「子供さんやお孫さんのために、どのような都政、どのような社会を選択するのか。今度の選挙で大人の責任を果たしていただきたい」~7.02東京都知事選 宇都宮健児候補 街頭演説(JR立川駅北口~南口) 2020.7.2

記事公開日:2020.8.11取材地: テキスト動画
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(取材・文: 渡会裕)

 2020年7月2日、コロナ禍の中、「命とくらし第一の都政を」、と訴えて都知事選挙に立候補した、元日弁連会長の宇都宮健児氏が、JR立川北口と南口で、立川で2回目となる街頭演説を行った。

 候補者本人の訴えの前に、障害を持った当事者の立場から応援演説に立った須釜直美さんは、「9年前当時の都知事(石原慎太郎)が言い放った言葉が忘れられない」「その知事は障害者施設を視察した後、記者達の前で『ああいう人に人格などはあるのかね』『絶対に良くならない、自分が何だかわからない、ああいう問題は、安楽死などにつながる気がする』と言ったのです」と話し「私は恐怖まで感じた」と訴えて「人権弁護士と言われてきた宇都宮健児さんに、今度こそ知事になってもらいたい」とエールを送った。

 その後マイクを握った都知事候補の宇都宮氏は、小池都政は予算の使い方が間違っていると指摘し「至る所で60年、70年前からある都市計画道路の計画が持ち上がっている」「外環自動車道の建設には3兆5千億円かかる」「コロナ禍で多くの都民の生活が脅かされている状況下では、計画を見直すべきだ」と訴えた。

 また、これまでの国のあり方について宇都宮氏は「国民の命やくらしより経済効率性を追求してきて、コロナ災害で社会の脆弱性が明らかになった」「あっという間に人々が仕事を失う、あっという間に住まいを失う、あっという間に何十年も営業を続けて来たものが廃業になる」と語り、「社会のあり方を根本から変える必要がある」と強調した。

 さらに「現在、子供の7人に1人は貧困と言われている」と述べ、「都内の小・中学校の給食を完全に無償化したい、予算は400億円あればできる」と訴えた。

 最後に宇都宮氏は、「選挙の本当の主人公は、選挙権のない子供さんやお孫さんだ。子や孫たちのために、どのような都政、どのような社会を選択するのか今度の選挙で大人の責任を果たしていただきたい」と結んだ。

 続いて、南口に移動した宇都宮候補は「小池都知事は、東京オリンピックが延期になった途端、『感染爆発』『重大局面』『オーバーシュート』『ロックダウン』などと言い始めた」と述べ、「その当時から(コロナウイルスの)相談件数はうなぎのぼりだったが、PCR検査数は増えていない、初動対応を怠ったのではないか」と批判した。

 また「小池都知事はコロナ対策を本気で行う気があるか大変疑問だ」と述べて「コロナ感染の第二波、第三波に対応するには、地域の拠点である保健所を強化する必用があるが、保健所は71か所から7か所に、三多摩地区では17か所が7か所に減らされている」と指摘した。

 その上で「都知事はコロナ患者の7割を受け入れている都立病院・公社病院(公益財団法人東京都保健医療公社)を独立行政法人にしようとしている。東京都の直営から外して、あとは自分たちでやれという事だ」と述べ「そうするとどうしても経営効率ばかりを考えるようになり、職員の給与は引き下げられる一方で、患者負担が増える」「民間病院がコロナ患者を受け入れると赤字になる。きちっとした都立病院が必要だ」と訴えた。

 宇都宮氏は「小池百合子都知事は休業補償などで、財政調整基金は5.6億円しか残っていない。あとは自己責任で、とするが、他の特定目的基金が1兆円ある。これを条例改正して、コロナ災害の都民対策目的の基金に振り替えることができる」と述べ、「小池さんのように、もうお金が無くなったからあとは自分で、と言うならば何のための東京都だかわからない」と、小池都政を厳しく批判した。

■全編動画

  • 日時 2020年7月2日(木)11:20~12:05(JR立川駅北口) /12:15~12:30(JR立川駅南口)
  • 場所 JR立川駅北口~南口(東京都立川市)

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