2018年9月28日(金)に、三菱電機における裁量労働制廃止についての報道を受け、衆議院議員会館本館で働き方改革野党合同ヒアリングが行われた。
野党側が提出した15の質問には「三菱電機の社員約3万人のうち1万人に裁量労働制が適用されていたと報じられているが、違法適用はなかったのか」「『裁量労働制で過労死が増える』という野党からの批判に対して『自分の裁量で働ける自由な働き方』という総理答弁は虚偽ではなかったのか」などが含まれていた。
立憲民主党・長妻昭衆院議員は「三菱電機の3万人の社員のうち1万人、3人に1人の社員に裁量労働制が適用されていた。こういった企業が日本に何社あるのか。直感的に大丈夫かなという気がしたが、案の定、三菱電機が全社で裁量労働制を廃止するという。何らかの根本的な欠陥があるのではないか」と驚きをまじえて質問した。
法政大学教授・上西充子氏は、「厚生労働省は実態調査をするというが、すでに実態はここにある。厚生労働省が人命を優先すると言うのであれば、裁量労働制を国民に広く周知徹底すべき。駅の中なり電車の中なりにポスターを貼って、広く周知徹底する必要がある」と訴えた。
国民民主党・山井和則衆院議員は、「厚生労働省は裁量労働制が危ないなんて、私たちよりも百も承知。心のうちは『こりゃまずいよな、でも安倍総理に言われたらしょうがないよな』と考えると、私は推察する。安倍総理は働き方改革、裁量労働制を通常国会の目玉とした。自由な働き方ができる人が中にはいるが、人の心や体が壊れる、非常にリスクのある働き方だと明らかになった」と述べた。
続けて山井議員は、「政府による『働き方改革』の号令のもと、(裁量労働制を)これから導入しようとしている企業がたくさんある。非常にリスクのある働き方だと、総理や大臣の名で緊急声明を出していただきたい。新たに過労死を出したら、我々は許しません」と強く訴えた。
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