【国会ハイライト】「官邸の藩屏」のダブルスタンダード!? 安倍総理や昭恵夫人の関わりについては即座に否定し、その他の質問については「答えられない」!?~森友文書改竄・佐川宣寿 前国税庁長官 衆議院予算委員会証人喚問 2018.3.27

記事公開日:2018.3.28 テキスト
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(文:IWJ編集部)

 2018年3月27日午後2時より、午前の参議院予算委員会に引き続き衆議院予算委員会でも佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官への、財務省による森友学園への国有地取引をめぐる決裁文書改竄に対する証人喚問が行われた。

 佐川氏は冒頭、「国会の混乱を招き、国民の信頼を失墜させた。当時の担当局長として深くお詫び申し上げる」と述べながらも、改竄の理由や経緯に関わることについては「刑事訴追を受ける恐れがある」として証言を拒否。その拒否の回数は、55回にものぼった。その一方で安倍総理、総理夫人である安倍昭恵氏、首相官邸による関与については不自然なまでに即座に強く否定した。

▲佐川宣寿 前国税庁長官(衆議院インターネット審議中継より)

 この点について希望の党の今井雅人議員は「ダブルスタンダードではないか?」と、その不自然さを追及した。

 また、立憲民主党の逢坂誠二議員による、「迫田英典元理財局長から引き継ぎはなかったのか」との尋問には「引き継ぎを受けていない」と驚きの証言もあった。

 引き継ぎを受けていないなら、そもそもの問題である国有地を8億円もの値引き価格で売却した問題について、詳しい経緯は知りようもないはずで、安倍総理夫妻、官邸、財務省幹部らの関与がなかったと確信を持ってなぜ断言できるのか、逆に疑惑が深まった。断言の口調が強ければ強いほど、その不自然さが際立つ。

 日本共産党の宮本岳志議員は、この日の午前中の参議院での証人喚問で、「(森友学園との交渉記録の破棄について)確認せずに答弁したのはまずかった」と証言したことを取り上げ、2017年2月24日の衆議院予算委員会で宮本議員の質問に対し、佐川氏が、「記録は破棄した。確認した上で答弁している」と述べたのは「虚偽答弁だったということか!?」と厳しく迫った。

 宮本議員にはこの証人喚問の直後、岩上安身によるインタビューが行われた。ぜひこちらも合わせてご覧いただきたい。

▲日本共産党・宮本岳志 衆議院議員(2018年3月27日、IWJ撮影)

記事目次

※実況ツイートに加筆しました。ほぼ全文の記録です。

これまでの経緯確認に質問時間をたっぷり使う自民・石田真敏議員。あれもこれも「佐川さんは明快に否定されておられた」

質問者:河村建夫予算委員長

佐川宣寿氏「今回の決裁文書の書き換え問題によりまして、国会にこのような大きな混乱を招き、また、国民の皆様に、行政の信頼を揺るがすような事態を招いてしまったことにつきまして、誠に申し訳なく思っております。当時の担当局長として責任はひとえに私にございます。深くお詫び申し上げます」

河村建夫予算委員長「当該国有地の貸付契約および売買契約に関する決裁文書の書き換えの経緯および佐川証人の関与の有無についてお答えください」

佐川氏「今の委員長のご質問に関しましては、私自身が現在告発を受けておる身でございまして、今回の決裁文書の書き換えにつきましても、それが捜査の対象になっていると考えられます。したがいまして、私自身刑事訴追の恐れがありますので、そこの答弁は控えさせていただきたいと思います」

河村委員長「決裁文書の書き換えが行われた理由についてお答えください」

佐川氏「決裁文書の書き換えられた理由につきましても、この決裁文書の書き換えられた行為に関わる話でございまして、その点につきましても、刑事訴追の恐れがありますので、ご答弁は差し控えさせていただきます」

質問者:自民党・石田真敏議員

自民党・石田真敏議員(午前中、丸川議員の答弁確認)「1年前の今頃ですね、私はこの予算委員会の与党筆頭理事の席、菅原さんが座っておられる席で、佐川さんの答弁を聞いておりました。また、籠池さんの証人喚問も、この席で聞いておったわけでございます。あれから1年が経ちました。

