自民党総裁候補・高市早苗氏の「核爆発による電磁パルスで敵基地を無力化」発言について識者にきく!(その2)自民党総裁選で高市氏と競う元外務大臣で元防衛大臣でもある岸田文雄氏は「核保有、これはまったく、するべきではない、私は絶対に我が国は核兵器をもつべきではない」と回答! 2021.9.23

記事公開日:2021.9.23取材地: テキスト動画
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(取材・渡会裕、文・IWJ編集部)

 9月10日に、自民党総裁候補の1人である高市早苗氏が、お昼のテレビ番組「大下容子のワイド!スクランブル」に出演した際に、日本が他国の領空内で核爆発を起こす可能性を示唆する衝撃的な発言をした。

 どう番組で高市氏は中国を念頭に置き、「強い電磁パルスですとか、いろんな方法でまず相手の基地を無力化する。これで一歩遅れたら、日本は悲惨なことになると思います」と発言した。

 相手基地を無力化するほどの電磁パルスを起こすには、相手基地の上空で核爆発を起こすしかありません。高市氏の発言には、日本国の核保有と、相手国に対する核の先制使用、民生への無差別で破壊的影響、報復攻撃の脅威と多くの問題がある。

 IWJは、安全保障関連の識者や他の総裁候補に、高市氏の「電磁パルスで相手基地を無力化」発言をどう思うか、質問をした。

 2021年9月13日、東京都千代田区の衆議院第一議員会館で、自由民主党総裁選挙に出馬を表明した岸田文雄前政調会長による、3回目の政策発表会が行われた。

 この政策発表会で、岸田氏は「核保有、これはまったく、するべきではない、私は絶対に我が国は核兵器をもつべきではないと思っております」と、「電磁パルスで相手基地を無力化論」を全面否定した。

IWJ記者「岸田さんと同じく自民党総裁選に出馬表明した、高市早苗氏が唱える『敵基地無力化論』についておうかがいします。

 9月10日、高市氏はテレビ朝日系の昼の番組(『大下容子ワイド!スクランブル』)に出演し、中国との向き合い方について『衛星の捕獲ですとか、向きを変えるとか、強い電磁パルスですとか、いろんな方法でまず相手の基地を無力化する』と発言されました。

 『強い電磁パルス』とは、核爆発によるものだと思いますけれども、高市氏が唱えるこの『敵基地無力化論』は、まず日本が核保有すること、中国内陸部まで届くミサイルを保有して高高度で爆発をさせること、それを敵から攻撃される前、つまり真珠湾攻撃のような奇襲攻撃を、軍事施設だけでなく民生も破壊するような無差別攻撃の形で行う、ということを意味します。

 この3点、核の保有、高高度で核爆発させられる長距離ミサイルの保有と使用、そして、奇襲攻撃でこのような無差別的な被害の出る兵器使用を行うこと、これは岸田さんはどのようにお考えになりますか? 同意されますでしょうか?

 核保有から始まるこの『敵基地無力化論』は、自民党の中で共有されていると考えていいのでしょうか? そうだとすれば、自民党という政党全体が、非常に危険で好戦的な政党であると国民全体が考え直すと思います。

 また、仮に共有されている戦略だとして、本来ならば秘密の作戦のはずですが、それをテレビでペラペラと喋ってしまう高市さんの口の軽さ、また、公の場で話してしまうことで、日本が中国や他の第三国からも無用の警戒を呼ぶ軽率さについて、どうお考えになるか、お聞かせください」

岸田氏「質問、三つありましたが、私は最初の部分で、核保有、これはまったく、するべきではない、私は絶対に我が国は核兵器をもつべきではないと思っておりますので、結果的に(質問と指摘)三つとも全部否定することになるのだと思います。

 そして、自民党がそれを共有しているのか、という話ですが、これは共有しているとはまったく認識をしておりません。

 先ほど言いました通り、ミサイル防衛体制、ミサイルの技術は、超低空とか、超音速とか、あるいは、不規則軌道とか、技術が進歩している。その中で、国民の命を守るために、いろいろと現実的に考えていかなければならない。

 こういった基本的な考え方は、私は大事だと思いますが、今言った技術については、私は核兵器の保有も含めてやるべきではないと思っていますし、自民党の中でそれが共有されているということはない、と私は考えます。以上です」

 岸田文雄氏会見の全編動画とIWJ質疑の詳細テキストはこちらからどうぞ御覧ください。

■自民総総裁候補・高市早苗氏の「電磁パルスで敵基地を無力化」発言について識者に訊く!

  • 日時 2021年9月13日(月)10:30~
  • 場所 衆議院第1議員会館 多目的ホール(東京都千代田区)

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