「狂信的な官僚集団」が支える安倍政権の「戦争法案」 解釈改憲、専守防衛、日米安保…「嘘」と「デタラメ」の数々を暴く 〜福島瑞穂×小西洋之×岩上安身による戦争法案特別鼎談 2015.5.21

記事公開日:2015.5.25取材地: テキスト動画独自
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(佐々木隼也、平山茂樹、原佑介)

 「安倍内閣は14本から18本以上の戦争法案を出すと言われています」——。

 2015年4月1日の参院予算委で福島瑞穂議員(社民)が、安倍政権が成立を目指す安保法制を「戦争法案」と指摘した。自民党はこの発言を「不適切」とし、議事録の修正を求めた。安倍政権の言論弾圧は、今や国会にも及んでいる。

 同様の弾圧は、以前にも起こっている。小西洋之議員(民主)が3月20日の参院予算委で昨年7月に安倍政権が行った解釈改憲について、「憲法を何も分からない首相とそれを支える外務官僚を中心とした狂信的な官僚集団」と批判。この発言に対し自民党が修正と削除を求めた。

 両議員が要求に応じないまま最終的に4月28日、自民党側は発言の修正・削除要求を取り下げた。安倍総理は福島、小西両議員の批判的な指摘に対し、「レッテル貼りだ」と怒りを隠さない。一方で、両議員の発言に対する、まともな根拠を用いた反論はいまだなされていない。

 5月21日、岩上安身が福島、小西両議員に三者鼎談インタビューを行った。国会発言の経緯や、「戦争法案」の問題点と安倍政権の嘘とインチキの数々、その裏で進む社会保障のカットなど、5時間にも及ぶインタビューは、今日本が直面する多くの危機をあぶり出した。

記事目次

■イントロ

  • 日時 2015年5月21日(木) 18:00~
  • 場所 IWJ事務所(東京都港区)

レッテル貼りではない「狂信的な官僚集団」「戦争法案」発言

 「個人の尊重(尊厳)、幸福追求権及び公共の福祉」について規定し、「包括的な人権規定」とも呼ばれる憲法13条を理解していなかったことを国会の質疑で暴いた小西議員は、産経新聞・政治部編集委員の阿比留瑠比氏に事実無根の中傷記事を書かれるなど、官邸サイドからの風当たりは強い。

 そのなかで「狂信的な官僚集団」という発言は、自民党側から「レッテル貼りだ」「常識的でない」などの批判を呼んだ。しかし、小西議員は「この言葉しかない」と反論する。

 「安倍総理が法の支配を蹂躙し、それを恐ろしい官僚が支えている。それを国民に伝えなければ、今の政治状況が伝わりません。実は『狂信的』という言葉は国会で100回以上使われていました。それを調べた上で質問しました。変えられるはずのない憲法を変えようとする官僚ですから『狂信的』という言葉しかありません。憲法を超えて自分たちこそが正しいと思っているのでしょう」

 同じく「戦争法案」発言が波紋を呼んだ福島議員も、自民党側の修正要求に異を唱える。

 「『戦争法案』でひっかかるとは思いませんでした。『戦争法案』は私はこれまで同じ予算委員会で何度も使っていますが、これまで何も言われませんでした。戦争法案がある日突然不適切と言われたら、本当に戦争をしているときにも『不適切』と言われるのではないか」

 そのうえで福島議員は、満州事変が「戦争」を言われなかったことを例にあげ、「今度は『事態』などと言われるでしょう。米国の戦争に付き合うのに、『宣戦布告をしない』という理由で『戦争』とは呼ばれないのだと思います」

 現に、自民党の改憲草案には「宣戦布告」の章が存在しない。福島氏の疑念を裏付けるように、安倍総理は国会で、「宣戦布告」を「戦争が違法ではないことを前提とした適法な戦争開始の手続」と定義し、「我が国が武力の行使を行う前にこのような意味の宣戦布告を行うことは想定されていない」と断言している。

「インチキ」を使ってクーデターに及んだ安倍政権

 小西議員は国会における「狂信的な官僚集団」発言の前段で、「安倍総理が行ったことは法令解釈ではない。日本の法秩序を根底から覆すクーデターだ」と厳しく批判している。

 小西議員が「クーデター」とまで指摘する、安倍政権の「法の支配の蹂躙」とはいったいどのようなものなのか。

 そのもっとも端的な例として小西議員は、昨年7月に安倍政権が行った、集団的自衛権の行使容認を可能にする閣議決定(いわゆる解釈会見)の根拠となった「昭和47年政府見解」のインチキをあげた。この政府見解は「憲法9条における個別的自衛権の容認と集団的自衛権の否定」が明記されている。しかし安倍政権は、この政府見解の一部分を都合良く読み替えることで、「実は集団的自衛権を認めている」と主張しているのだという。

 そこで小西議員が当時の作成者たちの発言を遡ったところ、この政府見解の基となった質疑で、作成者である吉國一郎・内閣法制局長官は「憲法9条をいかに読んでも他国の防衛までやるとは読み切れない」と断言していたことが分かった。

 小西議員は、「国民の皆様に、この昭和47年見解のデタラメを広めてもらえれば集団的自衛権行使容認の閣議決定は潰せます」と訴えた。

※この「昭和47年政府見解」のインチキについては、こちらの速報記事で詳細に報じています。小西議員の発言部分を抜き出したハイライト動画も掲載していますので、こちらをご覧ください。

 他にも小西議員は、「専守防衛」の定義や日米安保の規定を勝手に読み替え、さらには安倍総理が会見でフリップを用いて説明した「日本人の親子を乗せた米国の船を守る」といった主張が「真っ赤な嘘」であることを、政府答弁や公式資料を用いて解説。「解釈会見は読み替えのオンパレードだ」と批判した。

「戦争のできる国づくり」のために国民の労働・生活が切り捨てられる

 安倍政権が進める「戦争のできる国づくり」のために、国民の社会保障負担は増え続け、国民の貧困を加速させる政策が次々打ち出されている。

 福島議員は、「介護報酬の2.27%引き下げ」「特別養護老人ホームの新規入居が厳格化」「厚生年金の保険料率17.474%から17.828%へのアップ」「生活保護費の削減」などの、2015年度の社会保障の負担増のケースを列挙し、「格差が広がっていて、相対的貧困率が緩やかではあるが上がっている、ということは確かです。これは、安倍総理自身も認めました」と語った。

 そのうえで福島議員は、政府が3月3日、働いた時間ではなく成果に応じて賃金を決める「ホワイトカラー・エグゼンプション」の創設を柱とする労働基準法改正案を決定したことを問題視。「これは、24時間働かせ放題の法案です。残業代の不払いも起きます」と指摘した。

 実際に、日本の過労死・過労自殺の労災件数は2年連続で増加し、過去最悪の水準だ。さらに精神疾患の労災件数も過去最高を記録しており、脳・心臓疾患の労災申請件数は、毎年約800件、精神障害(過労うつ)の労災申請件数も過去最高で1409件に達しているという。

 インタビューでは他にも、TPPの交渉テキスト開示問題や、安倍総理の「ポツダム宣言を読んでいない」発言など、多くのテーマで白熱した議論を行った。

「どこの国の総理なのか」米議会で安保法制の夏まで成立を勝手に約束

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  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    「狂信的な官僚集団」が支える安倍政権の「戦争法案」 解釈改憲、専守防衛、日米安保…「嘘」と「デタラメ」の数々を暴く 〜福島瑞穂×小西洋之×岩上安身による戦争法案特別鼎談 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/246885 … @iwakamiyasumi
    黙殺されない真実がここにある。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/602811257268273152

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