「拘留中の人権無視、これが民主主義国家の制度なのか」――弁護士らが取り調べの可視化を主張 ~人権シンポ「法制化直前、取調の全過程録音・録画に向けて」 2015.1.24

記事公開日:2015.2.2取材地: テキスト動画
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※2月2日テキスト追加しました!

 「人権シンポ in かながわ2015 ―シンポジウム 法制化直前!~取調の全過程録音・録画に向けて~」が1月24日(土)、横浜弁護士会主催で横浜市中区の横浜市開港記念会館にて開催された。

 映画監督の周防正行氏、神奈川新聞報道部長の鈴木達也氏、弁護士で横浜弁護士会会員の岡田尚氏、同じく弁護士で横浜弁護士会会員の金谷達成氏が、パネリストとして登壇した。

 周防氏は、自身が手掛け、2007年に公開された映画「それでもボクはやってない」の取材を通し、裁判で争う時間や手間を考えると、冤罪でも認めてしまうような軽微な事件が意外に多いのではないかと思ったという。

 裁判に至るまでの前段階においても、脅迫まがいの取り調べや有罪を立件する証拠だけが提出されている実態を知り、「拘留中の人権無視、これが民主主義国家の制度なのか」と驚愕した周防氏は、日本の刑事裁判の現状そのものを伝える映画にしようと決意した。

 この日、周防氏は、こうした問題意識を持ったきっかけを振り返り、現行の制度を痛烈に批判。取り調べの全面可視化を訴えた。

 周防氏はまた、法務省法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」の委員にも選ばれており、そこでは「取り調べの全面可視化」「証拠の全面開示」「人質司法の改善」を主張している。現行の制度では、例外規定が多く設けられていることや、録画録音された証拠が、どう裁判で使われるかを注視しなければならないと訴えた。

 鈴木氏は、自らの新聞記者としての取材経験の中で、刑事裁判における検察側と弁護側とは意見が異なるにも関わらず、警察取材を通して語られた捜査当局側の見解ばかりが報道されていると、事件報道の問題点を指摘した。

■ハイライト

  • パネリスト 周防正行氏(映画監督)/鈴木達也氏(神奈川新聞報道部長)/岡田尚氏(弁護士、横浜弁護士会会員)/金谷達成氏(弁護士、横浜弁護士会会員)
  • 日時 2015年1月24日(土)13:00~15:00
  • 場所 横浜市開港記念会館(横浜市中区)
  • 主催 横浜弁護士会告知

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