「内面を言葉にしただけで取り締まられるとすれば想像するだけで息苦しい」――櫻井よしこ氏が共謀罪を的確に批判していた過去!なぜ「表現の自由」を抑圧する自民党改憲案を支持!? 2016.12.6

記事公開日:2016.12.11取材地: テキスト動画
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(取材・文:城石裕幸)

  2016年12月6日(火)、元法務大臣の平岡秀夫氏を講師に招いた「秘密保護法 強行採決から3年『12・6を忘れない6日行動』 話しあうことが罪になる 共謀罪の国会提出を許さない!市民の集い」が、文京区民センターで行われた。「『秘密保護法』廃止へ!実行委員会」が主催した。

 IWJでは監視社会化を招く共謀罪について、特集を組んで警鐘を鳴らしている。ぜひ、御覧いただきたい。

▲弁護士・海渡雄一 氏(左)、元法務大臣・平岡秀夫 氏(右)

▲弁護士・海渡雄一 氏(左)、元法務大臣・平岡秀夫 氏(右)

■ハイライト

  • 講演 「共謀罪新設を進めるのは誰か」
  • 「―国連越境組織犯罪条約は共謀罪をつくらなくても批准できる―」 平岡秀夫氏(元法務大臣、弁護士)
  • 対談 「共謀罪、秘密保護法、盗聴法で進む日本の監視社会」 平岡秀夫氏×海渡雄一氏(秘密保護法対策弁護団)
  • 発言 市民団体、法律家団体、ほか
  • 日時 2016年12月6日(火) 18:45~
  • 場所 文京区民センター(東京都文京区)
  • 詳細 STOP!「秘密保護法」
  • 主催 「秘密保護法」廃止へ!実行委員会

 年明けの通常国会に提出されるともみられている「テロ等組織犯罪準備罪(共謀罪)」。そもそもこの法案は、2000年11月に国連総会で採択された「国際的組織犯罪防止条約」に批准するための国内法整備という名目で議論が始まった。

 しかし、民主党政権時a代から共謀罪創設に反対してきた元法務大臣の平岡秀夫氏は、「この条約の目的は、マフィアを念頭に経済犯罪の防止・摘発についての国際的協力を推進することであり、政治的目的・宗教目的のためではないことも明言されている」と指摘。「テロ等組織犯罪準備罪」と名を変えて国会に提出されようとしている動きについて、「悪用され、濫用されることが怖い。監視社会につながっていく」と強く批判した。

 また、海渡雄一弁護士との対談の中では、過去に何度も自民党に共謀罪創設を断念させてきた経緯をふりかえった。海渡氏は、「2006年春ごろ、いつ強行採決されるかと恐れていた時に参考人質疑に呼ばれた櫻井よしこ氏(ジャーナリスト)が、われわれとほとんど同じ理由で共謀罪について反対していた」と明かした。

 櫻井氏のホームページには、今も06年に公開した「歯止めはどうする、共謀罪」というコラムが掲載されている。コラム内で櫻井氏は、共謀罪法案について、「国連の条約の目指している国際的組織犯罪取り締まりの域を、この法律ははるかに超えているのではないか」と真っ当な批判を展開している。

 櫻井氏といえば日本会議のダミー団体「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の共同代表などをつとめており、自民党改憲草案をひっさげる安倍政権とともに、憲法改正を実現すべく邁進している。

 共謀罪を批判したコラムで櫻井氏は、「人の心の内面を言葉にしただけで取り締まられるとすれば、それは想像するだけで息苦しい」とも指摘しているが、では、なぜ国民の「表現の自由」を大幅に制限する自民党改憲草案を支持できるのか。整合性ある回答を求めたい。

 自民党改憲草案がいかに「息苦しい」かは、自民党改憲草案を逐条で読み解いた『前夜』をお読みください!

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