 しかしまだ、この森友学園問題が、こうして予算委員会の中心問題であるということ、まことに残念と言わざるを得ません。おそらく国民の皆さんは、もういい加減に疑惑を解明して、われわれの日々の生活、あるいは日本の将来について、全力を傾注して国会で議論してもらいたい、そういうふうに思っておられると思うだけに、一日も早く、一刻も早く、この疑惑を解明していかなければならないと思っております。

 そのためにも、この森友問題の現場である近畿財務局と大阪航空局、そして森友学園側とのさまざまなやりとり、どういうものがあったのか、そういうことは非常に重要でございます。佐川さんはまさしくその現場での状況を国会の場で明らかにする責任者であったわけでございます。

 そういう意味で、佐川さんに積極的にお答えをいただく、そのことがこの森友問題に関する疑惑を解明し、そしてこの事態を収束させていく、そのためには必須のことではないかと考えておるわけでございます。ぜひ誠実な答弁をよろしくお願いをしたいと思います。

 午前中参議院のほうで、2時間あまり質疑がございました。我が党の丸川珠代議員の質問に対しまして、佐川さんが答弁をされました。少し紹介をさせていただきたいと思います。

 まず書き換えの指示について、安倍総理、安倍総理夫人、総理秘書官、さらには官房長官、官房副長官、総理補佐官、その他の官邸関係者から指示があったかという質問に対しまして、明快に否定をされておられました。

 また麻生大臣、あるいは麻生大臣秘書官、そして財務省内で次官、官房長など大臣官房や他局の幹部からの指示があったか、そういう質問についても、明快に否定されておられました。

 そして貸付契約および売買契約への関与という項目に関しまして、安倍総理や総理夫人からの指示、あるいは総理秘書官や官房長官、官房副長官、総理補佐官、その他の官邸関係者からの指示があったか、この質問にも明快に否定をされたわけでございます。

 そしてもうひとつ、総理夫人が名誉校長であることで、貸付契約や売買契約に何か影響を与えたかとの質問にも、そういう影響はなかった、そのように答弁されたと思いますが、間違いございませんか?」

佐川氏「間違いございません」

石田議員「さて、今回のこの書き換えの問題というのは、私は2つの面があると思うんです。ひとつはやっぱり、書き換えということでありまして、これは、私は聞いたときびっくりしました。あってはならないことがあった、まさしく行政全般に対する信頼、あるいは政治に対する信頼、国会に対する信頼、そういうものをすべて失うようなことになりますし、民主主義の根幹を揺るがす、大きな問題であったというふうに思います。

 この書き換えについて、今捜査中ということで、いろいろ答えられないというご発言がございましたけれども、いずれその真相はですね、明らかにして、そしてその再発防止をどうやっていけばいいのか、これはみんなでしっかり考えていかなければならない課題だと思っております。

 この書き換えの問題ということ、そのこと自体が、私は非常に問題だというふうに思いますが、もうひとつの面は、書き換えによって削除された部分があるわけであります。そのことが非常に重要でありまして、私は今朝の参議院での質問、そして時間の配分の問題もございますので、書き換えによって何が隠されていたのか、という点から見ていきたいというふうに思います。

 主に書き換えられた決裁文書は3種類ありました。全部で14でございますけれども、主には。まずは貸付決裁書、それから売り払い決議書。貸付決議書ですね。それから売り払い決議書、それから特例承認の決裁文書の3種類であります。

 私は、この森友問題には大きく分けて2つのステージがあった、そのように考えております。第1のステージは、土地の貸し付けを行うための交渉でありました。時期的に申し上げますと、平成25年の6月から平成27年の4月ごろまででありまして、このために必要であった文書は、特例承認の決裁文書と貸付決議書であります。それでよろしいですね?」

佐川氏「大きく2つのステージということで、最初のところは特例承認と貸付ということでございます」

土地の貸し付けから売却への方向転換の経緯は?「森友学園の経営が安定するまで貸し付けを検討する方針」という記述は削除された!

