「辺野古移転が普天間問題を解決する唯一の手段」――中谷元・新防衛相が就任会見、次期通常国会で新安保法制の整備へ 2014.12.24

記事公開日:2014.12.26取材地: テキスト動画
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※12月26日テキストを追加しました。

 「辺野古へ移転するということが、私は、普天間問題を解決する唯一の手段だと確信しています」

 新たに防衛大臣に就任した自民党の中谷元衆院議員が12月24日(水)午後11時半より、防衛省会見室にて就任会見を行った。同日の第三次安倍内閣の発足に先立ち、政治とカネをめぐる問題で野党からの批判を受けていた江渡聡徳・前防衛相は、安倍晋三首相に辞意を表明していた。その後任として、集団的自衛権行使容認をめぐる与党協議に参加した一人として、元防衛庁長官である中谷氏が就任することとなった。

 集団的自衛権行使容認を受けた安全保障法制の整備について、中谷氏は、関連法案への積極的な構えを見せた。自衛隊を海外へ派遣するために必要な恒久法として、次期通常国会で成立させる意欲を述べた。

 米軍普天間飛行場の問題に関しては、辺野古への移設を「唯一の道」と表現し、移設を推進する考えを明らかにした。また、上京中の翁長雄志沖縄県知事との面会について報道陣からの質問を受けたが、会うかどうかの明言は避けた。

 佐賀県知事選の争点として挙がっているオスプレイの配備については、オスプレイが「極めて安全なヘリコプターであり、非常にしっかりした装備であると確信を持っている」と絶賛。機体の有用性と安全性を強調しつつ、佐賀県知事の了解を求めていくという姿勢を示した。

 午後11時半から始まった会見には、大勢の報道陣が詰めかけ、日付が変わってもなお、安全保障問題や、地方への負担など、多様な問題に関する活発な質疑応答が続けられた。

■ハイライト

  • 日時 2014年12月24日(水)23:33〜
  • 場所 防衛省会見室

元陸上自衛官、元防衛庁長官として

―――第三次安倍内閣において、一人だけの交替となったが、現在の気持ちは?

中谷元防衛相(以下、中谷・敬称略)「このたび、防衛大臣および安全保障法制担当大臣を拝命しまして、国家の存立と国民の安全・安心を確保するという仕事をすることになり、大変光栄に存じるとともに、自らの職責を痛感をしております。

 私の場合、12年前に防衛庁長官もさせていただきましたが、当時から、かなり日本の環境や情勢も変わってきております。しかし、私は自衛隊での経験がありますので、原点回帰と申しますか、国を守るために、一生懸命勤務をしている自衛隊、自衛官、防衛省職員の皆さん、そういう気持ちを足して、皆が力を合わせて、この大切な仕事ができるようにしたいと思います」

安倍総理からの「七項目の指示」

中谷「今回、総理から、七項目の指示を受けました。

 第一に、国家安全保障会議のもと、関係大臣と協力して国家安全保障政策を一層戦略的かつ、体系的なものにする。

 第二は、防衛大綱・中期防(中期防衛力整備計画)に基づき、自衛隊の体制強化に取り組む。

 第三に、日米防衛協力ガイドラインの見直しを進める。

 第四に、日米同盟の絆を強化し、ASEAN諸国、インド、オーストラリアなど諸外国との防衛協力・交流を推進する。

 第五に、普天間飛行場移設を含む在日米軍再編を進めるなかで、抑止力の維持を図るとともに、沖縄を始めとする地元の負担軽減を実現する。

 第六に、関係大臣と協力をし、先般、閣議決定された基本方針に基づき、安全保障法制の整備を進める。

 第七に、その際、必要性や内容について、国民に対して、丁寧かつ分かりやすい説明を尽くす。という以上、七点です。

 このことを実現するために、この自衛隊の25万人の隊員の皆さんと、また、国民の皆様の負託に応えるために、わが国と世界の平和と安定に、全力で貢献をしていきたいと思います」

