【東京都知事選】圧倒的な関心、細川・小泉元総理の演説「原発を争点にしないマスコミ。政官業の癒着と闘う」 2014.2.5

記事公開日:2014.2.5取材地: テキスト動画
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(IWJ・ぎぎまき)

 2月5日、IWJのカメラは、朝9時30分の田母神俊雄候補の街頭演説を皮切りに、正午に行なわれた宇都宮健児候補の演説、そして15時にはこの日3人目となる、細川護熙候補の演説を取材するため、八王子駅に移動。小泉元総理も応援に駆けつけることから、駅周辺は開始前から人で溢れ、圧倒的な注目度を見せつけた演説となった。

■全編動画

  • 日時 2014年2月5日(水) 15:00~
  • 場所 JR八王子駅北口 東急スクエア前(東京都八王子市)

リーダーシップをアピール

 脱原発を最優先に掲げている細川候補だが、この日は、ベテラン政治家としてのリーダーシップを強調した。

 「原発以外の、児童や高齢者の福祉や防災については、優秀な都の職員で作っている『アクション・プラン』にほとんど尽きている。つけ加えて言うこともない。都知事は、優先順位をつけて、それをどう具体化し、どれだけのコストでいつまでにやるのかを明確にすることが大事だ」と述べ、大きな方向性を示すのがリーダーの役割だと説いた。

「黙っていられなかった」芸術家からふたたび政治家へ

 2011年の東日本大震災とそれによる福島原発事故の被害を目の当たりにし、細川氏はこれまで、森の防潮堤をつくる活動を続けながら、東北支援を行なったきた。

 原発事故は未だ収束しておらず、避難者も10万人を超えている。そんな中、原発を基幹エネルギーに位置づけ、再稼働を目論んでいる現政権の動きに対し細川氏は、「黙っていられなかった。芸術家として絵を描いたり、ろくろを回していたが、そんな場合ではなくなった」と、立候補を決意した理由を改めて訴えた。

政官業の癒着と闘う

 「原発事故後、東京でも一部が停電、下町の工場が苦労した。外国人の多くも日本を出てしまった。原発は都政の問題、大きな関わりのある話。しかし、半分のマスコミが選挙の争点にならないよう、原発問題を扱っていない。これは、政官業のおかしな関係の縮図です。これと闘わなければ」

 既得権益と対峙する気概を見せた細川氏は最後に、「日本が今後、原発という過去の産業にしがみつくのか、新しい時代にステップアップしていくのか、世界中が注目している。原発ゼロの今、またとないチャンスだ」と主張した。

ユーモアで聴衆を沸かせる小泉元総理

 「演説は最初の1,2回だけでやめようと思っていたが、やるべき仕事に向かっていると、人間は力が出てくる」

 連日、細川氏の隣で誰よりも力強い「脱原発」スピーチを展開してきた小泉元総理はこの日も、得意の小泉節で聴衆を沸かせた。

 「『総理の時に原発を進めて、今さら何を』という批判がある。原発は安全、コストが安いという話が嘘だと分かった。見抜けなかった私が悪いと言われれば、そう。でも、過ちを認めてだまって寝てていいんですか!」

 小泉氏は批判をものともしない。ユーモアで打ち返す余裕を見せる。

 「総理をやめた男が2人なんだという批判は承知している。細川さんが、木を植えて防波堤を作っている姿を見た。いいことやってるなと。自分も一国民としてやるべきことがあるんじゃないかと。夢のある国づくりに向かって、私も立ち上がった」

 小泉元総理は演説の中で、原発がいかに高コストの産業であるかを力説。一刻も早く、自然と共生するエネルギー社会へと舵を着る必要性を訴え、その為には「細川都知事」の誕生が必要だと細川支援を呼びかけた。

「原発ゼロは正しかった」

 両氏の演説を聞きに訪れていた60代前後の男性は、「以前から原発ゼロには賛成していたが、演説を聞いて、自分の考えに間違いはなかったと確信した。過去、太陽光発電を勧められたこともあったが踏ん切りがつかなかった。これからは自分の生活の中でも実行していきたい」と細川氏支持を明確にした。

 聴衆の女性の一人は、「最高だった。原発は嫌だし、年寄りを元気にさせる演説だった!」と、高齢化社会を勇気づける2人の演説に感動したと話した。

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