石田議員「その後、状況が大きく変化をいたしまして、第2のステージになるわけでありますけれども、時期的には平成28年の3月以降ということになります。ここでは貸付から売り払いに変わります。そのために必要であった文書は、売り払い決議書でございます。それでよろしいですね?」

佐川氏「それでけっこうでございます」

石田議員「以下、それぞれについて、時系列に沿って、丁寧に見ていきたいと思います。

 まず、資料を見ていただきたいし、パネルも見ていただきたいんですが、貸付決議書を見てみますと、この中で大きく書き換えあるいは削除されたというのは、『事案の経緯』という項目でございました。これを見ていきたいと思います。

 まず、事の初めは、平成25年6月28日、籠池理事長が財務局に来所されまして、本地の取得を検討している、そういうことを言われた、そのことから事は始まっているわけであります。

 そして、平成25年8月21日、この部分が非常に重要ですので読ませていただきたいと思いますが、森友学園理事長が大阪航空局に来所、財務局同席、本件土地については、学校経営が安定する平成35年3月ごろまでは貸し付けを受け、その後購入することを希望している旨を聴取、対応方針について、大阪航空局から、現行の国有財産制度で対応できるのであれば貸し付けを検討してもらいたいとの意向が出され、本省理財局に相談の結果、貸し付けを検討する対応方針が指示されるということが、平成25年8月21日の記述でございます。ただ、これは貸し付け決議書には載ってございませんでした。削除されていたわけでございます。

 そして、その後、平成25年の9月2日、用地の取得等要望書提出を籠池さんの方はされました。そして、それを受けて、平成25年9月12日、大阪府の私学・大学課を訪問し、今後の連携について近畿財務局が要請をした。まさしく以降、交渉が始まったわけでございます。

 こういう経過でよろしいですか?」

佐川氏「たいへん恐縮でございますが、書き換えが行われました決裁文書の文書については答弁は控えさせていただきますが、今の事実関係について、私が昨年ご答弁をしたものにもとづいて申し上げますと、今委員がおっしゃられたように、25年の6月に公的取得要望というものを近畿財務局が出して、それで、9月2日に先方がその要望書を出してきて、それ以降そういう手続きが始まるというのは、そのとおりでございます」

石田議員「以上そのとおりだというお話をいただきましたが、そうなりますと、すでに、先ほど読み上げました平成25年8月21日の時点で、森友側と近畿財務局、大阪航空局とで協議が行われ、売り払いを前提とした貸し付けを行うという方針が決定されていたことになります。以降の協議はこの方針のもとで行われたと考えてよいのか。佐川さんはこのことについて、どのように認識されておられましたか?」

佐川氏「これも恐縮でございますが、今の委員が引かれたところは、書き換えられた決裁文書の話ですので、これについてはコメントを避けますが、昨年の答弁について申し上げますと、先方が9月の2日に取得要望書を持ってきたときには、もうすでに私どもに、近畿財務局に、貸し付けを前提にして、もちろん最後は売り払いなんですけれども、8年ほど貸してもらってその後買うという、そういう要望を持ってきたということでございます」

石田議員「おおむねお認めをいただいたと思いますが、その後、籠池さんが、この下にありますけれども、平成26年4月28日に総理夫人に関する発言をしたことが、これは貸し付け決議書ではなしに、特例承認の決裁文書に記載されているわけであります。

 午前中も質問があってお答えをいただきましたが、あらためて、特例承認という用語、特別な配慮をしたんではないか、そういう国民の皆さんの中に疑念もございますので、特例承認の意味、そして今回の決裁についてお答えをいただきたいと思います」

佐川氏「昨年の衆議院の委員会だったと思いますが、私、特例承認の意味についてご説明申し上げました。

 普通、われわれ、売り払い、国有地は売り払いが原則でございますが、貸し付ける場合もございます。その場合、たとえばですが、市町村で、予算が通らないので何年か貸し付けていただいて、その後買うといったようなケースもございます。そういう意味では、比較的短期間を貸し付けるということが通達に書いてございまして、3年と書いてございます。

