「思想や価値観の押し付け!」岡山県が進める「家庭教育応援条例案」に疑問の声! 市民グループが2万2000超の反対署名を県議会に提出!!~1.12いらないよ!岡山県家庭教育応援条例 署名提出記者会見 2022.1.12

記事公開日:2022.1.14取材地: テキスト動画
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(映像提供・伊東大輔氏 文・IWJ編集部)

 2022年1月12日(水)、岡山県議会で自民党岡山県議団により提案され、制定への動きが進んでいる「県家庭教育応援条例(仮称)案」に対し、その成立に反対する市民グループが、条例を制定しないように求める要望書と、2万2345名分の反対署名(紙7671筆、オンライン署名14674筆)を、神宝謙一岡山県議会議長と関係の常任委員長宛てに提出し、記者会見を開いた。

 岡山県条例素案は自民党県議団の有志がつくり、2021年4月に県議会の委員会に示した。

 前文の理念は「子どもたちのため、すべての保護者が安心して家庭教育を行うことができるよう社会全体で応援する『家庭教育県岡山』を目指す」とされている。条例の目的としては「保護者が親として学び、成長していくこと」「子どもが将来親になるために学ぶこと」をうながすためとし、保護者には就学前から子どもに愛情をもって接し、自らが親として成長する努力を求めていた。

 素案について県議会はパブリックコメントを募集し、自治体を含めて計511件の意見が寄せられた。「子どもは将来親になるためだけに学ぶのではない」「家庭のあり方をおしつけるものだ」など相当数の反対意見があった。

 岡山弁護士会(則武透会長)も2021年9月にこの素案に対し「公権力が自ら、『親としての学び』と称して、条例をもって『家庭教育の内容』や『親として成⻑するために必要なこと』の学習支援の方法の開発や普及を図ることや、学校、地域、事業者を巻き込む形で、『親としての学び』の機会の提供を推し進めて行くことは、尊重されるべき私的領域への公権力による過度な干渉」などとする反対声明を出した。

 これらを受けた県議会は素案を大幅に修正。2021年12月の常任委員会で修正案を示した。たとえば、「子どもが将来親になるために」学ぶという条文は「親になる選択をした場合のために」と変更。また、努力義務から「子どもに愛情を持って接し」「親として成長していく」などの記述を削除した。

 しかし市民グループの「いらないよ!岡山県家庭教育応援条例」と賛同者はいまだ条例の内容について、「家庭教育への応援ではなく、思想や価値観の押し付けが条例案の本質」「障害を抱える子どもや貧困家庭を支援するどころか切り捨てかねないもの」と危惧している。この日の会見では、赤松章子氏(映画プロデューサー)、伊東大輔氏(デザイナー、会社経営)、黒部麻子氏(フリーライター、エディター)、川元盛樹氏(岡山県保育団体連絡会会⻑)、山田氏(仮名)(知的障害、発達障害の子を持つ母)の5名が登壇し、それぞれの生活体験と実感から、この条例の問題点を指摘し、反対の意を表明した。

 詳しくは、ぜひ会見動画を御覧いただきたい。

■全編動画(映像提供)

  • 日時 2022年1月12日(水)13:30~
  • 場所 岡山県立図書館 2F サークル活動室2(岡山県岡山市)
  • 主催 いらないよ!岡山県家庭教育応援条例

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