原子力規制委員会 田中俊一委員長 定例会見 2013.10.2

記事公開日:2013.10.2取材地: テキスト動画
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 2013年10月2日(水)14時から、田中俊一原子力規制委員長定例記者会見が行われた。田中委員長は、柏崎刈羽の適合審査は法に沿って粛々と行うが、福島第一原発の廃炉対策が、東電が行う最大の取組み課題だと改めて示した。

■全編動画

柏崎刈羽原発の審査はよく検討する

 柏崎刈羽原発の具体的な審査について質問を受けた田中委員長は、「規制庁事務方と担当の委員二人との状況によって相談で決めることだが、審査にどれくらいの人員を投入するかはよく検討したい」と回答した。

 また、「福島第一原発の廃炉対策が、東電が行う最大の取組み課題であり、万が一にも廃止の過程で突発的なことが起きた時には、東電は全社をあげて対応にのぞんでいただきたい」と釘を刺した。

 田中委員長は、適合審査そのものは、炉規制法に基づいて粛々と審査し、財務能力含めた東電の基本的能力は、審査の中で見ていく必要あると考えているという。さらにハード面だけでなく、安全文化などソフト面も見ていく考えだ。つまり、柏崎刈羽原発の安全審査のみが単純に進行していくと言うことではないと、田中委員長は考えている。

 その上で、審査を行う規制庁職員に対しても、田中委員長は福島第一の今の状況を体できちんと認識した上で審査にあたってほしいという要望を述べたが、具体的にどういう形でするかは、「今後の検討課題として認識している」と述べるにとどまった。

日本原電意義申し立て却下は法律上の却下

 日本原電の異議申し立てが、本日午前に規制委員会で却下されたことについては、昼過ぎに原電から「本日の原電意義申し立て却下の決定について、7月31日付けの報告書では活断層でないということを前提として報告している。規制委がこの報告を却下したことは、規制委がこの報告を認めたものと言えるのではないか」というコメントがでている。これについて森本次長は、「原電の発言は確認していないので、それについてコメントはできないが、今回行ったのは異議申し立ての利益を欠くということで却下したものであり、中身に入って議論の対象としたものではない」とコメントした。

もんじゅは実験炉、発電炉ではない

 日本原研のもんじゅについて田中委員長は、「審査の申請がでてきたら審査はするが、人員を割くことや、審査指針も作らないといけないが、今は、もんじゅについてはあまり深く考えていない」と回答。「まだ発電もしていないが、日本原研が本当に発電事業としてやるんだったら全く別の考えで対応しないといけない。その変があいまいなまま進んでいるため、本当は困る」と述べた。

知事面談と防災指針策定は別件

 新潟県知事が規制委員長に面談を申し込んでいるが、拒否されていることに関して、理由を問いただす記者に対して、森本次長は「避難や防災の指針は規制庁が責任をもって作り、各自治体がつくる避難計画、防災計画へ資金的な支援、助言ということを行っている。自治体とのコミュニケーションは規制庁全体としてはきちんとやっている」と答えた。その上で、「知事と合う合わないという議論とすり替えて頂くのは大変困る」と苦言を述べた。

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