 ただ、これによらない場合には本省の承認を得て行うということで、特例承認通達というふうに部内で呼んでおりましたが、そこで、この案件は必ず買ってもらうということで、事業用の定期借地契約というものを結ぶことで必ず買ってもらうということを担保しようと当時いたしました。

 それは、法令上、そうした事業用定期借地契約は10年が最低期間でございました。したがいまして、3年の貸し付け期間という通達には当てはまらないわけでございまして、それは本省の承認が要る、そして特例承認の申請が近畿財務局から上がり、本省においてその特例承認をしたというのが経緯でございます」

「総理夫人の影響があったとは思わない」と佐川氏。「強い圧力があったら交渉が3回も不調にはならない」と理解を示す石田議員

石田議員「特例承認という言葉は誤解を生みやすいんですけれども、特別な配慮とかそういうことではないということでございます。

 そこで、先ほど申し上げましたように、平成25年8月21日に方針が決定されて以降交渉が始まっているわけですけれども、そのような中で、先ほど申し上げました平成26年4月28日に、交渉開始から8ヵ月も経った時期の籠池氏の総理夫人に関する発言、これはその後の経緯に関係したと思われますか? 佐川さんのご認識をお聞かせいただきたいと思います」

佐川氏「今の委員が読まれたところは書き換え前の決裁文書の記述ということでございますので、その点についてはコメントを差し控えさせていただきます。

 が、昨年、この国会でずっと答弁をするにあたって、局内でいろんなものを見て、部内からいろいな者の話を聞いて、それで貸し付けの契約、売り払いの契約について答弁をしたわけですが、その経緯の中で総理夫人の影響があったというふうには思っておりません」

石田委員「籠池さんの発言がその後の交渉に影響を与えたことはなかったということをお答えをいただいたわけであります。

 それでは次に、その後、交渉が重ねられまして、平成27年の1月27日、大阪府私学審議会において条件付きで認可適当の答申が出されました。そして、2月10日には、国有財産近畿地方審議会において処理適当の答申が出されたところであります。それを受けまして財務局は貸し付け料の見積もり合わせを森友側と実施をいたしましたが、実に3回不調になっているわけであります。

 そういう経過の中で、3月26日、森友側から、ボーリング調査結果にもとづき、貸し付け料の減額と、杭工事等の工事費負担を要請をされる、そういうことが行われました。その後、検討された上で、ボーリング調査結果にもとづき、貸し付け料の修正を検討するということで、4月の28日には再評価にもとづく貸し付け料の見積もり合わせを実施し、合意に至るというふうな経過があったわけでございます。

 以上のような経過の中で、別途、もう1枚のパネル、今のは貸し付け決議書でございますが、これは特別承認の決裁書でございます。

 ここには、1月8日の産経新聞のインターネット記事に総理夫人のことが出ていた、あるいは、1月15日から2月16日にかけて、複数の政治家から、森友学園に示された概算貸し付け料が高額であり、何とかならないかとの問い合わせがあったということでございます。

 それに対しまして財務省は、財務省の法律にもとづき、適切な、適正な価格を算出する必要があるため、価格についてはどうにもならないことなどを説明したということが記載されておりまして、これは、各政治家のところに書いているわけですが、一貫してこういう立場を財務省は貫いているということでございます。

▲自由民主党・石田真敏 衆議院議員(衆議院インターネット審議中継より)

 実際、強力な圧力があったなら、3回も不調になることはないというふうに思いますけれども、以上申し上げたようなことから、ここでも総理夫人や政治家が貸し付けに関わった、そういうことについて、佐川氏はどのように考えておられますか?」

総理夫人付の谷さんの「影響の有無」を尋ねた質問に、谷さんと理財局関係者とのやりとりの「回数」で答える佐川氏

佐川氏「再三で恐縮でございますが、今委員が読まれたのは書き換えが行われた決裁文書でございますので、そこについては答弁を差し控えさせていただきますが、昨年の答弁にもとづいてお答えを申し上げますと、貸し付けの契約につきましては、園側がボーリング調査を行った結果、地盤のことについての説明があったので、再度まさに不動産鑑定で客観的な価格を出して、それにもとづいて貸し付け契約を行ったということでございますので、いずれにしても、価格につきましては、不動産鑑定士における価格にもとづいて契約をしたということでございます」

