「予想よりも、良い点、足らない点が両方あった」大飯3・4号機、新規制基準適合の議論はこれから ~大飯発電所の現状評価に関する現地調査 2013.6.15

記事公開日:2013.6.15取材地: テキスト動画
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(IWJ・須原拓磨)

 「年配の方だけで事故対応ができるか、など2重3重の用意をしてほしい」。現地調査を終えた原子力規制委員会の更田豊志委員は、「この日訓練にあたった人は、申し分ない知識を持ち合わせていた」と評価した一方で、どんな状況であっても事故対応ができるよう、関電に対して万全の準備をするよう求めた。

 今回規制委は、現在稼働中の大飯原発3・4号機が、来月7月に施行される予定の新規制基準に適合するか否かを判断するために、現地調査を行った。報道陣に公開された訓練は、1,可搬式代替低圧注水ポンプ電源接続訓練 2,大容量ポンプ接続訓練 3,可搬式代替低圧注水ポンプ通水訓練 の3つ。いずれも新規制基準のうち、重大事故(シビアアクシデント)対策として行われた。

 可搬式代替低圧注水ポンプ通水訓練は、消防ポンプで海水を汲み上げ、仮設組み立て式水槽へ送り、可搬式低圧注水ポンプで炉心を冷却するというもの。大容量ポンプ接続訓練は、大容量ポンプで汲み上げた海水を、原子炉格納容器へ送り、格納容器内の再循環ユニットを通して、格納容器内の空気を冷やす役割を果たす。訓練はポンプの接続のみで、実際に通水はされなかった。

 現地調査終了後、更田委員は、「予想よりも、良い点、足らない点が両方ある。金網をやぶらないとポンプを投げ込めない状態になっているところもあった」と述べ、現地調査を報告。関電の副事業本部長、大塚茂樹副事業本部長は、「規制委へ真摯に説明した。 更田委員からは、大容量ポンプの改善等についてご指摘いただいた。6月末までに改善する」と述べ、改善を急ぐ方針を示した。

 新規制基準について更田委員は、7月上旬に施行させることを予定し、それまでには今回の現地調査結果をまとめていくことを明かした。

■ハイライト

  • 8:00~ 規制庁・関電から報道関係者へのスケジュール説明
  • 9:00~ 現地調査概要説明(研修館2階大ホール)
  • 現地調査(屋外)取材
    13:14~ 可搬式代替低圧注水ポンプ接続訓練(1・2号機タービン建屋付近)
    13:39~ 大容量ポンプ接続訓練(取水口付近)
    14:26~ 可搬式代替低圧注水ポンプ通水訓練(1・2号機タービン建屋付近)
  • 16:41~ 現地調査後の取材(更田委員ぶら下がり取材)(エルパーク・おおい おおいり館)

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