側の主要メディアで、「ノルド・ストリーム破壊工作でドイツが逮捕状を発行」というニュースが駆け巡りました。

 『WSJ』に掲載された「物語」が、この逮捕状発行の露払いだったことは、明らかではないかと思われます。

※Nord Stream sabotage: Germany issues arrest warrant(DW、2024年8月14日)
https://www.dw.com/en/nord-stream-explosions-germany-issues-arrest-warrant/a-69933920

※ノルドストリーム攻撃の男、独が逮捕状も出国=ポーランド検察当局(ロイター、2024年8月15日)
https://jp.reuters.com/markets/commodities/EET4HWBOZ5ORPBG7EKRPX6NPNQ-2024-08-14/

※ノルドストリーム爆破、ウクライナ人の男に逮捕状 独(AFP、2024年8月15日)
https://www.afpbb.com/articles/-/3533943

 ドイツの検察は、2022年9月26日に起きたノルドストリーム爆破事件の犯人として、ポーランド在住のウクライナ人のダイビング・インストラクターに「欧州逮捕状」を発行しました。

 「欧州逮捕状(European Arrest Warrant, EAW)とは、欧州連合(EU)内の加盟国間で迅速かつ効率的に犯罪容疑者や被告人の引き渡しを行うための司法的な手続きです。

 2002年に導入されたこの制度は、従来の引き渡し手続きよりも簡素化されており、EU加盟国の裁判所間で直接行われます。

 この一斉報道で不可思議なのは、ドイツ検察が逮捕状を発行したのが、6月だったのに、それを西側主要メディアが「一斉に」報じたのが、8月15日だったことです。前日の14日付『WSJ』の新ストリー発表にタイミングを合わせたことは一目瞭然であり、これが政治的な発表報道であることは、間違いないと思われます。

 しかも、笑い話に近くなるのは、逮捕状を取ったウクライナ人のダイビング・インストラクターの名前が、「ヴォロディミル・Z」なのです。これはゼレンスキー大統領その人を思わせます。

※ノルドストリーム爆破、ウクライナ人の男に逮捕状 独(AFP、2024年8月15日)
https://www.afpbb.com/articles/-/3533943

 まさに、ドイツ、ウクライナ、ポーランドの当事国で、『ロイター』や『AFP』などと、それに一斉に追随する日本の『朝日新聞』、『日経新聞』、『毎日新聞』、『テレ朝NEWS』など、西側メディアが総動員され、大掛かりな喜劇の幕開けとなりました。

※ロシアのパイプライン事故、ウクライナ国籍の男逮捕状 米紙「軍司令官主導の破壊工作」(朝日新聞、2024年8月22日)
https://digital.asahi.com/articles/DA3S16015867.html

※ガスパイプライン破壊、ウクライナ人に逮捕状 独検察(日経新聞、2024年8月14日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR145RH0U4A810C2000000/

※ロシアのパイプライン爆発 関与疑いでウクライナ人に逮捕状 独報道(毎日新聞、2024年8月14日)
https://mainichi.jp/articles/20240814/k00/00m/030/303000c

※「ノルドストリーム」破壊工作か ドイツ検察がウクライナ人ダイバーに逮捕状(テレ朝NEWS、2024年8月15日)
https://news.goo.ne.jp/article/tvasahinews/world/tvasahinews-000365998.html

 しかも、この喜劇は、その後、ドイツとポーランドの間で、役者同士の「内輪もめ」を起こしています。

 ポーランドのドナルド・トゥスク首相は17日、ドイツ当局の約2年におよぶ捜査の結果として、2022年9月に起きた爆破事件がウクライナ人グループの犯行だと指摘されたことを受け、容疑者が逮捕されることなくウクライナに戻ったことについて、「ドイツ当局は『謝罪して黙っているべきだ』と述べ」、ドイツ政府を非難しました。

