リニア事業に期待をよせる山梨県、一方でリニア駅の建設費を地元に負担させようとするJR東海 2014.11.4

記事公開日:2014.11.10取材地: テキスト動画
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(IWJ・松井信篤)

 複数の自治体議員や市民団体から、さまざまな懸念が指摘されているリニア問題について議論する、第2回目の自治体議員懇談会が11月4日(火)、参議院議員会館で行なわれた。

 『リニアを考える自治体議員懇談会』は、国土交通省がリニア中央新幹線の事業を10月17日に認可したことに対し、拙速な事業認可だとして抗議書を提出。この日も参加者から、国土交通省にさまざまな問題の改善を求める声があがった。

■ハイライト

  • 内容 リニア問題の交流会・国交省への要請など
  • 日時 2014年11月4日(火) 13:30~
  • 場所 参院議員会館(東京都千代田区)

環境影響評価書の補正は不誠実

 静岡市議会議員の松谷清氏は、リニア事業における環境影響評価書の補正が「何ら変化のない中身だったにも関わらず、許可されて動き出している」と、環境アセスメントが不誠実だと主張。

 静岡県において、リニア中央新幹線は、崩壊の可能性が懸念される地質の南アルプスを突き抜ける上、曽根丘陵断層群のすぐそばを通ることも懸念されており、環境の変化が著しいことから、山岳団体の4団体が明確に懸念を示している。

 ところが、10月27日からは、建設における地元説明会が1都6県で始まっている。地域によって問題点も違うことから、松谷氏は「広域の連携をしながら工事そのものを遅らせて、最終的には工事ができないことを実証していくひとつの積み重ねである」と、懇談会のこれからの役割を述べた。

山梨県行政の試算は現実的か?

 甲府市議会議員の山田厚氏は、リニアローカル駅が予定されている山梨県で、駅周辺の公共事業をどう進めるかに関する報告があった。

 リニアは全席指定(定員1000人)で、ローカル駅には1時間に1本しか停まらないのだが、試算ではその発想が抜け落ちているという。山梨県の試算では、1日に1万2300人という、過剰な乗降客数の予測が立てられていることを山田氏は報告した。

 他方、リニアローカル駅ができることで、山梨に2600社の企業が立地するとの予測が立てられているという。これは単純計算しても7年間、毎日1社ずつ増加していく計算だ。また、経済波及効果は年商2420億円と予測。こちらも6年半もの間、毎日1億円以上増え続ける経済効果である。

 さらに、リニアローカル駅予定地は、甲府盆地のなべ底部分の低地にあたり、景観が必ずしも良くない場所であるにも関わらず、駅周辺に展望施設が予定されている。他にも、リニアローカル駅のすぐそばに、サッカースタジアムをという提案も出ているという。

地元へ駅建設費負担を求めるJR東海

 JR東海は、リニアローカル駅の費用を出すことになっているが、JR東海から2013年5月に出された駅のイメージを見る限り、乗客対応のための駅員がいない、全車指定の新販売システムのため駅ではきっぷを買えない、待合室・売店がない等、山梨県の試算と比較すると、ローカル駅に経済効果が期待できるようなサービスは見当たらず、温度差を感じずにはいられない。

 つまり、JR東海は、自ら駅の費用を負担すると言いながら、事実上、地元の負担を前提に複合施設としての駅にすることを検討しているということだ。なお、リニアローカル駅には、350億円の建設費が予定されている。

リニア事業は公共か民間か?

(…会員ページにつづく)

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“リニア事業に期待をよせる山梨県、一方でリニア駅の建設費を地元に負担させようとするJR東海” への 1 件のフィードバック

  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    リニア事業に期待をよせる山梨県、一方でリニア駅の建設費を地元に負担させようとするJR東海 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/202709 … @iwakamiyasumi
    建設費だけではない、失敗した場合も、損失を補填するのは日本国民であることは、過去の例から見ても明らかだ。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/531750845394583552

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