小出裕章氏講演会「美しいふるさとを子どもたちへ ~ 今私たちに何ができるか」 2013.2.23

記事公開日:2013.2.23取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・阿部/奥松)

 2013年2月23日(土)18時30分より、神奈川県厚木市の厚木市文化会館において「小出裕章氏講演会『美しいふるさとを子どもたちへ ~ 今私たちに何ができるか』」が行われた。主催はあつぎ環境市民の会で、「ライフスタイルの変革で、安心な社会を未来世代へ引き継ぐことが大人の責務」との趣旨から、それに相応しいゲストとして、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏が招かれた。内容は、生命誕生の話から放射線、原子力、事故、そして未来へと、多岐にわたった。

■ハイライト

 この日の講演は大きく分けて、「命と放射線被ばく。それがどういう意味を持つのか」「原子力発電について」「これから先の未来をどうしたらよいのか?」の3つの順序で話が進められた。

 小出氏は「地球とは『命が根付けた稀有の星』である。46億年前、火の玉だった地球がだんだん冷えて、生命が誕生することができた」と語り始め、その後の人類の誕生と進化を説明。「19世紀の産業革命の時、お湯を沸かし、湯気でタービンを回す蒸気機関が生まれた。今、それからわずか200年しか経っていない」と述べて、会場の厚木文化会館から同心円状の円を描いた図をスクリーンに映し、「皆さんが歩いて来たであろう厚木駅から、ここまでが約1キロ。地球誕生の46億年を460メートルとすると、人類誕生の400万年前は40センチ、産業革命の200年前は0.02ミリ。測ることすらできない。つまり、人間は刹那的な長さでしか生きていない。それなのに、そこで猛烈なエネルギーを使っている」と、わかりやすい例えで人類とエネルギーの関わりを解説した。

 次に、種の絶滅数をグラフで示し、「産業革命前は1万種未満、今ではおよそ50万種に増えた。このままでは、人間そのものが絶滅する」と警告。人間の命の始まりについて、「卵子はたったひとつの精子しか受け付けない。そうしてできた万能細胞は、父親と母親から遺伝情報をもらい、どんどん細胞分裂を繰り返しながら、それを正確に複製していく」と話し、「これが生き物の不思議の核心であるが、放射線のエネルギーは、遺伝情報が書き込まれたDNAを簡単に切断し、損傷を与える」と、生き物と放射線が相容れない理由をさまざまな数値を挙げて説明した。

 低線量被曝の危険性については、専門家の間でも意見が分かれているが、小出氏は「危険である」として、2つの根拠を示した。

 ひとつは「被曝のリスクは低線量にいたるまで直線的に存在し続け、しきい値はない」、つまり「どんなに小さな被曝でも危険」という、米国科学アカデミーのBEIR-Ⅶ報告(2005年)である。

(…会員ページにつづく)

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