 さらに、容疑者が母国ウクライナに逃亡したことで、ドイツでは一部から激しい抗議が起こっているといいます。

※Nord Stream Revelations Ignite Dispute Between U.S. Allies(WSJ、2024年8月20日)
https://www.wsj.com/world/europe/nord-stream-revelations-ignite-dispute-between-u-s-allies-cd3e0470?page=1

 それだけではありません。ドイツ国内からは、非常にトンチンカンな問題発言が聞こえてきています。

 8月20日付の『ヴェルト』は、1998年~2005年まで、ドイツ連邦情報局(BND)長官だったアウグスト・ハニング氏に、ノルド・ストリーム爆破事件についてのインタビューを行っています。

 ハニング氏は、「ゼレンスキー(ウクライナ大統領)とドゥダ(ポーランド首相)の間にはテロ実行の合意があった」と、このインタビューの中で主張したのです。

※Nord-Stream-Pipelines: Es gab Verabredungen zwischen Selenskyj und Duda, den Anschlag auszufuehren, sagt der Ex-BND-Chef(ディー・ヴェルト、2024年8月20日)
https://www.welt.de/politik/video253016536/Nord-Stream-Pipelines-Es-gab-Verabredungen-zwischen-Selenskyj-und-Duda-den-Anschlag-auszufuehren-sagt-der-Ex-BND-Chef.html

 この『ヴェルト』での、アウグスト・ハニング元長官の発言を、「批判的なウェブサイト」を謳うドイツの独立系メディア『NachDengSeiten』が、8月16日付で詳細に報じています。

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 いつもIWJをご支援いただき、ありがとうございます。

 8月は1日から23日までの23日間で、45件、73万6860円のご寄付・カンパをいただきました。ありがとうございます。

 第14期の月間目標額は400万円で、仮にその目標額に当てはめると、月の約3分の2にして、まだ18%どまりであるとわかります。かなり厳しい状態にあると言わざるをえません。

 支出を期の初めより、大幅に削ってきましたので、全体の収支がどうなっているか、赤字転落か、ぎりぎり赤字を免れるか、すべての計算が出そろわないとわかりませんが、出そろい次第、皆さまにご報告いたします。

 この8月1日から始まった今期・第15期の見通しは、7月中に立案するはずでしたが、岩上安身の体調不良と入退院を繰り返したことで、経理とのミーティングが十分にできておらず、ご寄付の月間目標額を今すぐただちにお示しすることができません。ご理解とご容赦のほど、よろしくお願いいたします。

 第15期こそは、赤字にならないようにするために、有料会員登録と、ご寄付・カンパで、財政難のIWJへのご支援をよろしくお願い申し上げます!

 7月末現在、IWJ会員の総数は2277人、このうちサポート会員の方は852人でした。ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします!

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 よろしくお願いします!

 岩上安身拝


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◆中継番組表◆

**2024.8.24 Sat.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2024.8.25 Sun.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch5】14:00~ PFAS国分寺市民の会結成1周年記念集会「初めて自治体で血液検査を実施する吉備中央町に学ぶ」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 PFAS国分寺市民の会結成1周年記念集会を中継します。これまでIWJが報じてきたPFAS問題関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/pfas

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◆「2024年8月31日」まで、フルオープン!◆

「脱炭素・ウクライナ紛争を利用して脱ロシアを進める欧州のゴールは、ロシアの資源を安く買い叩くこと」~岩上安身によるインタビュー第1106回 ゲスト JOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)調査課長 原田大輔氏 第1回 2022.12.9
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/512825

米国主導の対露制裁がもたらした大矛盾!「ロシアは『主権のない国』である日本を見てない!」~岩上安身によるインタビュー第1109回 ゲスト 独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構 調査課長 原田大輔氏 第2回 2022.12.27
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/513165

「ノルドストリーム1、2」を爆破したのは米国か否か? そもそも「ノルドストリーム」とは何か!? なぜ爆破されなければならなかったのか!? 岩上安身によるインタビュー第1113回 ゲスト JOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)調査課長 原田大輔氏 第3回 2023.3.13
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514714

