「現行の法体系でも共謀罪は存在している」――新設する必要はなし!海渡雄一弁護士・平岡秀夫弁護士と超党派議員らが結集!第1回「共謀罪を考える超党派議員と市民の勉強会」 2017.2.1

記事公開日:2017.2.2取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(取材・文 福田玲子)

特集 共謀罪(テロ等準備罪)法案シリーズ
※2月13日、テキストを追加しました。

 「共謀罪」が「テロ等準備罪」と名前を変えて、国会に提出されようとしている。「2020年開催の東京オリンピックパラリンピックに向けてのテロ対策として必要」という名目だ。

 共謀罪を推進する政府は、TOC条約(国際的な組織犯罪の防止に関する条約)の締結のためには、「共謀罪」か「参加罪」のいずれかを国内で創設しなければならないと説明してきた。実際には、条約締結のために必ずしも「共謀罪」創設が必須というわけではないが、政府は「共謀罪」がテロ対策のために「必要不可欠」であるかのように世論誘導をした。その結果、海渡雄一弁護士が憂慮するように、毎日新聞の世論調査では、「テロ準備罪に賛成が過半数になった」という事態に陥ってしまった。

▲海渡雄一弁護士

▲海渡雄一弁護士

 こうした中、福島みずほ参議院議員ら超党派の議員と市民らが参議院会館に集い、2017年2月1日(水)、この問題を掘り下げて検討する第1回勉強会を開催した。集まった市民は、150人以上にものぼった。

■ハイライト

  • 発言者
    平岡秀夫氏(元法務大臣・弁護士)
    海渡雄一氏(弁護士)、他
  • 日時 2017年2月1日(水)16:00~17:30
  • 場所 参議院議員会館 B104会議室(東京都千代田区)

 講演には、元法務大臣で、日本弁護士連合会共謀罪法案対策本部委員でもある平岡秀夫弁護士と、同副本部長の海渡雄一弁護士が登壇した。平岡秀夫弁護士は、2006年に衆議院法務委員会の野党筆頭理事として同法案を葬り去った経験を混じえ、改めて共謀罪の危険性を解説した。

▲平岡秀夫弁護士

▲平岡秀夫弁護士

 平岡秀夫弁護士によれば、「そもそも現行の我が国の法体系でも共謀罪は存在している」のであり、例を挙げると、「身体財産を害する目的をもって爆発物を使用することの共謀」などで、現在、15あるという。また「参加罪」関連では、暴力団排除条例などがあることを解説し、現行法への理解・評価を促した。

 現行の15の該当項目を600に増やし、既遂・未遂・予備・準備前の合意だけで処罰できてしまう共謀罪は、「我が国の刑法体系を根本から変え、戦前の治安維持法に同じもの」として厳しく批判した。

 共謀罪に反対する超党派議員として、民進党・真山勇一参議院議員、民進党・逢坂誠二衆議院議員、民進党・階猛衆議院議員、共産党・藤野保史衆議院議員、共産党・山添拓参議院議員、民進党・杉尾秀哉参議院議員、民進党・初鹿明博衆議院議員、民進党・近藤昭一参議院議員、沖縄社会大衆党・糸数慶子参議院議員らが集い、それぞれあいさつをし、「国会に提出させないこと」そして「広く国民に知ってもらい、共謀罪に反対する大きなうねりにしていかないといけない」とする決意を語った。

 平岡秀夫弁護士・海渡雄一弁護士の共謀罪に関する講演は下記でも記事化している。

アーカイブの全編は、下記会員ページまたは単品購入より御覧になれます。

一般・サポート 新規会員登録単品購入 330円 (会員以外)

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です