「大量の汚染水流出は3.11当時から分かっていたこと」小出裕章氏が岩上安身のインタビューで、福島第一原発に安全のお墨付きを与えた自民党・安倍総理の責任を追及  2013.10.3

記事公開日:2015.3.12地域: テキスト 動画 独自
このエントリーをはてなブックマークに追加

(IWJ 平山茂樹・佐々木隼也 /テキストスタッフ・久保元)

※サポート会員用記事に全文文字起こしを掲載しました(2014年5月15日)。
※記事を加筆・更新しました。(2015年3月11日)

  放射能汚染水の漏洩問題で危機的な状況が続く福島第一原発。京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏は、2011年3月11日の事故直後から、今日のような汚染水の漏洩を懸念。汚染水を福島第一原発敷地内のタンクに保管するのではなく、タンカーで廃液処理施設のある新潟県の柏崎刈羽原発まで移送するべきだと主張していた。岩上安身はこの小出氏の主張を東電に質問としてぶつけたが、東電側はその計画の実現を否定していた。

 2013年9月7日の国際オリンピック委員会(IOC)総会で、安倍総理は「汚染水の影響は港湾内で完全にブロックされている」「状況はコントロールされている」と世界に向けて発表した。しかし、2015年現在に至ってもなお、大量の高濃度汚染水が港湾外(外洋)に漏出し続けている。東電は2014年4月には漏出を把握しながら、1年間公表せず、何の対策も講じていなかったことも判明した。

 安倍総理の「アンダーコントロール」発言が真っ赤な嘘であるばかりか、政府も東電も、本気でコントロールしようとすらしていない。

 2013年10月3日に岩上安身のインタビューに応えた小出氏は、「溶けた炉心を冷やそうとして水をかければ、その水が今度は汚染水になるということは当たり前のことなのであって、冷やせば冷やすだけ汚染水が増えてしまう。当然なのですね。その当然のことを2年半し続けてきたのです」と語り、呆れた様子で政府・東電の対応を批判した。

 また、汚染水を保管している福島第一原発の溶接型タンクも連日のように漏洩を起こしていることについても、「現場は大変な被曝環境。長時間作業し、しっかりと溶接するのは難しい」と指摘した。

 終盤、先述の「アンダーコントロール」発言について話が及ぶと、小出氏は強い口調で安倍総理を批判した。 「もともと、福島第一原子力発電所に、安全だとお墨つきを与えたのは、自民党政権です(※)。そのお墨つきを与えた原子炉が爆発して、何十万人もの人が、今、苦難のどん底にいる。では誰が責任を取るべきなのかといったら、自民党政権のトップである安倍さんが、責任を取らなければいけないはずだ」

(※)そもそも地震や津波などによるメルトダウンの危険性を無視し、対策を講じようとしなかったのは、第一次安倍内閣である。2006年12月13日、日本共産党の吉井英勝衆院議員が、津波や地震によって原発の炉心冷却機能が失われ、メルトダウンをもたらす危険性を警告する質問主意書を提出した。

 これに対し12月22日付けの安倍内閣の答弁書は、「地震、津波等の自然災害への対策を含めて原子炉の安全性については、経済産業省が審査し、その審査の妥当性について原子力安全委員会が確認しているものであり、御指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期している」とし、メルトダウンをもたらす燃料損傷の可能性についても、その評価すら行わないと答えている

■イントロ

簡易型タンクは漏れるのが当たり前

 インタビューの冒頭、両者は、福島第一原発事故の発生直後に、岩上が小出氏にインタビューした際の内容として、汚染水の問題が必ず発生することを当時から問題視し、浄化設備のある新潟県の柏崎刈羽原発にタンカーで汚染水を運ぶ案を提起したことなどを振り返った。これについて、小出氏は、「冷却には水が適している」とする一方で、「溶けた炉心に水を入れると汚染水は当然発生する。タンクを造っていたのでは間に合わないので、タンカーによる新潟への移送を提案した」と述べた。事故現場でタンクを造ることについては、「現場は過酷な被曝環境にあり、溶接作業は困難。そのため、東京電力は(ボルト止めの)簡易型タンクを造ったが、これでは漏れるのは当たり前だ」と指摘した。

鉛などの金属を入れることは、電力会社は考えていない

 岩上が9月20日にインタビューした立命館大学特任教授の山田廣成氏が、事故を起こした原子炉に、水ではなく鉛の粒を注入する案を提示していることについて、小出氏は「事故によって、炉心はすべて溶け落ちた。溶け落ちた炉心が固まりになっているわけではなく、分散していると考えられる」とし、鉛の粒による冷却や遮蔽効果には懐疑的な見方を示した。特に、鉛の粒を注入する方法について、「鉛などの金属を(炉心に)入れることを、電力会社は考えていないので、そのためのポンプもない」とした上で、既存のポンプ設備で対応する場合のトラブル発生に懸念を示したほか、金属粒注入用のパイプを新設する方法を採った場合にも、作業員の大量被曝が避けられないことに懸念を示した。

小泉氏による「脱原発」の発言は評価

 脱原発に対する政治家の取り組みについては、生活の党代表の小沢一郎氏が、5月末に小出氏のもとを訪ねて対談した際に、脱原発を明確に表明したことを振り返り、「大変ありがたいと思った」と述べた。一方、このところ、元首相の小泉純一郎氏が講演会の場などで、脱原発の必要性を繰り返し表明していることについては、「個人的な好き嫌いを言わせていただくと、私は小泉さんのことは嫌いだ。ただ、今、彼が言っていることは正しい」と評価した。その理由として、小出氏は、「原発ゼロを主張するのは無責任だ」との批判に対し、小泉氏が「始末のできないゴミを生み出す(原発の)ほうが、はるかに無責任だ」と切り返したとされることを挙げ、小泉氏による脱原発の姿勢については、歓迎する姿勢を示した。

柏崎刈羽を安全に稼働できる道理などない

 東京電力が柏崎刈羽原発の再稼働をもくろんでいることについては、「安全に稼働できる道理などない。なぜならば、いまだに福島第一原発事故の原因すら明らかになっていないからだ」とした。また、汚染水を食い止めるための遮水壁については…

関連記事

■視聴者ツイートまとめ

■報告ツイートまとめ


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です