「与野党は今すぐ秘密保護法の『施行延期法案』の議論を!」市民団体がすべての国会議員を対象にした秘密保護法アンケート結果を公表 2014.11.10

記事公開日:2014.11.11取材地: テキスト動画
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(IWJ・原佑介)

 特定秘密保護法に反対する市民団体「『秘密保護法』廃止へ! 実行委員会」が、すべての国会議員に対し、秘密保護法に関するアンケートを実施した。与野党58名の議員が回答し、そのうち90%以上が秘密保護法の施行について批判的な意見であることがわかった。11月10日、記者会見した同会の海渡雄一弁護士は、「特定秘密保護法の『施行延期法案』が出れば、面白い政治状況が生じるのではないか」と語った。

▲「施行延期法案」を提案する海渡弁護士(右)と前田能成氏(左)

▲「施行延期法案」を提案する海渡弁護士(右)と前田能成氏(左)

■ハイライト

  • 出席 海渡雄一氏(弁護士)、前田能成氏(出版労連)、他
  • 場所 衆議院第二議員会館(東京都千代田区)
  • 主催 「秘密保護法」廃止へ!実行委員会

特定秘密保護法の「施行延期法案」の提出を提案

 12月10日に特定秘密保護法が施行されるまで、ちょうど1ヶ月前となった11月10日、「『秘密保護法』廃止へ! 実行委員会」は永田町で記者会見を開き、アンケート結果を発表した。

 秘密保護法には恣意的な不正を防ぐ制度がなく、内部通報者への保護も規定されていない。また、ジャーナリストや活動家も処罰できるような内容となっている。海渡弁護士は、こうした欠陥があることからも、「自由権規約委員会が厳しい是正勧告を出すなど、日本の秘密保護法が危険であることは、国際世論でも共通理解ができてきている」と説明する。

 また、法の施行をめぐっては、与党内でもいまだに議論がある。自民党は11月7日の総務会で、特定秘密の指定や解除の在り方を定めた運用基準と政令の了承を見送った。10日の総務会では、強く反対していた村上誠一郎元行政改革担当大臣が途中で退席したことで、全会一致で了承された。しかし本来なら7日に了承され、10日に閣議決定される予定だったが、閣議決定は14日にずれ込む見通しだ。

 海渡弁護士は、「与党総務会でも異論が出るのは決定的だ。あと1ヶ月で施行されることが既成事実かのように言われているが、これだけ法に問題があれば、施行せずに議論を継続する、という手段もある」と展開。「法律で施行を延期すればいい」として、特定秘密保護法の「施行延期法案」の提出を提案した。

アンケートの結果は…

 同会がアンケートをとった理由は、「これだけ世論や与野党内でも反対意見がある中で、本当に法を施行する気なのかを聞いてみたかった」からだ。アンケートは次の6択。

  1. 「秘密保護法」廃止法案の提出に賛同し、法案に賛成する。
  2. 施行を延期して、運用基準のみならず法律本体を抜本的に見直す。
  3. 施行を延期して、運用基準を抜本的に見直す。
  4. 施行を延期して、運用基準を部分的に見直す。
  5. 法律も運用基準も問題はなく、このまま施行すべきである。
  6. その他

 結果は58人が回答し、そのうち与党は2人。江渡聡徳防衛大臣が、立場上「無回答」と回答、自民党の桜田義孝議員が(5)の「施行すべき」と答えた。野党からは、次世代の党から平沼赳夫議員ら2名が同じく(5)を選択し、施行賛成との意思を示した。

 (1)の「廃止法案の提出」を選択したのは、日本共産党の小池晃議員ら19名、社民党の福島みずほ議員ら4名、生活の党の玉城デニー議員、民主党からは有田芳生議員や辻元清美議員など8名、無所属からは山本太郎議員や糸数慶子議員、阿部知子議員ら3名である。

 (2)の「施行を延期し、法律を抜本的に見直す」と答えたのは、維新の党の真山勇一議員ら2名、生活の党の小宮山泰子議員ら2名、民主党の江田五月元法務大臣ら11名、無所属の鈴木貴子議員。他には、維新の党の新原秀人議員が(4)の「施行延期、運用基準の部分的見直し」を選択し、民主党の小西洋之議員が(6)その他として「秘密保護法は廃止すべき」と回答した。

【20141110 国会議員緊急アンケート結果報告記者会見・配付資料 (1)】

「延期法案が出れば面白い政治状況が生じる」

 秘密保護法の通常通りの施行に全面的に賛同する(5)を選んだのは、全体のわずか5.2%。90%以上の議員が秘密保護法の施行に批判的な選択をした。もちろん、与党の回答者が極端に少ないため、数字を額面通りに受け取ることはできない。海渡弁護士は、アンケート結果の感想を「民主や生活、維新にも賛同者がいることがわかった」と述べる。

 その上で、『施行延期法案』が野党でまとまるかどうかが重要であると分析。「会期もそんなにないが、重要な局面となっている。法は廃止して欲しいが、まずは施行を『延期』すれば、廃止の道も開けてくる。延期法案が出れば面白い政治状況が生じるのではないか」との見方を示した。

 出版労連事務局長の前田能成氏は、「民主党で(1)と回答した人がこんなにいるとは思わなかった。民主党がこの方向でまとまってくれると、何か大きな動きが出てくる可能性がある」とみる。

 さらに、「与党議員からの回答はほぼなかったが、口頭で『回答しない』という回答を得たこともあった。『これは決まったとおりに施行するんだ』という口頭回答ではなかったことを考えると、ひょっとしたら、与党を掘り起こすこともできるかもしれない」と期待を口にした。

過去に成立した「施行延期法案」の例

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“「与野党は今すぐ秘密保護法の『施行延期法案』の議論を!」市民団体がすべての国会議員を対象にした秘密保護法アンケート結果を公表” への 1 件のフィードバック

  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    市民団体がすべての国会議員を対象にした秘密保護法アンケート結果を公表 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/204813 … @iwakamiyasumi
    与野党58名の議員から回答を得て、そのうち90%以上が秘密保護法の施行について批判的な意見だと。それなら行動で示すべきだ、応援するよ
    https://twitter.com/55kurosuke/status/532130134912819200

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