2018年9月5日(水)に東京・都庁記者クラブにて「小池都知事あて要望書の提出報告、認可条件に至らない豊洲新市場の実態 築地市場営業権組合による記者会見」が築地市場営業権組合 共同代表(村木智義氏,宮原洋志氏)、山口タイ氏(築地女将さん会)、熊本一規氏(明治学院大学名誉教授)、築地市場営業権組合、築地女将さん会からそれぞれ数名 司会:中澤誠氏(同組合 参与)らによって行われた。
(取材・文:八重樫拓也)
特集 築地市場移転問題
2018年9月5日(水)に東京・都庁記者クラブにて「小池都知事あて要望書の提出報告、認可条件に至らない豊洲新市場の実態 築地市場営業権組合による記者会見」が築地市場営業権組合 共同代表(村木智義氏,宮原洋志氏)、山口タイ氏(築地女将さん会)、熊本一規氏(明治学院大学名誉教授)、築地市場営業権組合、築地女将さん会からそれぞれ数名 司会:中澤誠氏(同組合 参与)らによって行われた。
■ハイライト
営業権の侵害について都の主張
1. 豊洲移転に伴う経済的損失は受忍限度内である。
2. 受忍限度内か否かは、損失額及び事業の性質(公共事業として行うという性質)により判断する。
都への反論
1. 受忍限度内か否かは個々の実例に即して判断されることである。
2. 受忍限度内か否かの判断に事業の性質は関係ない。もしも「公共事業」という性質により受忍限度が拡がるならば、公共事業に関して「公共用地の取得に伴う公共補償基準要綱」がなぜ定められているのか、わからなくなる。
明治学院大学名誉教授・熊本一規氏は、国(国交省公共用地室)の見解は都への反論に同意であることを都(中央卸売市場事業課)に伝えたところ、都側は「都の関係部局が集まって決めたのだから、すべて受忍限度内だ」と回答してきたといい、「これは明らかに憲法29条違反だ」と述べた。
【日本国憲法 第二十九条】
・財産権は、これを侵してはならない。
・財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
・私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。
築地市場営業権組合 共同代表 村木智義氏は「年間150億円の赤字がもう想定されている。これは農水省がものすごく懸念している。毎年150億円の赤字が出る計画を立てて、事業を始めるバカがどこにいる」「お昼ご飯や晩御飯に旬のサンマを食べた方がおられると思いますが、好物を食べる時が一番幸せを感じる時で万人に共通していることだと思う。それがなくなってしまう。さみしい話です。残念ながら大間のマグロは築地にきません。築地が残っていればきます。豊洲にはきません。大間漁協は豊洲には出さないそうです」とさみしそうに訴えた。
記者として来場していたJ.R.P Television朝堂院大覚氏が質問の形をとり、自説を述べた。
「東京魚市場卸協同組合の早山理事長以下、ほとんどの理事が豊洲へ行くべきだと、豊洲へ行かない仲卸業者に対して、行かなければ商売することができなくなるぞと、脅しまでかけていると」
「初めは豊洲移転反対だった方が多かった。しかし理事30名のうち27名が賛成にまわった。一番困るのは消費者じゃないだろうか。なぜ消費者に毒水で洗った魚を食わすようなモラルハザードが、なぜ東京魚市場卸協同組合の役員たちにあるのか。一説にはワイロを貰っている説がある」
この「仮説」に対し、女将さん会・山口タイ氏は「そういうのはわからないのですが」と前置きしつつ、当事者たちの切実な苦悩を語った。「今の理事長はもともと豊洲移転に反対だった。前理事長もそうだった。しかしどういうわけか、理事長に就任した途端に気持ちが変わって、移転賛成になる」
「何がそうさせるのか、わかりません。ワイロを貰っているという話も聞きます。あの人たちは私たちの意見を聞いて守ってくれる立場の人たちです。あの人たちに託しているんです。何かを貰っているってよく聞きますけど、そういう人だと思いたくないです。私も聞きたいです」
下部のリンクから、2018年10月2日に撮影された「地中の汚染水が地上に噴出!! 11日開場予定の豊洲は問題だらけ! 岩上安身による建築エコノミスト・森山高至氏、一級建築士・水谷和子氏、築地女将さん会・山口タイ氏、新井眞沙子氏インタビュー」を是非ご覧になっていただきたい。
1935(昭和10)年に関東大震災からの復興で誕生し「日本の台所」と呼ばれてきた東京都の築地市場が6日、豊洲(江東区)への移転にともない83年の歴史に幕を閉じる。問題だらけの豊洲は11日に開場予定。