2013/05/05 【東京】「ヘイトスピーチとは『社会的マイノリティに向けられる、悪意のある差別言論』のこと」 ~言論しばきVOL.1「21世紀の都市伝説『在日特権』のウソをすべて暴く」  

記事公開日:2013.5.5
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 2013年5月5日(日)18時30分、東京都新宿区のネイキッドロフトにおいて、「言論しばきVOL.1『21世紀の都市伝説「在日特権」のウソをすべて暴く』」と題したトークセッションが開かれた。排外主義を掲げる在特会(在日特権を許さない市民の会)などの団体による「嫌韓デモ」「ヘイトスピーチ」(憎悪表現)に反対する有志らが結成した、「レイシストをしばき隊」が主催した。主催者側が、「対立する意見を持つ人々とも討論する」という観点から、「レイシスト(差別主義者)は入場無料」と事前に告知したところ、「自称レイシスト」が2名来場した。トークセッションは、「レイシストをしばき隊」の隊長である野間易通(やすみち)氏と、「プラカード隊」の呼びかけ人である木野トシキ氏との間で繰り広げられた。

■出演
 野間易通氏(レイシストをしばき隊)
 木野トシキ氏(プラカード隊主宰)

■詳細 http://www.loft-prj.co.jp/schedule/naked/15284(ネイキッドロフト)

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◎「ネトウヨ」「嫌韓」のルーツについて

 野間氏は、いわゆる「ネトウヨ」(ネット右翼)のルーツとして、インターネット黎明期における「チェーンメール」や「F5攻撃」(F5キーを連打し、サーバーをダウンさせる)を用いた核実験抗議活動、巨大掲示板「2ちゃんねる」の台頭を挙げた。また、「2002年に日韓共催で開かれたサッカーのワールドカップで、『ネトウヨ』的な人が増え、『嫌韓』というものがはじめて発生した気がする」と振り返った。また、木野氏は、「2003年頃、同和利権に関する本が出るなど、タブー破り的な動きが見られた」と振り返った。

 また、野間氏は、2004年に北朝鮮の平壌(ピョンヤン)で開かれた日朝首脳会談で、金正日総書記(当時)が小泉純一郎首相(同)に日本人拉致を認めたことを挙げ、「これまで、『拉致は捏造だ』との意見が存在したため、拉致を認めたことをきっかけに、左翼の信用失墜が起きたとの印象を持っている。この頃、『朝鮮の悪口を堂々と言っていいんだ』という雰囲気が形成されてきたように思う」と述べた。また、2005年から2006年にかけて、嫌韓を煽る内容のマンガや書籍が刊行され、現在のようにヘイトスピーチが常態化するまでにエスカレートしていったことを振り返り、「くだらない本だとは思っていたが、潰すときは潰さなければという教訓になった」と反省の弁を述べた。

◎在特会について

 野間氏は、2006年12月に設立された在特会について、「ネット上に渦巻く嫌韓言説を総合したような内容を真正面から掲げた団体が出てきて、『あれはやばいんじゃないの』と思った」と振り返った。また、在特会代表の桜井誠氏について、「あまり荒唐無稽なことばかりではなく、細部では事実もあるが、全体として組み合わせると話がおかしいというようなレトリックの使い方がうまい。詐欺師、詐話師だ」と評した。

◎陰謀論について

 野間氏は、陰謀論について言及し、「ユダヤ陰謀論など、メディアに牛耳られているということを言いたい人がどうしてもいる」と述べた。また、首相官邸前デモを主催している首都圏反原発連合(反原連)についても、「電通やADK(アサツーディ・ケイ)が仕切っている」と誹謗中傷を受けていることを挙げ、「バックに、巨大で得体の知れないものがいるというストーリーは好まれる」と語った。