「ウクライナは、自分が持ってるアセットをうまく使えば、ロシアと渡り合えたはず」~岩上安身によるインタビュー第1114回 ゲスト 独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構 調査課長 原田大輔氏 第4回 2023.3.23
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514875

「パイプラインはお互いの経済を潤すもの。それを破壊するのは第三者」~岩上安身によるインタビュー第1120回 ゲスト 独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構 調査課長 原田大輔氏 第5回 2023.4.17
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/515533

いつもと変わらず何も懲りない自民党。岸田派解散!? 安倍派・二階派ら4派閥が解散!? どれもこれも、目先の批判をかわすための偽装解散では!? 9月の総裁選を過ぎた時点で元の木阿弥なる可能性が高い!(日刊IWJガイド、2024年1月27日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240127#idx-5
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53149#idx-5

核燃料再処理工場のある六ヶ所村で「想定される地震はマグニチュード8クラス」!? 浜岡原発も危険すぎる!! ~岩上安身によるインタビュー 第889回 ゲスト 変動地形学研究者・渡辺満久東洋大教授 2018.7.17
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/427608

六ヶ所再処理工場で事故が起これば福島1000基分の放射能が拡散!? 1万キロ四方の住人が急性被曝で死亡!?~ 岩上安身によるインタビュー 第224回 ゲスト 村田光平(みつへい)氏(元駐スイス大使) 2012.7.3
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◆しばらくフルオープン!◆

自民党は39人処分するだけで幕引きをはかる!?「裏金問題はまだ始まったばかり」! 自民党議員らと岸田総理と後援会を次々と刑事告発!~岩上安身によるインタビュー 第1153回ゲスト 神戸学院大学法学部・上脇博之教授 2024.4.5
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「1994年の政治制度改悪が裏金作りを生み『米国の利益のための戦争をする国作り』に直結した!」~岩上安身によるインタビュー 第1154回ゲスト 神戸学院大学法学部・上脇博之教授 2024.4.18
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■ユダヤ系米国人であるブリンケン米国務長官が、「イスラエルとハマスの橋渡しとなる」と自画自賛する和平提案は、イスラエルがガザでパレスチナ人大量虐殺を続けるための時間稼ぎに過ぎない! シオニスト・イスラエルはガザの「安全地帯の終着駅」デイル・エル・バラに爆撃を開始! 立ち退きを命じられたパレスチナ避難民は絶望! 元イスラエル兵らは「誰かが近づいてくるのを見たら、相手の体の中心を撃つことが許されていた」「人道回廊沿いの立ち入り禁止エリアに入ってくる者は誰でも、射殺するのが方針だった」「人道支援の車列に見られないよう、遺体をブルドーザーで瓦礫の下に隠した」と証言!

 米国やカタール、エジプトが仲介する、イスラエルとパレスチナとの停戦交渉をめぐり、現在イスラエル軍が軍事的に掌握している、エジプトとガザ地区南部との境界線「フィラデルフィア回廊」の扱いが、焦点になっています。

 「フィラデルフィア回廊」は、全長約14kmの緩衝地帯で、第4次中東戦争後の1979年にエジプトとイスラエルの間で結ばれた平和条約で、エジプト側はエジプトの国境警備隊が、ガザ側はパレスチナ自治政府が管理することが決められました。また、「フィラデルフィア回廊」上にあるガザ地区最南部の街ラファの国境検問所も、エジプトとパレスチナ自治政府が共同で管理する権限を持つことが、この平和条約で定められました。

 2006年にパレスチナ自治政府で行われた総選挙で、ハマスが第1党となった後、米国とイスラエルの介入もあり、ファタハとハマスの対立が激化し、2007年にガザ地区からファタハが撤退して以降は、ガザ地区側をハマスが統治していました。