次期通常国会で成立を目指す安保法制の関連法案

―――安保法制について、どの範囲の整備、どれくらいまでに提出を考えているのか。

中谷「今日就任したてですので、状況をまず把握したいと思います。総理から任命されましたので、担当大臣としては、関係大臣と連携しながら、次期通常国会に一括して法案を提出できるように、精力的に作業を進めていきます。

 まず、国民の皆様に、より一層理解をしていただくために、しっかりとした説明を続けていくということ。

 そして、法案をまとめる上において、各党の皆さんの御意見を聞きまして、それで調整をして国会に法案を提出するということ。

 さらに、総理は今日、記者会見で、『次期通常国会で成立を期する』と言われましたので、それができるように全力を尽くして取り組んでいきたいと思っています」

―――総理からの御指示の中でもあった日米ガイドラインについて、先週先送りが決定したが、それについて、どのような方向性を見い出していこうという考えか。

中谷「日米で共同発表がありましたが、これによると来年(2015年)前半、見直し完了に向けて取り組むために、現在、作業をしています。これは、国内法の整備と同時並行になると思います。

 こうした作業等の進展等について、国会や各党の関心に応じ、必要な説明を行いたいと思いますが、二国間で合意したように、来年前半、まとまるように努力していきたい」

普天間基地の辺野古移設は「唯一の道」

―――今、沖縄の翁長知事が上京しているが、明日(25日)にも一部の閣僚と会談を、というような話も出ている。沖縄の普天間飛行場の辺野古移設について、どのような形で説得し、理解を求めていく考えか。

中谷「私が12年前に沖縄県、名護市と協議会を作り、政府と話し合いを進め、埋立をする、また、辺野古にすると決定しました。今まで紆余曲折もありました。

 今回の知事選挙もそうなのですが、しかし沖縄県と政府の共通の思いというのは、普天間の抱えている危険性、これを一刻も早く除去したいということです。

 基地の周囲には小学校もありますし、住宅もあります。この普天間の基地をいかに早く移転するかということで、いろいろと試行錯誤はありましたが、やはり一番早い唯一の道というのは、私は辺野古への移転を進めていくということですので、今後その必要性をしっかりと話をさせていただくと同時に、普天間基地の付近の状況や、沖縄県全体の基地負担の軽減、これが実現できるように、政府として努力ていきたいと思います」

―――普天間問題に関連して、今言った唯一の解決策ということで政府が進めているが、沖縄県知事、新しい知事が反対している状況がある。そういう中で、どういったことを具体的に持ちかけて理解を求めていきたいという考えなのか。

中谷「まず第一に、この沖縄の基地問題については、日本全体の安全保障問題です。したがって、沖縄に過度に基地が集中しているということで、全国でこういった沖縄の基地の負担軽減を図りましょうということで、この2年間、安倍内閣の中でもいろいろと取り組んできました。

 岩国や、他の地域へのお願いもしてきましたので、引き続き沖縄の基地負担軽減が目に見えるよう、そして、沖縄の皆様方にもそれが分かってもらえるよう、今後とも努力していきたいと思います」

―――沖縄県の翁長知事が上京しているという話があったが、今のところ官房長官は面会の予定がないということだった。大臣として知事と会う考えはあるのか?

中谷「現在の状況をしっかりと、省内で把握していく必要があろうと思います。政府としてどう対応するかということも調整していかなければなりませんので、今回、こういった沖縄県知事選挙の結果が出ましたけど、政府としてどう対応するかについて、関係閣僚、大臣とも話し合った上で、お会いしたいと思っています」

佐賀空港へのオスプレイ配備、普天間への基地移設――地方への「協力」要請

―――安保法制について、法案を検討している中、地方自治体、住民に、何らかの負担を求めたり、権利を制限したりなどという内容が盛り込まれると思うか?

中谷「武力攻撃事態法を制定した時に国民保護法というものを作りました。いずれも現在の憲法の範囲内で、国の安全という観点で作られた法律ですので、基本的にこういった武力攻撃事態対処という点において、地方とか、民間との関係においては大きく変わるものではないと認識しています。

 今回、新たにこういった全体の法律の見直しをする中で、しっかりと国を守っていくために必要なこと、地方自治体に協力していただくようなこと、どういった点があるのか、もう一度点検した上で、しっかりとした議論を経て、法律を作っていきたいと思っています」

―――佐賀空港へのオスプレイ配備の問題について、どのように取り組むのか。また、25日、告示の佐賀県知事選でも争点の一つに挙がっているオスプレイだが、この選挙期間中に特定候補の応援なりに入ることはあるのか?

