「酒もドラッグもなしに特攻するなんて!?」トランプ大統領が安倍総理の英語をネタに神風特攻隊を揶揄!旧日本軍が人間を兵器にするためシャブ漬けにした史実を安倍総理は「愛国」とすり換え! 2019.8.16

記事公開日:2019.8.16 テキスト
このエントリーをはてなブックマークに追加

(文:IWJ編集部)

 米国のタブロイド紙ニューヨーク・ポストは、トランプ大統領が8月9日の資金調達パーティーで、安倍晋三総理や韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領のなまりのある英語をモノマネして揶揄(やゆ)する一方で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長との友好関係をアピールしたことを報じた。またトランプ氏は、安倍総理の父晋太郎氏が太平洋戦争中特攻隊に志願したことに触れ、安倍総理に「特攻隊員は酒や薬物を使っていたのか?」と尋ねたとしている。

▲ドナルド・トランプ米大統領(Wikipediaより)

 記事によると、トランプ大統領は、韓国について文大統領の英語のなまりをマネしがら「なぜ我々が彼らの防衛のために金を払っているのか。彼らが払うべきだ」と発言。

Talking about South Korea, Trump said it makes great TVs and has a thriving economy, “So why are we paying for their defense. They’ve got to pay.” He then mimicked the accent of the leader Moon Jae-in while describing how he caved in to Trump’s tough negotiations.

 一方で北朝鮮の金正恩委員長については、「今週金委員長から美しい手紙を受け取った。私たちは友人だ。彼は私に会ったときだけ笑顔を見せるとみなが言っている」と友好関係を強調した。

 また、安倍総理との貿易関税に関する会話を、日本語のアクセントをモノマネしながら披露した。

On his remarkable friendship with North Korean leader Kim Jong Un, “I just got a beautiful letter from him this week. We are friends. People say he only smiles when he sees me.

Trump then put on a fake Japanese accent to recount his conversations with Shinzo Abe over their conversations over trade tariffs.

 トランプ大統領はこれまでスピーチの中で、たびたび外国人の話す英語のアクセントをモノマネし揶揄するような発言を行っており、これは無礼であり差別であるという批判を受けている。日韓首脳の英語を揶揄する姿勢と裏腹に、北朝鮮への友好アピールの強調は、米国が日韓を牽制し、現在以上の軍事的負担を求める政策を暗示していると思われる。

トランプ大統領、日本の記者の英語に「何を言っているのかわからない」どんなやり取りだった?(ハフポスト 、2018年11月8日)

 またトランプ大統領は、安倍総理の父、晋太郎氏が神風特別攻撃隊のパイロットだったことに「魅了された」として、安倍総理に「神風特別攻撃隊のパイロットは酒に酔っていたのか、薬物を使用していたのか?」と尋ねたという。これに対し安倍総理は、「違う、彼らはただ自分たちの国を愛していたのだ」と答えたとし、トランプ氏は「想像してみてほしい、彼らがただ国を愛するがゆえに、タンク半分しかないガソリンで飛行機に乗り込み、軍艦に飛び込むということを!」と、パーティーの聴衆に、信じられないこととして語った。

Trump spoke about his friendship with Abe and how fascinated he was with Abe’s father, who had been a kamikaze pilot. Trump asked Abe if the kamikaze pilots were drunk or on drugs. Abe said no, they just loved their country. Trump remarked, “Imagine they get in a plane with a half a tank of gas and fly into steel ships just for the love of their country!”

▲安倍晋太郎氏と長男寛信氏・1956年(Wikipediaより)

 安倍晋三総理の父、安倍晋太郎氏(1924年~1991年)は、1944年に東京帝国大学に入学、海軍滋賀航空隊に予備学生として入隊している。

 青木理氏著『安倍三代』(朝日新聞社 https://amzn.to/2MYlr4x)によると、1945年に少尉任官を前に特攻隊を志願し、水中特攻(人間魚雷回天)の訓練などを受けている中、終戦を迎えたとされている。

 なお、戦後の特攻隊員の証言や研究、また厚生省の政府委員の答弁によっても、太平洋戦争中、覚醒剤は、特攻隊員に限らず兵士も勤労動員された工員も、広く使用していたことが明らかになっている。トランプ大統領の揶揄は不愉快なものではあるが、「ドラッグを使っていた」という点が事実であることは否めない。

 人間を単なる兵器として扱う「特攻」という、無謀で非人道的で馬鹿げた作戦を遂行するためだけでなく、旧日本軍は兵士や軍関係の工場労働者を覚醒剤漬けにしていたのである。安倍総理は大日本帝國を賛美するために「違う、彼らはただ自分たちの国を愛していたのだ」と、トランプ大統領相手に虚構を語り、大統領自身はそれを虚構だと、実のところ見抜いていた、と考えるのが妥当ではないだろうか。

 2019年3月に、岩上安身が、『ヒトラーとドラッグ――第三帝国における薬物依存』(白水社、2018年)の著者で、ドイツ人ジャーナリスト ノーマン・オーラー氏とインタビューを行い、帝国日本生まれの覚醒剤が、ナチス・ドイツでも深く蔓延していたことについてインタビューしている。日本とは無関係な話しではない。下記のインタビューをアーカイブにてぜひご覧いただきたい。

▲ノーマン・オーラー氏(2019年3月29日、IWJ撮影)

(wikipedia 特攻隊 支給品の記述より引用)
 戦後の参議院の予算委員会の質疑において、厚生省の政府委員によれば「大体、戦争中に陸軍・海軍で使っておりましたのは、全て錠剤でございまして、飛行機乗りとか、或いは軍需工場、軍の工廠等におきまして工員に飲ませておりましたもの、或いは兵隊に飲ましておりましたものはすべて錠剤でございました、今日問題になっておりますような注射薬は殆ど当時なかったと私は記憶しております。」との答弁通り、戦時中の覚せい剤は広い範囲で使用されており、特攻隊員に限定的に使用されてはいなかった。

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です