2013年6月22日(土)13時30分から、京都市上京区の京都社会福祉会館で「やめてんか!おかしな選挙誘導 ~公平・真実の報道を!市民集会」が開かれた。「選挙報道改善申入れ」に対するマスコミの回答の紹介や、長谷川千秋氏(元朝日新聞大阪本社編集局長)による講演、参加者による5分間スピーチやパフォーマンスと、盛りだくさんの内容であった。集会終了後は、京都市内でアピールパレードを行った。
(IWJテキストスタッフ・富田/奥松)
2013年6月22日(土)13時30分から、京都市上京区の京都社会福祉会館で「やめてんか!おかしな選挙誘導 ~公平・真実の報道を!市民集会」が開かれた。「選挙報道改善申入れ」に対するマスコミの回答の紹介や、長谷川千秋氏(元朝日新聞大阪本社編集局長)による講演、参加者による5分間スピーチやパフォーマンスと、盛りだくさんの内容であった。集会終了後は、京都市内でアピールパレードを行った。
■全編動画
・1/5
・2/5
・3/5
・4/5
・5/5
冒頭、主催者側の男性から挨拶があった。「一昨年の東日本大震災のあと、万単位の人が集まる大規模な市民集会が開かれても、どの新聞も、どのテレビも、これを記事として取り上げない傾向が鮮明である。私は、非常に由々しきことだと思っている」。男性は、ある大規模集会のあと、大手新聞社などに電話をして、その理由を問いただそうとしたが、「その折の、相手側の応対ぶりに納得がいかなかった」と力を込めた。「たとえば、朝日新聞の福島支局の場合、『誰かに電話するように言われましたか』と聞かれ、がちゃんと切られてしまった」。
その一方で男性は、「報道の現場で汗をかく記者は、やはり市民の反応を非常に気にしている」とも指摘。「ひとつの記事に対し、評価する内容の電話やファクスが5本ほど入ったたけで、社内は大騒ぎになるらしい」と述べた。男性は、NHKが市民運動を伝える報道をした実例を紹介し、「マスコミを批判するだけではダメ。日々、現場で頑張っている記者たちを、讃える心も持ち合わせておこう」と呼びかけた。
続いて、会の活動報告に移った。主催者が、NHKをはじめとする大手メディア各社に実施した、選挙報道のあり方に関するアンケートで得られた回答を紹介した。主催者側の担当者は、「当落予想の行き過ぎを、どう思うか、という質問に対して、『投票率を上げるために、当落予想を派手にやる』との回答があった」と説明し、「これは、実際は逆効果ではないか」と疑問を呈した。そして、「フランスでは1977年に、有権者の混乱を避けるため、テレビでの当落予想は廃止された」と、外国の選挙の動きにも触れた。
また、メディアの人間が政党幹部と会食することについて、「どの社も、『取材活動の一環として当然』と回答した」と批判。その上で、このあと講演を行う長谷川千秋氏が専門誌に寄稿した、「権力の周りに群れることがジャーナリズムである、との風潮が蔓延している」という趣旨の一文を読み上げ、「長谷川氏が書いた、この文章に出会った時は胸がすく思いだった」と話した。
その後、長谷川氏による講演が始まった。長谷川氏は、朝日新聞が先般行ったアンケートで、日米安保の維持に賛成した人の割合が81%に達した、という結果に言及した。「かつてはまだ、日米安保の負の側面を、いかに解消するかを、自らの課題にするジャーナリズム精神があった。しかし今は、安保条約の見直しは死語同然だ。日本の大手メディアは、日米同盟と平和憲法が織り成す矛盾の実態を深く掘り下げ、国民に情報として伝達していくことが重要ではないか」と語った。
集会の後半は、参加者によるスピーチ・パフォーマンスが行われた。持ち時間は1人5分。ある女性グループは「憲法9条を守りたいという心の叫びを、詩吟で訴える」とし、「日本の・国民は・正義と・秩序を」といった詩に節をつけて吟じた。また、ある男性は、改憲に関する調査結果の新聞見出しを示して、「国会議員対象のアンケートなのに、そのことは小さく書いてあるだけ。まるで、国民の8割以上が憲法改正に賛成しているように思えてしまう」と批判した。さらに、「参院選の各党の公約が、わかりやすく図版で掲載されるのは、自民、民主、公明、維新だけ。公平ではない」とも語った。
「選挙管理に従事している」と自己紹介した別の男性は、「マスコミが、早さ優先で当落予想したい気持ちはわかるが、開票場所に投票箱を持っていく段階で、もう候補者が万歳している。『開票の必要がない』という声が出るような報道姿勢は、いかがなものか。選挙はゲームではない」と発言した。
集会終了後、約120人(主催者発表)の参加者が、アピールパレードを行った。マスコミの報道姿勢を批判する文言が書かれた横断幕などを手に、シュプレヒコールを上げながら、二条城から堀川御池を経由し、京都市役所までを行進した。