「直ちに安全上重大な問題が生じるものではない」 原子力規制委、大飯原発稼働継続をおおむね容認 ~第13回大飯発電所3・4号機の現状に関する評価会合 2013.6.20

記事公開日:2013.6.20取材地: テキスト動画
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(須原拓磨)

 「再稼働庁に変えたらどうですか、規制庁じゃなくて!」――。

 会合終了後、傍聴者から激しい野次が飛んだ。原子力規制庁が、6月19日までに実施した評価会合・ヒアリング・現地調査などを踏まえてまとめた「大飯原発3・4号機の現状評価書」がこの日、読み上げられた。

 規制委は、大飯3・4号機の現状を新規制基準に照らして評価した結果、6月末時点の施設及び運用状況において、直ちに安全上重大な問題が生じるものではないと判断した。

■全編動画

  • 議題
    大飯発電所3・4号機の現状に関する評価
    その他
  • 日時 2013年6月20日(木)
  • 場所 原子力規制庁(東京都港区)

 新規制基準では、重大事故が発生した場合に、可能な限り対策要員が緊急時対策所にとどまり、必要な対策指令を発するとともに、現地対策本部としての機能を維持できることを求めている。規制委は大飯1・2号機原子炉制御室横の会議室を緊急時対策所として使用することを指示。規制委は、現地調査を経て、緊急時対策所が機能し得ることを確認し、「概ね適切な準備がされている」と評価した。

 また、津波に関しての評価では、海底地すべりによる津波と地震による津波の組み合わせが考慮されている。しかし、その組み合わせは不確実であることから、評価書では「更に耐性を向上させる取組が進められるべきと考える」と関電に対して要求している。ところがその一方で、「安全上重大な問題が認められるものではない」とも評価されており、矛盾とも取れる内容となっている。

 今回の評価書で、大飯原発敷地内を通る破砕帯に関しては、議論の俎上に載せられていない。このことに関しても、傍聴者から「破砕帯調査はどうなってるんですか!」と怒りの声が上がった。

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