 また、野間氏自身に対しても陰謀論がささやかれていることを紹介。「俺の本名を『盧易通』(ノ・ヤスミチ)だとか言う奴がいる。野間の「ノ」は盧泰愚(ノ・テウ韓国元大統領)の盧ということらしい。根も葉もないのに拡散している奴がいる」と説明した。また、「最近は『中核派』だとか『在日韓国青年同盟』『核マル』とも言われている」とあきれた口調で話した。これに対し、木野氏は「私もオウムの関係者だとか言われている」と述べた。野間氏がすかさず、「『有田芳生さんがオウムに関係している!』とか?」と応じ、これに対して木野氏が「『有田芳生とオウムに接点発覚!』などとニコ動(ニコニコ動画)に上がっている。オウム事件のことを知らない若い人だろう」と述べると、会場から笑いが起きた。

◎流言飛語と早合点について

 野間氏は、「ネトウヨ初心者」の流言飛語について、「『在日は、年600万円も生活保護がもらえる』というレベルのものが多い」と述べた。また、「在特会の桜井さんはあまりにバカバカしいことは言わないが、『行動保守』には余計なことを言って墓穴を掘る人がいる」と述べた。その例として、あるレストランのメニューを見て「こんなところで犬肉料理を出すとは、日本は朝鮮文化に侵略されている!」と憤った人物の例を紹介。「メニューには『パトラッシュ特製ミートローフ』と書かれていたが、『パトラッシュ』は洋食屋の名前」と話すと、会場が爆笑に包まれた。

 また、野間氏は、2ちゃんねるに「野間はFM放送局に勤めている」というデマが書き込まれ、それを見た人が、そのFM放送局の社長室まで抗議に行ったという実例を紹介し、「早合点で即座に行動に移す人がいる」と述べた。また、木野氏は、「ネトウヨが『日本のメディアや広告代理店は、在日コリアンが支配している』と言っているが、あり得ない」と指摘した。

◎差別の理由とヘイトスピーチについて

 野間氏は、マイノリティ(少数派)への攻撃について、「マイノリティであることによって、『普通よりも得してるんじゃない?』みたいな話になるのが理由。特に部落問題」と述べた。また、「これらには、アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)が講じられてきた」と述べた。これに関連し、両氏は、鉄道の女性専用車両をめぐって起きている論議についても言及した。

 野間氏は、「女性専用車両に対して『男性差別だ』と主張する人がいる」と述べたのに対し、木野氏は「女性専用車両ができた背景は、男性による痴漢行為にある。『男性専用車両を作れ』という主張があるが、メリットがない。痴漢をするのは圧倒的に男性側なのだから」と述べた。これについて、野間氏は、「すべて平等な中で優遇されているのではなく、一方的に不利になる社会的状況への是正措置である」とした。ただ、これについては、「憲法も絡む、微妙な問題だ」と慎重な姿勢も示し、さらに、ヘイトスピーチ(憎悪表現)に関して、「規制しろという意見があるが、簡単に理屈がつけられるものでもない」と述べた。

 野間氏は、ヘイトスピーチについて、「(2013年)2月9日の新大久保デモがひどくて、しばき隊のカウンターはここから始まった」と語った。また、「『死ね・殺せ』と言うデモが許せないと世の中で言われているが、ヘイトスピーチとは『死ね・殺せ』ではない。『死ね・殺せ』は僕も言う。ヘイトスピーチとは、『社会的マイノリティに向けられる、悪意のある差別言論』のことである」と持論を述べた。

◎「在日特権」について

 木野氏は、「在日特権」という言葉をはじめて聞いた時のことを振り返り、「掛け金を納めていないのに年金が受け取れる」「通名制度によって、本名じゃないのに年金口座が開設できる」などの触れ込みがなされていたと回想した。野間氏は、「ミクシィの在特会コミュニティ内に、2009年11月にとんでもないことが書かれていた」と語った。その内容について、「在日特権とは。地方税無料、軽自動車税減免、都民税非課税、年金保険料免除、都営住宅無料、上下水道無料、NHK無料、都営地下鉄無料など」と紹介し、これらはすべてデマであるとした。

