ワタミが「ブラック企業大賞」と「一般投票賞」をダブル受賞 〜ブラック企業大賞2013授賞式 2013.8.11

記事公開日:2013.8.11取材地: テキスト動画
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(IWJ・ぎぎまき)

 「経済活動は『戦争』ではない。幸せになるために行うものだ」ーー。

 昨年から実施されている「ブラック企業大賞」が今年も開催された。事前にノミネートされた企業は計8社。ウェブ投票と合わせて授賞式の会場でも投票が行われ、「ブラック企業大賞」の他、「教育的指導賞」、「特別賞」、「業界賞」、「一般投票賞」が発表された。

■ハイライト

 「ブラック企業大賞」実行委員会はノミネート企業を選考するにあたり、約70社をピックアップ。うち8社に絞り込んだが、選定の基準となったのは以下の2点。1) 労働法など法令に抵触する可能性のある条件で労働を意図的、恣意的に強いている企業。2)パワハラなどの暴力的強制を常套手段として従業員に強いる体質を持つ企業や法人、である。

 今年、候補者に選ばれたのは、ワタミフードサービス株式会社、株式会社クロスカンパニー、株式会社ベネッセコープレーション、株式会社サン・チャレンジ(ステーキのくいしんぼ)、株式会社王将フードサービス、西濃運輸株式会社、東急ハンズ株式会社、国立大学法人東北大学。ワタミに関しては唯一、昨年に続き、2年連続のノミネートとなっている。

 委員の一人である須田光照氏がその理由を説明した。「入社2ヶ月の社員を過労自死に追い込んだにも関わらず、その後の対応がとりわけ酷い。遺族は面談を求める手紙を繰り返し送っているが、ワタミは一切拒否している。逆にワタミは遺族を相手取り、民事調停を裁判所に申し立てるという異例の展開を見せている」

 渡邊美樹元会長が、参院選当選後のインタビューの中で、「何でこういう人を採用したのか。なぜ研修中に、適正を見極められなかったのか」と答えていることにも言及。反省が全く見られないとし、2度目のノミネートに値すると語った。

 授賞式の会場で行われた投票と、事前に行われたウェブ投票の総数は30501票。うち、7割以上がワタミに投票。圧倒的多数で、ワタミフードサービス株式会社が「一般投票賞」と、実行委選考による「ブラック企業大賞」を受賞。ダブル受賞となった。

 授賞式後に行われたスピーチで、ジャーナリストの竹信三恵子氏は、これまでの日本企業の風土に新自由主義といった海外渡来の思想が加わり、ブラック企業問題を生んでいると指摘。

 「70年代の日本企業でも、拘束度は強かったが、終身雇用や賃金値上げなどの高保障があり、それが日本的経営のモデルだった。しかし、グローバル化や新自由主義によって、高保障の部分が剥ぎ取られてしまっている」と述べ、続けて、「敗戦を経験し、経済戦争に勝とうという精神が『企業戦士』という言葉にもつながった。本来、経済活動は幸せになるためのもの。戦争ではない。こうした洗脳に対抗するため、職場の外にネットワークを作ることが大切」だとし、労働環境に疑問を抱いた時は周囲に相談する重要性を訴えた。

 7月31日に結成された「ブラック企業問題対策弁護団」の代表を務める佐々木亮委員は、「本来、こうして順序をつけ、評価することは妥当ではないかもしれない。しかし、こうした運動を通して、ブラック企業問題を周知する意義があると思っている」と述べた。

 実行委員会は今後一年間、大賞を受賞したワタミを始め、対象となった企業の労働環境が改善されていくかどうかを注視していく方針。来年の授賞式で、その報告も行われる予定だ。

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