改憲を止めるために「先回りしてCM規制の法改正が必要」!! 「(MMT批判者の)大西つねきさんの経済理論は政府紙幣の発行という法改正を必要とするもっと先の話」!!〜8.7山本太郎氏(れいわ新選組)による記者会見 2019.8.7

記事公開日:2019.8.8取材地: テキスト動画
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(取材:須原拓磨・國府田響 文:國府田響・永田勝徳)

特集 れいわ新選組◆ヤバすぎる緊急事態条項特集はこちら!
※2019年8月9日、テキストを追加しました。

 「政権交代を実現するなら野党側と手を組む必要がある。野党で連立して政権交代をするために『山本太郎』というカードを有効に使って頂けたら光栄」

 2019年8月7日(水)、日本ジャーナリスト協会(旧・自由報道協会)主催の会見の冒頭で、れいわ新選組代表・山本太郎氏はそう述べた。先の参議院選挙においては、大手メディアではほとんど取り上げられなかった中での、草の根的に広がった、自身及びれいわ新選組への支持や期待に関する話に加えて、「現在の憲法、特に第25条の生存権を踏みにじっている安倍政権が憲法を改正してはいけない」等、路上での街宣で繰り返し発信してきた内容と重なる部分も含めて、改めて政治家・山本太郎の立場を明確にする重要な会見となった。

▲れいわ新選組・山本太郎代表(2019年8月7日、IWJ撮影)

 参院選の結果、改憲勢力が改憲発議可能となる参院での3分の2議席まであと4議席となり、与党が国民民主党やNHKから国民を守る党などに対して切り崩し工作を行っている。そこに加えて、米国が提唱する中東での有志連合に自衛隊が参加することになれば、「改憲と戦争の危機」は、急速に高まることになる。

 山本代表は他社の記者からの「なぜ参院選の政策に改憲に関する内容を盛り込まなかったのか(注)」という質問に、「今回の争点ではなかった」「争点は格差だった」と答えた。IWJも、改憲問題に関する山本氏の見解を聞きたいと思っていたが他社に先を越される形となった。もっとも、この回答では不十分と感じられたので、さらに掘り下げた質問を重ねることにした。

 山本代表は、今年4月10日の会見で、経済政策について立命館大学の松尾匡教授に師事しているとの発言があった。松尾氏は米国発のMMT理論(現代貨幣理論)を日本において広めている理論的リーダーであり、MMTの主たる提唱者の一人であるステファニー・ケルトン氏をこの7月に日本に招聘している。松尾氏に師事していることから、山本氏はMMTを支持していると考えられる。

 その一方で、れいわ新選組の参院選比例候補者として、山本氏が選んだ大西恒樹氏については、IWJにも「大西氏はMMT論者ではない」「MMTを批判している」という意見が多数寄せられた。IWJが大西氏の発信する動画を確認したところ、確かに大西氏は「MMTだけでは問題解決には不十分」という意味で、MMTを批判している。

 山本代表は、MMTを信奉し、その理論にもとづいた政策を実行したいのか、それともMMTを批判している大西氏の政府紙幣発行などの提案を実行したいのか、その点が今まで不明で、これまでマスコミの記者らも質問することがなかった。IWJとしては、素朴に疑問い思っていた点を聞くことにした。

 他のメディアが野党共闘やネット戦略、資金集めについて質問する中、IWJは改憲問題と、山本代表が経済政策に取り入れているMMTに関して、山本氏に質問することができた。なお、MMTについて聞いたのはIWJのみだった。

