2022年4月14日、東京都千代田区の司法記者クラブで、「加計学園情報開示請求訴訟」控訴審判決に伴う記者会見を、原告と代理人弁護士が行った。
同訴訟は、学校法人加計学園の獣医学部設置認可に係る文書を、文部科学省が不開示としたことを不当とし、原告である福田圭子氏が開示を求めたもの。この日、東京高裁は、全面不開示とした一審東京地裁判決を変更し、一部開示を命じた。会見で福田氏は「一部勝訴」と記した紙を掲げた。
今回開示が認められたのは、加計学園理事会の議事録の一部で、実は別の市民団体の公開請求で開示済となったことを福田氏が見つけて指摘したという。内容は寄付行為の定款変更に関するものだが、代理人の中川亮弁護士は「正直に言うと、我々が欲しかった政権との関り等が書いてある内容ではない」としつつも、「ただし、(経営情報を含む可能性ある)議事録というだけで情報公開しないとした地裁の判断は誤りだと高裁は示した」と評価した。
海渡雄一弁護士は、「安倍政権で菅官房長官時の全面的不開示処分に、司法が一部だけだがノーを突き付けた」と、判決の意味を述べた。
原告の福田氏は「加計学園は、モリ・カケ・サクラの森友、桜に比べて金額が格段に大きく、キャッシュで93億円、土地評価額約36億円が一学校法人に流れた大きな問題」「日本の情報公開のあり方について大変大事で、一部でも開示が認められたのは、悪しき前例を残さなかった」と述べた。
海渡双葉弁護士は、「当初は文科省職員が議事録も一部は出さなければならないと言っていたのが、ふたを開けると全面不開示となったのは矛盾しており、当時政権がこの問題にナーバスになっていたためだ」と指摘した。
公開請求文書の残り、校舎の図面や工事の見積書、他の議事録などは、すべて不開示となった。
今後の方針について原告と弁護団は、上告の可能性と共に、新たな情報公開請求を行うことを検討する旨を示した。
会見内容について詳しくは、全編動画を御覧いただきたい。