石田議員「ここに書かれているように、圧力で変わったということではないと理解したいと思います。

 ちなみに、話題になっております総理夫人付、谷さんより籠池さんに、平成27年の11月17日付のファクスが送られた件でございます。

 これは、谷さん宛てに、籠池氏が手紙を出されて、それに対する回答ということでございます。そして内容は、たいへん恐縮ながら、国側の事情もあり、現状ではご希望に沿うことはできないようでございますというような、いくつか細かいことをずっと書いていますけれども、結局、結果的にはゼロ回答でありました。

 もうひとつ、この手紙のやりとりがあったのは平成27年の11月前後でございますけれども、先ほど来申し上げましたように、貸し付け料はもうすでに平成27年の5月に決着をしていたわけであります。

 ですから、私は、この貸し付け料について、総理夫人あるいは総理夫人付の谷さんの影響があったというふうには思っておりませんけれども、午前中の質疑で、総理夫人付の谷さんと田村室長のやりとりは電話でのやりとりのみだとの趣旨の発言をされましたが、谷さんと理財局関係者とのやりとりはこの1回だけなのか、貸し付け前も含めて何度もやりとりがあったわけではないということでよいのか、お聞かせいただきたいと思います」

佐川氏「その谷さんから田村室長に連絡をした後のそのファクスの話は昨年も国会で議論になりまして、私は、そのときの谷さんと田村室長との電話でのやりとりについて、室長にヒアリングを行いました。そのときの田村室長の話では、そのとき1回限りということでございました」

石田議員「念のためもう一度おうかがいしますけれども、その後の売り払いの際も含めて、谷さんからの影響は一切なかったと理解してよろしいですか?」

佐川氏「私が昨年、ずっと局内で聞いて、この国会でご答弁をしたという中では、もうその1回限りという理解でございます」

10年間貸してから売る予定の土地で新たなゴミ発見。急転直下、売却へと方針転換したのは学校建設が危ぶまれたから?

石田議員「貸し付けに関わって、もうひとつ疑問が呈せられていることがあります。

 それは、先ほどのを見ていただいても、森友側から、ボーリングの調査結果、これについての指摘があり、当初貸し付け料が3285万円であったものが、2725万円に減額されているわけであります。公表されている法律相談文書、これは財務省の法律相談、財務局ですかね、法律相談文書では種々検討されているようですが、なぜ減額されたのか、お聞かせいただきたいと思います」

佐川氏「お答えします。

 その法務部門との内部文書についてはちょっと、私が理財局長を終わった後の話でございますので、ちょっと詳しいことは承知してございませんが、そのときに、先方が豊中市との間での開発協議を先行するためにボーリング調査を事前に行っておりまして、その結果について、軟弱地盤だということを先方が言ってきて、それで財務局としては、そういうことであれば客観的にもう一度不動産鑑定価格にかけましょうというふうにして2回目の不動産鑑定価格をやった結果、貸し付け料が下がったというふうに理解してございます」

石田議員「以上が貸し付け契約に関するもので、これといった疑念を抱かせるようなものではなかったというふうに思います。

 さて、次に、今申し上げたのは第1ステージということを申し上げましたけれども、顛末であり、このまま工事が進んでいれば何も問題なく小学校は建設されていたはずですね。いかがですか?」

佐川氏「当時、最初、その学校に使用するのを28年3月末までにというのを、一度延長しまして29年の3月までということになっておりまして、そういう意味では、29年の3月末、29年4月の開校に向けて準備を進めていたというふうに認識してございます」

