2024年5月10日(金)13時から、福島県福島市の杉妻会館にて、第51回「県民健康調査」検討委員会が開催された。
この日の委員会では、議事として「第22回甲状腺検査評価部会開催報告」、「甲状腺検査について」、「妊産婦調査について」等が取り上げられ、2022年度の調査結果が発表された。
その後の記者会見終了後には福島県に住む子育て中の母親の一人が、重富秀一座長へ手紙を託す場面があった。この母親は、5月1日に行われた水俣病被害者団体の懇談の際に「マイクオフ」を容認した事務方トップである神ノ田昌博・環境省環境保健部長が県民健康調査検討委員会の委員でいることに不安を感じ、この手紙で神ノ田部長に委員を辞任するよう訴えた。
- 母親が手渡した手紙(PDF)
この手紙の全文を、以下に引用する。
環境保健部長 神ノ田昌博様
私は福島県に住む子育て中の母親です。この度の出来事に対する深い憤りと心配を感じています。
5月1日、水俣市で行われた水俣病の患者・被害者と環境大臣の懇談において、環境省の担当者がマイクを切り、患者団体代表らの発言をさえぎるという事件が起きました。この出来事は、多くの人々の怒りと憤りを引き起こし、結果として大臣が謝罪をされました。
今回の問題は、公害被害の救済を担当する環境省が被害者にどのように向き合っているのかを明らかにしました。長年にわたり苦しんできた被害者が、なおも認定されずに亡くなり、未だに多くの人々が苦しんでいる現実を直視せず、加害側の責任を回避する環境省の姿勢に対し、福島の未来を重ねて考え、とても不安になりました。
県民健康調査検討委員会において、環境省神ノ田環境保健部長が委員を務め学校での甲状腺検査を縮小させるよう提案し続けていることも、被害者救済とは正反対の姿勢ではないかと思っています。
福島県の子供たちの未来のためには、この様な被害者に寄り添う心のない環境省の役人は不要です。そもそも、福島県の事業に対し、環境省は介入すべきではなく、環境保健部長の役職で委員になるべきではありません。県民健康調査の検討委員に神ノ田氏は相応しくなく、即刻辞めるべきだと思います。
心からのお願いを込めて