 また、野間氏は「在特会が主張している『在日特権』の中に、特権と言えるものは一つもない」と述べ、「通名制度」「特別永住許可」、さらには、「大学入試センター試験の外国語が、韓国語で受けられる」といったものがあると紹介した。野間氏は、「悪いことをしたときに韓国名で報道されるから、誰かわからないのが特権だと言い、通名を使い分けることによって銀行口座を複数持ち、不正ができるのが特権だと言うが、それが事実であれば、いずれも捕まることであり、特権とは言えないのでは」と語った。

◎「在日特権など存在しない」ことの周知について

 野間氏は、ネット上の情報源として参照されることの多い「ウィキペディア」についても言及した。「ウィキペディアの内容を信用してしまう人がいるし、何年にもわたりネットで『在日特権が~、在日特権が~』とギャンギャン言って、ウソでも百回言えば真実になる。一種のプロパガンダをやっているのだと思う」と述べ、「ウィキペディアで『在日特権』を調べる時は、『ノート』というところで編集履歴を見てほしい。誰がどのように直したかがわかる。ものすごい編集合戦が行われており、500回以上編集されている」と語った。

 これに関連し、木野氏が「誰が読んでも『在日特権など存在しない』ということが理解できるサイトが一つあればいいなと思う」と述べたのに対し、野間氏は「ミクシィ上のコミュニティや、ブログ形式の説明サイトは存在するが、情報にたどり着くのが難しかったりする」と述べ、正しい情報の周知を図るために、説明サイトの作成を検討していく方向性で、両氏および来場者の意見が一致した。
【IWJテキストスタッフ・久保元】

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5件のコメント “2013/05/05 【東京】「ヘイトスピーチとは『社会的マイノリティに向けられる、悪意のある差別言論』のこと」 ~言論しばきVOL.1「21世紀の都市伝説『在日特権』のウソをすべて暴く」

  1. >野間氏は、「女性専用車両に対して『男性差別だ』と主張する人がいる」と述べたのに対し、木野氏は「女性専用車両ができた背景は、男性による痴漢行為にある。『男性専用車両を作れ』という主張があるが、メリットがない。痴漢をするのは圧倒的に男性側なのだから」と述べた。

    その前に圧倒的に痴漢しない男性の方が上。そして、男性専用車も作れば差別批判もなくなりえん罪対策にもなる。
    また、なるべく分けてもらった方が痴漢回避にも役に立つとはならないのはなぜなのか?
    メリットがないとか知らないもしくは知っているが何ことにしたい人の戯れ言ですね。

    さらに彼は女性専用車両の問題点すらも知らない。
    (一般車両よりがらがらな状態である場合もあることや、男性が乗れるのに(すでにこの時点で制度破綻)乗れないような表記や対応をしていることなど)
    何もわかってない無知をさらけ出して根本的に理屈の整合性もないようなことをいっているのでは
    話になりません。
    彼は中国人・韓国人は外国人犯罪で犯罪率が高い(ちなみにこれは事実です)ので
    特別に何か是正手段を執るとしたら是認するのでしょうか?(するにしてもしないにしても結果として矛盾するでしょうね)

    私自身としてはよく差別というものや論理的整合性をわかっていない人なんじゃないかと思ってしまいます。

  2. 仮に、在日特権があるとしたら、それを作って放置している自民党政権の責任でしょう。

    それよりも、現実の在日米兵特権を何とかするべき。

  3. 在日特権の有無を議論するときに、パチンコ3点方式と産業規模の異常さについての話はどうしてでないのだろうといつも不思議に思う。そして五箇条の御誓文について著名メディアで初めて取り上げたのが噂の真相という左翼雑誌であったという事実もいつもスルーされる。単に無知なのか知らないふりしてスルーしているのか、不思議だ。

  4. >>あ
    彼は中国人・韓国人は外国人犯罪で犯罪率が高い(ちなみにこれは事実です)ので
    特別に何か是正手段を執るとしたら是認するのでしょうか?(

    その前に犯罪を犯さない中国人・韓国人のほうが圧倒的に多いけど?(特大ブーメラン)

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