「度々、『高市大臣がまた電波の停止に言及』といったようなことを報道されていますけれども、現存する法律を全くこれは否定すると、この法律はおかしいという答弁を現職閣僚がするわけにはまいりません」
2016年2月12日、総務省記者クラブで定例記者会見を開いた高市早苗大臣は、連日続く「電波停止」発言の報道を受け、いらだちを隠さなかった。
(取材・阿部洋地、記事・城石エマ、記事構成・岩上安身)
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※2月17日テキストを追加しました!
「度々、『高市大臣がまた電波の停止に言及』といったようなことを報道されていますけれども、現存する法律を全くこれは否定すると、この法律はおかしいという答弁を現職閣僚がするわけにはまいりません」
2016年2月12日、総務省記者クラブで定例記者会見を開いた高市早苗大臣は、連日続く「電波停止」発言の報道を受け、いらだちを隠さなかった。
記事目次
■ハイライト
安倍政権に批判的なテレビ番組のニュースキャスターの降板が相次ぐ件を踏まえ、2月8日の衆院予算委員会で、民主党の奥野総一郎議員から、安倍政権下でのメディア規制の強化について問われた高市大臣は、「極端に『政治的公平性』に違反を繰り返し、まったく改善がされなければ、(電波停止の可能性も)まったく将来にわたってないとお約束することはできません」と答えた。
翌9日の衆院予算委員会で再び答弁に立った高市大臣は、民主党・玉木雄一郎議員から放送事業者への電波の停止について再度問われ、「将来にわたってないとは言えない」と繰り返した。民主党議員らは、高市大臣の発言が「メディアの萎縮を招く」として、批判した。
衆院予算委員会での高市大臣の答弁については、以下の記事をご参照ください!記事全編は会員にご登録いただいた方のみ、ご視聴・お読みいただけます。この機会にぜひ、会員にご登録ください!
一連の答弁の後に行われた12日の記者会見では、各社記者から高市大臣発言について質問が相次いだ。
フリーランスの上出記者は、高市大臣が電波停止の根拠とする「放送法4条の『政治的公平性』」の判断が、どのような目安で行われるのかと質問。高市大臣は、「放送番組の適正性については、基本的には放送事業者の自主自律によって確保されるべきものでございます」としつつも、「総務大臣としましては、このような取組にもかかわらず、必要な場合に応じて、放送事業者からの事実関係を含めた報告を踏まえて、放送法を所管する立場から必要な対応を行う」と述べた。
問題は、どのような場合が「必要な場合」にあたるのかは、示されなかった点である。判断の基準が示されなければ、どこが「デッドライン」かが分からず、放送事業者は無難に、無難にと萎縮し、自主規制を強め、政権に不必要にすり寄る可能性がある。また、基準がなければ、法律の適用に際して、時の政権、政治家、官僚らによって、好ましい、好ましくないと恣意的に判断される恐れもある。
記者会見では示されなかった電波停止の「基準」だが、2月11日、高市大臣は自身のホームページ上で、放送事業者へ「電波の停止」を命令する場合の「事例」を、以下のように示している。
仮に免許人等が、テロリスト集団が発信する思想に賛同してしまって、テロへの参加を呼び掛ける番組を流し続けた場合には、「放送法」第4条の「公安及び善良な風俗を害しないこと」に抵触する可能性があるでしょう。
仮に免許人等が、地方選挙の候補者になろうと考えて、選挙に近接した期間や選挙期間中に自分の宣伝番組のみを流し続けた場合には、「放送法」第4条の「政治的に公平であること」に抵触する可能性があるでしょう。
多くの視聴者から苦情が寄せられ、総務省が数次に渡って改善を要請しても、相手が応じない場合には、視聴者の利益や公益を守る為に、これらの行為を阻止できる唯一の手段が「電波法」第76条の規定なのだろうと思います(極めて慎重な運用方針は前記した通りですが)。
高市大臣は、あくまでこうした「極端」な場合に、総務大臣が「業務停止命令」を行うことができるとする。しかし問題は、どのような場合をもって「極端」とするかの判断が、時の政権に委ねられてしまう点だ。これでは、政府が恣意的な判断をする可能性も否定できない。本来、「政治的公平性」は政府自身ではなく、第三者機関に委ねるべき問題である。
しかも、ここでもまた、「テロ」とは何か、定義があいまいである。テロが純然たる武力行使、暴力行使を意味するなら(たとえばオウムによるサリン事件、アルカイダのような組織による無差別テロ)、それはまぎれもなく犯罪であり、犯罪を扇動するような報道があるなら、それは犯罪の教唆として大騒ぎとなるだろう。出演者の1人が、生放送中にとんでもない発言をすることがあったとしても、それはハプニングであり、一種の放送事故にとどまる。事業者を何度注意しても「テロへの参加の呼びかけ」を「流し続ける」というのは到底、考えられない。そもそも日本でテレビやラジオの放送開始以来、過去に「テロへの参加」という狂気じみたことを繰り返し呼びかけ続けたアナウンサーや出演者がいたなどということは一度もない。