石田議員「ところが平成28年3月、新たなゴミが発見されたことで第2ステージが始まったということになるわけであります。

 これに関しては、この売り払い決議書でございます。少し重要なので、読ませていただきたいと思います。

 本件売り払いに至る経緯について。

 1番。大阪航空局が行った事前調査により、本地には土壌汚染およびコンクリートがら等の地下埋設物の存在が判明しており、国はこれらの状況を学園側に説明し、関係資料を交付した上で貸し付け契約および売買予約契約を締結している。赤字のところですね、学園が校舎建設工事に着手したところ、平成28年3月に、国が事前に学園に交付した資料では想定し得ないレベルの生活ゴミ等の地下埋設物が発見された。

 2番目。学園の代理人弁護士からは、本地は小学校を運営するという目的を達成できない土地であるとして、小学校建設の工期が遅延しないよう国による即座のゴミ撤去が要請されたが、大阪航空局は予算が確保できていない等の理由から、即座の対応は困難である旨を学園に回答した。

 3番。これを受けて学園の代理人弁護士から、本来は国に対して損害賠償請求を行うべきものと考えているが、現実的な問題解決策として、早期の土地買い受けによる処理案が提案された。具体的には、国が本地の現状を踏まえた鑑定評価による売り払い価格を示し、学園は、その価格が納得できれば本地に関する今後の損害賠償等を行わないとする条件で売買契約を締結するという提案であった。

 4番目。学園の提案に応じなかった場合、損害賠償に発展するとともに小学校建設の中止によるさらなる問題発生の可能性もあることを含めて、当局および大阪航空局にて処理方針を検討した結果、学園の提案に応じて鑑定評価を行い、価格提示を行うこととしたものである。なお、国と学園が締結している定期借地契約は、学園は借地期間内のいつでも本件土地を国から買い受けることができると想定している。

 このように売り払い決議書の中にあるわけでございます。

 すなわち、10年間の貸し付け後売り払うというものが、一転して売り払いに大転換が行われたのがこの時期であったわけであります。それでよろしいですね?」

佐川氏「委員が今読まれた文書については答弁を差し控えますが、事実関係としては、まさに、28年3月11日に新たなゴミが出てきて、この状態では1年後の開校が危ぶまれるということでございまして、本来なら国がそのゴミを除去して先方に売るという手もあったんでございますけれども、それでは入札等時間がかかって間に合わないということで、先方がもうそのまま撤去費用を控除した値段で買い受けるという、そういう経緯でございました」

籠池夫妻から激しく糾弾され、損害賠償請求を恐れた近畿財務局と大阪航空局は土地の早期売却で抜本的解決を図った!?

石田議員「これは、森友側が損害賠償請求も辞さない姿勢を見せる一方で、近畿財務局と大阪航空局は、損害賠償請求と学校建設中止によるさらなる問題の発生を懸念したことで、早期に売却による抜本的解決を図ったものと思われますが、それでよろしいですか?」

佐川氏「昨年も答弁申し上げましたが、損害賠償請求のところは当局側もずいぶん意識をしておりまして、そのために、先方に除去費用を控除して売るにあたっては、今後一切国が瑕疵担保責任を負わないという免除特約条項をつけるということも含めまして、当時の売り払いの契約を結んだしだいでございます」

石田議員「そしてこの間に、実は、昨年の毎日新聞のコラム『風知草』で指摘されているようなことがあったようでございます。

 見ていただきたいんですが、平成28年3月16日の、籠池夫妻が業者や財務局職員らと話し合った音声データ、それによりますと、交渉全編を貫く主題は籠池夫妻による財務局の糾弾であり、前理事長は業者の記録、このパネルでございますけれども、これは昨春、鴻池参議院議員事務所から出たものでありまして、籠池前理事長は業者の記録を読み上げ、ゴミの不法投棄に加担した財務局の民事上、刑事上の責任を厳しく追及したとあります。

 このようなこともあり、交渉を境に急転をいたしまして、3ヵ月後に払い下げられました。

 佐川さんは、この状況の変化について、どう認識されていますか?」

佐川氏「まず、籠池理事長夫妻が財務省に来たというのは事実でございまして、そこで私どもの審理室長が対応したと。その結果どうだという報告を室長に、当時の国会のご議論もあって求めまして、そこについては、もうとにかく、この新しいゴミが出てきて、学校建設間に合わないではないか、何とか早く対応してほしいと強く言われて、室長の方から、とにかく現場、近畿財務局と大阪航空局できちんと対応するように言うということを申し上げたと。