 今年5月はじめに、ガザに侵攻したイスラエル軍がラファの検問所を掌握。その後、5月末にはフィラデルフィア回廊全体も掌握すると、イスラエルとエジプトとの間で緊張が高まっていました。

※イスラエル軍、ガザ・エジプト境界の「回廊」を掌握 トンネル発見と発表(BBC、2024年5月30日)
https://www.bbc.com/japanese/articles/cw44nkqvg8xo

 イスラエルは、この「フィラデルフィア回廊」の地下に、多数のハマスのトンネルがあり、エジプトからの武器密輸に使われていると主張して、駐留継続を要求しています。

 8月21日付け『BBC』は、停戦交渉のために中東を訪問しているアントニー・ブリンケン米国務長官が、19日にエルサレムでネタニヤフ首相と会談した際、ネタニヤフ首相が「フィラデルフィア回廊」を含む「戦略的な軍事的かつ政治的な資産」だと主張するガザの複数地域に、「イスラエル軍を駐留させることを、合意に盛り込まなければならないと、ブリンケン氏を『説得した』」と、イスラエルメディアを引用して報じています。

※米高官、ガザ停戦協議めぐるイスラエル首相の姿勢を批判 妥協せず最大限に要求と(BBC、2024年8月21日)
https://www.bbc.com/japanese/articles/c8er17xle3ro

 エジプトは、イスラエル軍が「フィラデルフィア回廊」に駐留することに強く反対しています。

 この『BBC』の記事は、ブリンケン国務長官が「イスラエルとハマスの橋渡しとなる」と自画自賛する提案に、「イスラエル軍のガザ撤退に関する『詳細な計画』が含まれている。イスラエルはそれについて同意している」と明らかにしたと報じました。

 ちなみにブリンケン長官は、ウクライナ系ユダヤ人の父親と、ハンガリー系ユダヤ人の母親との間でニューヨークに生まれたユダヤ人であり、ハマスの奇襲を受けた後、イスラエルに飛び、「私は米国務長官としてではなく、1人のユダヤ人として来た」と、ユダヤ人としてのアイデンティティを、公職に優先させる発言までして、シオニスト・イスラエルへの肩入れぶりをアピールしました。

※【「1人のユダヤ人」であることをアピールしてきたブリンケン米国務長官が、テルアビブで「日々のガザ地区の民間人の犠牲、とりわけ子供たちの犠牲があまりに多すぎる」とイスラエルを批判!】しかし『アルジャジーラ』は米国やイスラエルの言動を「ICJでの訴訟への対応」と冷ややかに指摘! イスラエルだけでなく、彼らを諌めてみせる米国の権力者の言動も、ポーズに他ならない。本気でそう思うならば、米国はただちにイスラエルへの資金提供と武器提供を停止すべき! 米国の支援なくしては、戦えないと、当のイスラエル側が認めている!(『BBC』、2024年1月10日)(日刊IWJガイド、2024年1月13日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240113#idx-9
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53110#idx-9

 その上で、『BBC』の記者が、ネタニヤフ首相が「フィラデルフィア回廊」を含めたイスラエル軍のガザ駐留について、「ブリンケン氏を『説得した』とする報道」の真偽について質問すると、ブリンケン国務長官は「彼が言ったと引用されていることについては話せない」と答えました。ネタニヤフ首相の発言内容を、ブリンケン国務長官が否定しなかったことで、事実上、認めたのであろうと観測が広がりました。

 記事は、ブリンケン国務長官が、イスラエルが承認した「橋渡しとなる提案」について、「(イスラエル軍の撤退のスケジュールと場所の)計画の詳細についてはコメントしない」と答えたと報じています。

 一方、8月22日付『タイムズ・オブ・イスラエル』は、カタールからの情報として、ブリンケン国務長官が「停戦と人質解放の協定と引き換えに、イスラエルにエジプト・ガザ国境の『フィラデルフィア回廊』からの撤退を迫るため、『フィラデルフィア回廊』の国際平和維持部隊にエジプトが参加することを提案した」と報じています。

