「沖縄は、人が住んでいる場所ではなく、ただの演習所」ーー。
29日に開かれた記者会見で、映画監督のジャン・ユンカーマン氏は、米軍の沖縄に対する見方をそう説明した。
4月30日に行われた日米防衛首脳会談で、沖縄の普天間基地に新型輸送機MV22オスプレイ12機が追加配備されることが決定した。現在、米軍は8月上旬に追加配備するオスプレイの準備を進めている。
7月30日には、山口県岩国市に運ばれ、その後、普天間基地に配備される予定だ。岩国への陸揚げ前日となる29日、オスプレイの沖縄配備に反対する首都圏ネットワークが主催した「オスプレイの配備撤回と8月追加配備の中止を求める記者会見」が開かれた。
- 司会/主催者挨拶
・ピースボート共同代表 野中晋作氏
- 会見者
・石川元平氏(普天間爆音訴訟団副団長)
・ジャン・ユンカーマン氏(映画監督)
※現在、ドキュメンタリー映画「沖縄1944年~2014年(仮)」を製作中
・上原成信氏(東京沖縄県人会) ・矢野亮氏(原子力空母の母港化に反対し基地のない神奈川をめざす県央共闘会議)
・古荘暉氏(横田・基地被害をなくす会)
会見者の一人、普天間爆音訴訟団副団長の石川元平氏は、参院選開票日の翌日となる22日の深夜から23日未明にかけて、米軍が普天間基地野嵩ゲート付近にフェンスを設置したことを報告した。この場所は、オスプレイ配備に抗議をする人々が抗議行動に使用していた場所である。石川氏は、米軍のこの行動を「普天間基地にオスプレイを強行配備をするための準備。抗議行動を締め出すものだ」と批判した。
会見に出席した映画監督のジャン・ユンカーマン氏は、「アメリカにしてみると沖縄の米軍基地は戦争の戦利品」であり、「沖縄は人が住んでいる場所ではなく、ただの演習所という認識なのだろう」との見方を示した。
また、これまでアメリカでは、在日米軍基地の報道があまりされてこなかったが、最近になって、通信社やニューヨーク・タイムズが米軍基地のことを取り上げたことを紹介。「このまま抗議運動を続けていけば、米軍は居心地が悪くなって撤退する日が必ずくる」と強調し、今後も抗議運動を継続させていく重要性を訴えた。
そして、記者会見後18時30分からは首相官邸前で、オスプレイの沖縄配備に反対する抗議行動が行われた。今週中にも山口県・岩国市に追加配備のため到着し、機体の整備などを経て、沖縄県の普天間基地に移動する計画となっている。
小野寺防衛大臣は、今月上旬に海兵隊のグラック中将と会談。今秋に予定されている日米合同の防災訓練でのオスプレイの参加も検討されている。
参加者からは「追加配備撤回!」「普天間基地を閉鎖!」など抗議の声が挙がった。追加配備されようとしている現地の岩国などでも抗議行動が計画されている。