つまり、番組の中で「テロへの参加の呼びかけ」を繰り返すなどという想定は、現実的にはまったくありえない想定なのである。過去にもなかったし、今後もありえない。ありえない想定を持ちだして、法律に定められた最も厳しい措置をとることがありうると、現役大臣がわざわざ「念押し」をする意図は何か。不自然極まりない。
実際には、「テロへの参加の呼びかけ」とは到底言えない、政権や政策の批判、政権にとって不都合な現実の報道・論争があった場合、また、市民が政権批判の集会やデモなどを行っていることを報じた場合、それらを「政権への批判的な言論上の『テロ』行為だとみなす」という言いがかりが、暗に想定されてやしないか、と思われてならない。
過去には、2013年に当時自民党幹事長の石破茂氏が、特定秘密保護法に反対する市民のデモを、「絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらない」とブログで発言し、撤回に追い込まれたことがある。
政治家が耳を傾けるべき市民の声を「絶叫」と侮辱し、さらに憲法に定められた言論、デモ、集会の自由を「テロ」と名ざす。この石破氏の「思想」こそ、「特定の危険な思想」であると言うべきではないか。高市氏の、もごもごとした、曖昧な物言いは、その底に石破氏の「特定の危険な思想」と通底する薄暗い闇を抱えているように思えてならない。
それは「自民党改憲草案」に書き込まれた、極めて危険な、言論の自由、報道の自由、集会・結社の自由をおかす、極めて危険な、半立憲主義的な思想の表明にも思える。
高市大臣の「テロへの呼びかけ」発言について、弁護士の澤藤統一郎氏は、自身のブログで、「高市早苗発言のホンネ」と題して、次のように高市大臣の「ホンネ」を語っている。
(…会員ページにつづく)
高市早苗がいう“テロ”とは、紛れも無く石破の考えるデモ=テロになる可能性が高い。デモに関して批判的な報道をしない場合にはデモ=テロに“好意的”だと政権が批判し、自民党のネット部隊が“ネット世論”を政府の方針通りに作り上げるだろう。今までもそうだったし、これからはそういう第三者を装った自民党の世論工作をもっと激しくやると思う。
高石を始めインチキな連中が政権中枢を占めている現在の安倍政権が信用ならないのは、近代史を平気で書き換えるからだ。2014年12月1日の日本記者クラブにおける党首討論で安倍晋三は1993年の自民党下野の原因について嘘を言い、それを論拠として安倍晋三の嘘を事実とした偽史を広めている連中が沢山いる。ニコニコ動画でそういう行為をやっている連中がニコニコ動画に上げている動画タイトルは、『H26/12/1 党首討論 in 記者クラブ 総理が【椿事件】を教えてくれた!!』で、安倍の嘘を事実として広めている。再生数は63,305回で コメント数は3,025、投稿者は『くそおやじ』となっている。ニコニコ動画の視聴者が事実を知らない中学生も多いことから、油断ならない。詐欺師が嘘をつくのは日常生活の一部に過ぎない。安倍晋三の仲間の高市早苗や周辺にいるのはマトモな連中ではない。
一方、Youtubeで一定の視聴回数を続けているKAZUYAチャンネルが上げている動画のタイトルは『○安倍総理vs●ゴロツキメディア 決まり手:椿事件』で、こちらも再生数が140,262回にも上っており、チャンネル登録数は324,304人にも上っているので、若年層に一定数以上の影響力を持っており若者をミスリードする可能性が高い。特に投票できる年齢が18歳以上になった参議院選挙は、デマにだまされた若者が投票行動で間違った選択をする可能性が高い。
1993年の自民党下野の原因は自民党の金権腐敗体質に国民がうんざりしたこと、消費税導入つまり消費税が始まったこと、安倍晋三の父親の故安倍晋太郎の名も出てくる値上がり確実な未公開株を一部の有力者のみに譲渡したリクルート事件、馬毛島事件、故竹下登の秘書が自殺した金屏風事件等の平和相互銀行に関する数々の疑惑、金丸信の脱税事件の罰金20万円に対する世間の不満、佐川急便事件、皇民党の誉め殺しに対して広域暴力団の稲川会に誉め殺し中止を依頼した事件、ガットのウルグアイ・ラウンドによる牛肉とオレンジの輸入自由化等が背景にあった。安倍晋三がいう「マスコミの報道のせい」というのは完璧な嘘である。嘘であるが、そのデマを広める部隊まで含んだインチキな連中が報道の公平性を判断するなどということは絶対に有ってはならない。