 以下は、IWJ記者と山本氏の質疑応答の全文文字起こしである。

注)なぜ参院選の政策に改憲に関する内容を盛り込まなかったのか:
 れいわ新選組は「政権とったらすぐやります 今、日本に必要な緊急政策」として政策を掲げているが、その内容には改憲に関する内容が含まれていない。
 緊急政策は以下の通り
・消費税は廃止
・安い家賃の住まい 敷金・礼金などの初期費用や家賃、高くないですか?
・奨学金チャラ
・全国一律!最低賃金1500円「政府が補償」
・公務員を増やします 保育、介護、障害者介助、事故原発作業員など公務員化
・一次産業戸別所得補償
・災害に備える
・コンクリートも人も〜本当の国土強靭化、ニューデイールを〜
・お金配ります〜デフレ脱却給付金・デフレ時のみ時期をみて〜
・財源はどうするの?~デフレ期にしかできない・財政金融政策~
・真の独立国家を目指します〜地位協定の改定を〜
・「トンデモ法」一括見直し・廃止
・原発即時禁止・被曝させない ~エネルギーの主力は火力~
・障がい者への「合理的配慮」を徹底、障がい者福祉と介護保険の統合路線は見直し
・DV問題 被害者支援と加害者対策、防止教育を基本とし、DV・虐待のない社会の実現へ。
・児童相談所問題
・動物愛護
参照:
 ・政権とったらすぐやります 今、日本に必要な緊急政策(れいわ新選組)

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  1. 志田 匠 より:

    「7人に1人の子供が貧困で、5人に1人の高齢者が貧困で、3人に1人の一人暮らしの女性が
    貧困で、2人に1人のシングルマザーが貧困・・・」の人々にもちゃんとお金が回るような
    仕組みを作ることと、インフレターゲットって直接関係ないと思うんですけど。
    インフレターゲットを達成しても、市中にお金が回らなければそれこそ「数字の独り歩き」に
    しかすぎないことは既に現政権自体が実証済みですし(笑)。
    その辺をもう少し伺いたいですね。

  2. エコノミストこと高田穰 より:

    MMT理論は正しい、私は既存の国債の借り換え分、
    今回は、21兆円ですが、これを国債発行で
    くりまわすのではなく、地銀からの市場金利での
    貸付により借りて償還していく方法をとります。
    既存の現預金のボリュームの移動によって、
    作り出される資金ですから、追加紙幣と違い、
    インフレ要因が一気に来ません。
    空き枠の国債の必要に応じた発行であれば、緩やかなインフレへと
    転換できます。
    本来なら、民間で製造の拡大の、設備新築となる投資であれば、
    その所得分の増加=付加価値の増加に応じて、
    個人消費需要が消費財供給との対比で、インフレ的な要素となる、
    と言うのが基本ですが、
    そうじゃなくても緩やかなインフレは可能なんです。
    経済循環論、
    企業は生産に約束手形を発行し、生産して、手形満期日に、
    生産した商品の販売代金で決済する。
    この時に受け取った手形を即刻割引して下請け企業は、
    社員に、賃金を現金で払う。
    この賃金で出ていく分が、日銀から現金で銀行に運ばれて、
    賃金支払いに向かうので、生産の一定割合は現金が必要です、
    このわりあいが、乗数理論の流れにおいて唯一乗数を止める行動です、
    ですから、中央銀行が現金の出し方を制限すると、
    強烈な金融引き締めとなるんです。
    この事例が石油ショック時の貸し出し限度額規制です。
    そう言う規制がバブル発生時に行われていたら、
    ソフトランディングだったでしょう。
    そうであれば、日本経済はバブル崩壊後の
    三重野総裁による強烈な金融引き締めで、
    デフレ経済に戦後初めて先進国で、苦しむことはなかったはずです。
    物価が安定的に緩やかなインフレだったにもかかわらず、
    阻害されて下落一方のデフレ経済にさせられたわけですが、
    それが真正デフレへと向かったのは、消費税引き上げでした。
    だから消費税ゼロ法案が必要なんです。
    一方で財源ですが必要な資金は空き枠で国債でまずは調達です、
    その後に無駄削減ですね。法人税の日本での支払いを促す政治です。
    法案、外形標準課税ですよ。
    すなわち政府紙幣という巨大な信用の一気に付加するのは、
    極端なデフレで困窮する時における施術です。
    山田太郎代表が言うように、先ずは、既存の制度で対応です。

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