公開フォーラム 子どもたちの未来のために 健康被害の未然防止と支援法の早期実施を求め、1mSvを守ろう 2013.5.5

記事公開日:2013.5.5取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・阿部玲)

 2013年5月5日(日)13時30分より、東京都千代田区の日比谷コンベンションホールで「5/5 公開フォーラム 子どもたちの未来のために… 健康被害の未然防止と支援法の早期実施を求め、1mSvを守ろう」が、FoEJapanを中心とした呼びかけによって行われた。原発事故子ども・被災者支援法の制定に尽力した川田龍平議員(みんなの党)、谷岡郁子議員(みどりの風)も出席し、同法の現状と今後の展望などが話し合われた。

■ハイライト

  • 「原発事故子ども・被災者支援法の現状と今後」
  • 崎山比早子氏(高木学校、元放射線医学総合研究所主任研究官、医学博士)「なぜ1mSvか? 国際的な研究が示す低線量被ばくの健康への影響」
  • 島薗進氏(上智大学教授)「福島県県民健康管理調査の問題点」
  • 吉田由布子氏(チェルノブイリ被害調査・救援 女性ネットワーク)「チェルノブイリからの教訓」
  • 荒川朋子氏(那須野が原の放射能汚染を考える住民の会)/柴田圭子氏(放射能からこどもを守ろう関東ネット)/二瓶和子さん (SnowDrop) ほか「子どもたちの健康を守るために」
  • 会場もまじえてパネルディスカッション
    パネリスト 崎山比早子氏/島薗進氏/山田真氏/阪上武氏/福田健治氏/吉田由布子氏/荒川朋子氏/柴田圭子氏/二瓶和子氏ほか/コーディネーター 満田夏花氏

 2012年6月21日に成立した、原発事故子ども・被災者支援法(以下、支援法)は、原発事故によって被害を受けている子どもや住民に対して、避難の権利を認め、健康面や生活面を支えることを目的に作られた法律である。同法の成立に大きく関わった川田議員は、現状を次のように語った。「残念ながら、現在は、まだ実施されていない。多くの人が支援法を知らず、そのことが、政府が動かない原因になっている。憲法改正の声ばかりが大きく、放射性物質や避難の問題など、今すぐにやらなければいけないことが、かき消されている。これからできることは、地元の自民党や公明党の議員に働きかけるなど、とにかくあきらめないことが大事だ」。

 支援法の成立当時、与党議員であった谷岡議員は、「もし、避難基準を1ミリシーベルト(以下、mSv)/年と書いていたら、絶対にこの法律はつぶされていた。法律を存在させるか、すべて正しいことを書き込んで、法案を通せずに留まるか、どちらかの選択だったが、『現状が違法ではないのか』という議論ができる素地を作ることを選んだ。もっとハードルを下げていれば、今、支援法は運用されていたかもしれないが、それでは人権、国民主権、自己決定権、情報へのアクセス権を守るのに不十分だ。これからの何十年間の土台を作っておくという意味で、この法律を通したのであり、この法律をベースに闘っていかなくてはいけない」と、協力を呼びかけた。

 崎山氏は、医学的な立場から放射能の危険性を解説し、「DNAの複雑損傷、そこでの修復ミスから突然変異が起き、遺伝的不安定性が高まり、突然変異の蓄積で発がんに結び付く。この経路に、異議を唱える者ははいない。放射線のエネルギーは、分子結合のエネルギーよりもはるかに大きいため、1本通っただけでもDNAの複雑損傷を起こす可能性がある。発がんの可能性があることは、理論的に確立している。低線量放射線リスクはがん性、非がん性疾患、共にゼロではない。基礎科学的には説明できる。疫学的な研究結果も、これを支持している」と語った。

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