 しかしそのブリンケン国務長官の提案には「イスラエルが平和維持軍を監督する役割を担うことも含まれている」とのことです。これが事実であれば、平和維持軍とはイスラエル軍そのものであり、その管理下にエジプト軍が置かれる、ということになります。

※Blinken asked Egypt to take part in peacekeeping force on Philadelphi Route – report(THE TIMES OF ISRAEL、2024年8月22日)
https://www.timesofisrael.com/liveblog_entry/blinken-asked-egypt-take-part-in-peacekeeping-force-on-philadelphi-route-report/

 ハマスは、イスラエルがラファ検問所や「フィラデルフィア回廊」の支配継続を要求していることに対し、8月18日、「我々は、ネタニヤフが今もなお、合意への道を妨害し、仲介者達の努力を台なしにして、戦争を長引かせるために新たな条件や要求を突きつけていることを確認した」と反発しています。

 8月20日付『アルジャジーラ』は、ブリンケン国務長官の「イスラエルとハマスの橋渡しとなる提案」について、「ハマスはこの提案を拒否し、これは『イスラエルが大量虐殺を続ける』ための時間稼ぎをするための、米国の試みだ」と主張したと報じています。

 ハマスは、「イスラエルとハマスの橋渡しとなる提案」が、バイデン米大統領が5月31日に発表し、ハマスが受け入れた、「イスラエルが戦争を終わらせるための『包括的な新提案』」「永続的な停戦へのロードマップ」から逸脱しているとして、5月のバイデン提案に戻すことを要求しています。

※What is the Gaza ceasefire ‘bridging proposal’ and will it work?(ALJAZEERA、2024年8月20日)
https://www.aljazeera.com/news/2024/8/20/explainer-what-does-the-bridging-ceasefire-proposal-consist-of

※【第1弾! 米バイデン大統領が示したイスラエルとハマスの和平提案を、ネタニヤフ政権は「受け入れる」と表明しながらも、閣内極右の抵抗に先行き不透明!】ガザの死者は3万6000人超! ハマスは和平提案を「前向きに検討する」と表明しながらイスラエルの出方を観察か!?(『ロイター』、2024年6月3日)(日刊IWJガイド、2024年6月5日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240605#idx-5
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53560#idx-5

 エジプトを平和維持軍に参加させるというブリンケン国務長官の提案は、エジプトに対する譲歩のような体裁をとってはいますが、「イスラエルが平和維持軍を監督する役割を担う」という提案が、「イスラエルとハマスの橋渡しとなる提案」になるはずがありません。

 イスラエルが本気で停戦を望んでいないことは、こうした停戦交渉の間にも、ガザ地区やヨルダン川西岸地区で、ハマスの戦闘員でもなんでもない、パレスチナ人の民間人を殺害し続けていることからも明らかです。

 イスラエルの残忍なジェノサイドは、止まることがありません。この数日間の『アルジャジーラ』の記事タイトルを羅列するだけでも、イスラエルが国際法違反である、ジェノサイドを継続し続けている事実は明らかです。

※「イスラエルの攻撃で1日で35人が死亡、ガザの病院は崩壊の恐れ」
Israeli strikes kill 35 in one day as Gaza hospitals warn of collapse(ALJAZEERA、2024年8月19日)
https://www.aljazeera.com/news/2024/8/19/israeli-attacks-kill-35-palestinians-in-gaza

※「イスラエルのガザ戦争最新情報:イスラエルのガザ学校攻撃で12人死亡」
Israel’s war on Gaza updates: 12 killed in Israeli strike on Gaza school(ALJAZEERA、2024年8月20日)
https://www.aljazeera.com/news/liveblog/2024/8/20/israels-war-on-gaza-live-israel-kills-35-in-gaza-as-us-buying-time

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■本日のニュースの一撃!