中谷「現時点において、私は、まず、防衛省の中を把握する必要がありますので、選挙の応援というようなことはまだ考えていません。

 オスプレイについて、私も搭乗しましたけれども、極めて安全なヘリコプターであり、アメリカも運用されていますが、非常にしっかりとした装備であると確信を持っております。自衛隊の方も、このオスプレイの購入を検討しておりますが、速さにおいても、たくさん物を積める、などという能力においても、非常に有益・有能な装備だと認識しています。この点についても、地方の皆様にそういった点を理解していただきたいと思います。

 基本的には佐賀県の知事も了解をいただいた上での、この知事選挙ということですので、そういう点においてしっかりと議論していただき、その配備等について御理解いただきたいと思っています」

―――内閣の元になった衆議院選挙で沖縄全敗、自民党全敗を喫しているが、全員が普天間移設反対を唱えて、相手方が当選した。敗因についてどのように分析しているのか。また、沖縄ではこの反対の声というのがずっと続いているが、その中でどう理解を得て移設を進めていけると考えているのか?

中谷大臣「政府としては、沖縄の基地の負担軽減について、できうる限りの対応をしたつもりでして、そういうことが、沖縄の皆様方には必ずしも御理解が至らなかった点においては、認識をしたいと思っています。

 しかし、日本の全体の安全保障を考えてみますと、南西方面の防衛体制というのは、非常に大切なわけでして、こういったプレゼンスとか抑止力の問題もありますが、やはり辺野古へ移転するということが、私は普天間問題を解決する唯一の手段だと確信しています。今後はさらにその必要性、また御理解を得るための努力を続けていきたいと思っています」

シーレーンでの機雷除去――新三要件の適用範囲について

―――先ほどの安保法制について、特に、ホルムズ海峡、いわゆるシーレーンでの機雷除去について、これについては総理、いわゆる政府などの集団的自衛権の行使の事例として挙げているが、公明党内に慎重な姿勢もある。これについて大臣の見解は?

中谷「私も、与党協議会でこの問題を話しましたが、結論として、あくまでも新三要件なのです。この新三要件の中で国の存立が損なわれ、また、国民の生命・財産・自由、これが根底から損なわれるという場合において、限定的に集団的自衛権を行使することも可能とするということ。

 その他に、手段がないとか、必要最小限など、新三要件の中でこのペルシャ湾の事例が当てはまるかどうかという問題。これは、まさに政府内でも検討していかなければいけません。法案になる上において、自民党にも公明党にも、この点はしっかりと相談をしながら、法案の作成に向けて努力していきたい」

―――今、大臣は「新三要件」と言ったが、公明党の中には「やはり国の存立を脅かされる、国の存立が根底が覆される事態というのは、なかなかシーレーンでも機雷掃海は考えにくいのではないか」と(いう考え方がある)。大臣として、シーレーンの機雷除去というのは新三要件に当てはまる可能性はあるということか。

中谷「それは、事態がいかなる事態かということ。

 日本は中東から9割以上も原油を輸入しているということで、やはりエネルギーの確保というのは、国民の生活、また、経済にも大きな、深刻な打撃を与えます。

 また、世界全体としてどう対応するかということも見て、まさに、国としての存亡とか、国民生活のことを考えて、これが根底から損なわれるような条件に当てはまるかどうか、個々のケースがありますが、こういった事態等についても原則どうするか、今後検討していきたい」

「切れ目のない対応をしていく」――領域警備、国際協力、限定的な集団的安全保障の行使

―――「次期通常国会で法案を作成する」という話があったが、それに先立ち、安保法制全体の骨格、概要的なものを事前に示すという考えは?

中谷「今回の作業は、この数年、日本を取り巻く安全保障環境において、いかにして日本の領土、国民の生命、また財産、これを守っていくかということです。

 キーワードは『切れ目のない対応をしていく』ということ。そして、日本一国ではなくて、他国とも協力をしながら、日本の安全を確保しようということです。

 したがって、一括で法律を作ろうとしていますので、与党の協議会で3つの項目に分けて議論しました。

 まず一つは、領域警備という、侵略に至らないグレーゾーンです。第二に、国際協力。さまざまな国際的な問題が発生した時に、どういう対応をするのか。そして第三としては、限定的な集団的安全保障の行使について。

 そういうことで、切れ目のない対応として、安全保障の法制全般を見直しています。そういった中で、全て盛り込まれるような、一括的な法案が提出できるということを目指しております。その中で今後検討していきたいと思います」

自衛隊の積極的な海外派遣へ向けて

―――現行の安保法制について、国際協力活動でも、自衛隊が速やかに活動できるようにするための一般法を制定するということについて、考えは?

中谷「それも今回の検討項目に入っています。現在、そういった海外における自衛隊の派遣活動において、PKO法しかありません。しかし、PKOも今後、国連の活動の一環として、より積極的な内容も活動に含めていくべきだと思います。

 また、国際的な活動等についても、日本としていかなる対応ができるのか、原則的にこれはしっかり定めておくべきであろうかと思いますので、それも含めて検討しているということです」

憲法改正に向けて

―――憲法改正に関して、改めて大臣になり、憲法改正の意義というのを感じているかどうか。特に、改正していかなければならないのは、どの部分だと考えているのか。

中谷「やはり、この国をどういう国にするのかということで、国民の皆様に真剣にお考えをいただきたいと思っています。自由民主党は安全保障のみならず、国会の在り方とか司法の在り方とか、また個人の権利とか様々な論点、様々な観点について意見を集約して、試案をもうすでに5年前に発表しました。

 まさに、国民的な議論を通じて憲法改正をしたいと考えていますので、この試案にとらわれることなく、国民の皆様方の意見を反映できるような改正をしていきたいと思っています。ようやく、国会の方も国民投票の年齢を18歳以上にしたということで、合意を得ていますので、これから内容の議論になっていくと思います。

 各党それぞれ御意見があろうかと思います。バラバラに意見を言われるではなくて、「我が党はこう考えていくのだ」という意見を、政党毎にもまとめていただき、国会やいろいろな政党間で協議をし、とにかく国会で3分の2の賛成を得て、しかも国民の半分の合意が得られるような改正案を提示できるようにしていただきたいと思っています」

―――大臣が兼務している安保法制担当大臣をめぐって、9月の改造で打診された石破前幹事長が、自身の考えと100パーセント一致しないことを理由に辞退した経緯があった。安保政策に精通されている大臣として、全面容認ではなくて限定容認、あるいは基本法ではなくて、逐次改正していく政府の方針について、どう認識しているのか。

中谷「憲法9条の問題と自衛隊、安全保障について、私も国会議員になり、もう24年になりますが、ずっと議論してきました。一歩一歩、時代に合わせて国を守り、また、世界の平和の安定のためにということで、日本の貢献をしてきました。非常に国際的には高い評価も得ていますし、国民の皆様からの信頼も得てきたと思います。

 しかし、現時点でどうするかということについて、今年(2014年)、与党で議論しましたけれども、まだまだ様々な問題があります。具体的に、できないケースとして15事例挙げました。その15事例を自民党と公明党で議論しましたが、法律の制定が必要になってくるため、現実的なところから考えていますし、憲法というものもしっかり見ながら対応をしてきておりますので、今の時点において、日本に必要な法改正を実施をしたいと思います。

 一言だけ言うならば、こういった集団的自衛権とか、法律の見直しというのは、決して日本が戦争をしたり、他国に侵略するとか、そういったものでは決してありません。従来の平和主義、これをしっかり守りつつ、その憲法の枠内で、現実的な問題に対応していくという中で検討していますので、国民の皆様から理解を得て、国会で成立させたいと思っています」

自公の合意、石破氏との議論の末に

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