■【第1弾! ウクライナ軍がベラルーシ国境に12万人の兵力を配置!? ベラルーシのルカシェンコ大統領は「我々がウクライナとの国境から部隊をすべて撤退させれば、致命的なミスとなる」「国境地域には諜報部隊と特殊部隊が駐留」、「国境にはかつてないほど地雷が敷設されている」とウクライナを牽制!】『ロイター』は、「ベラルーシが兵力の約3分の1を国境近くに配置」と部隊増強を報じるが、追加部隊が撤退したことは報じず!!(『ロイター』、2024年8月19日)

 『ロイター』は8月19日付記事で、「ウクライナがベラルーシとの国境近くに12万人余りの兵力を配置したことに対応」し、「ベラルーシのルカシェンコ大統領は18日、同国は兵力の約3分の1を国境近くに配置したと明らかにした」と報じました。

※ベラルーシ、兵力の3割強を国境近くに配置=大統領(ロイター、2024年8月19日)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/XBDRLGGBQRM6JAKNN4SDQ6VURY-2024-08-19/

★兵力の枯渇が伝えられ、徴兵年齢の引き下げや強引な徴兵方法が報じられているウクライナ軍が、12万人もの兵力をベラルーシとの国境近くに配置した、というルカシェンコ大統領の発言は、にわかには信じ難いものがあります。

※【IWJ号外】ウクライナ軍総司令官、ヴァレリー・ザルジニー将軍がウクライナ軍敗北必至の重要論文を発表!! 2023.12.6
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/520202

※【第1弾! 西側がいくら武器を送りつけても、武器を取ってロシアと戦う意思があるウクライナ国民は、わずか8%しかいない! しかも、ウクライナ軍にはもう兵士がいない!】それでも、ウクライナ軍部は50万人の兵士増強をもくろみ、14歳の少年まで拉致徴兵! ゼレンスキー大統領は男性の徴兵最低年齢を27歳から25歳に引き下げる法律に署名! さらに、ウクライナ軍の旅団は50代の兵士で占められ、71歳の戦車兵も! 女性も例外なく徴兵の方向へ!(『RT』、2024年4月2日ほか)(日刊IWJガイド、2024年4月10日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240410#idx-6
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53391#idx-6

 8月17日付『ウォール・ストリート・ジャーナル』は、ロシア領内のクルスクに侵攻したウクライナ軍について、「西側諸国の軍事力推計によると、ウクライナはクルスクに最大6000人の兵士を派遣しており、さらに(クルスクに隣接するウクライナの)スームィ地域での支援任務に、最大4000人の兵士を派遣している」と報じています。

※Behind Ukraine’s Russia Invasion: Secrecy, Speed and Electronic Jamming(THE WALL STREET JOURNAL、2024年8月17日)
https://www.wsj.com/world/behind-ukraines-russia-invasion-secrecy-speed-and-electronic-jamming-188fcc22

 つまり、ドンバスの戦力を割いて、クルスクにふり向けた1万人の兵力の、12倍もの兵士を、ベラルーシとの国境に配置したことになります。

※シカゴ大学のジョン・J・ミアシャイマー教授が「ウクライナ軍によるクルスク侵攻は(ウクライナとそれを支援する米国とNATOにとって)大きな戦略的失策」と断言!「クルスク攻防戦における占領支配面積の大きさは意味がない。重要なのは、死傷者交換率であり、その点はロシアに決定的に有利」だと一刀両断! クルスク侵攻のため、精鋭部隊をウクライナ東南部の防御線からはぎ取ったので、ウクライナ軍の防御は手薄に!「逆に、ウクライナの敗北は早まった」とミアシャイマー教授は分析!(日刊IWJガイド、2024年8月19日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240819#idx-4
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53804#idx-4

 ルカシェンコ大統領の発言の詳細を、8月19日付でロシアの通信社『タス』は、以下のように報じています。

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IWJ編集部(岩上安身、尾内達也)

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