 ただ、それ以外の、その音声データの話については相当先方のご夫妻からいろいろ言われて、ちょっとどういうふうに言われたかもよくわからないということでしたというのが、室長の私に対する報告でございました。

 いずれにしても、早い対応ということで、財務局側と航空局で一生懸命やったということだと思います」

「ゴミの撤去費用について私に専門的知識はない」と佐川氏。大阪航空局が工事積算基準を用いて算定したはず、と主張

石田議員「この森友問題で、当初から、国有地が8億円も安く売却されたことについての国民の疑念があるということであります。それはまさしく、一転、売り払いに転じてからの協議の中で決定されていったものであって、経緯から見てみますと、よく総理夫人とか政治家の関与があったのではないかという疑念があるわけですけれども、佐川さんはどう認識されていますか?」

佐川氏「これは、そういう、3月にまさに新たなゴミが出てきて、まさに国の方の瑕疵でございますので、なんとか対応しなくちゃいけないということで、まず最初に大阪航空局において専門的知見をもってゴミの撤去費用を算定したわけでございます。その後に不動産鑑定にかけて更地の価格を出したということでございまして、その結果として、9.6億という不動産鑑定から大阪航空局が先に出した8.2億を引いた金額が売り払い価格の1.3億であった、こういうことでございます」

石田議員「問題は、このゴミの処理費用、これは適切であったかどうかということになるわけであります。

 ゴミの処理費用の算定について、3月16日付の朝日新聞では、業者が偽の報告書を書かされた、そのように報じられているわけでありますが、同じ記事の中で、その同じ業者さんが、全体のゴミ撤去費として、約9億6000万円と試算しているということも書いているわけであります。

 また、近隣の豊中市の給食センター用地、これも同じような状況の中で豊中市に売り払われたものでありますけれども、この用地は森友学園用地よりも面積が小さいにも関わらず、今言われております埋設物の撤去費用は14億6000万円、そのように言われているわけでございます。

 いずれにしても、算定方法は違いますけれども、この大阪航空局がらみの一連の土地のゴミ処理費用というのはこの程度の巨額の費用を必要としたのも事実ではないかと思いますが、佐川さんのご見解をお聞かせいただきたいと思います」

佐川氏「ゴミの撤去費用の積算に関しましては、私としては専門的知識がございませんので、そこは、大阪航空局が工事積算基準といったようなものを用いてきちんと算定したというふうに私は理解しております」

「籠池さんはタフ・ネゴシエーター。現場は苦労した」――その苦労を記載した公文書を、なぜ改竄? 石田議員は追求せず!

石田議員「さて、以上のように見てまいりますと、この新しいゴミが出てからの交渉、そういう中で、まず、総理夫人や政治家の関与はなかったということであります。

 それでは、どういうことだったのかということを考えますと、小学校建設という公共性のため、そして国有財産の早期売却のために、籠池さんという、ずっと経過を見てみますとほんとうにタフ・ネゴシエーターだというふうに思いますけれども、この方を相手にして、新たなゴミがというような想定外の課題に直面しながら、現場では、ミスもありながら、本当に苦労されたこともよくわかるわけであります。

 ただしかし、そうであるならば、なぜ決裁文書のこれまでの経緯や売り払いに至る経緯について、ほとんどの部分を削除したのか、理解に苦しみます。

 これは答弁をお願いしても答えていただけないかもわかりませんが、何か思うことがあったらおっしゃっていただきたいと思います」

佐川氏「たいへん恐縮ですが、最後の部分は、委員のおっしゃる通りで答弁は差し控えさせていただきますが、最初の部分につきましては、ご理解賜りたいと思うのは、国有財産部局にとっては、やはり国有財産の有効利用、その中でも国有地を売却していくというのは大きな仕事でございまして、本件のような土壌汚染とか廃棄物が入っているようなものを公共用の小学校として売るというのはたいへん難しい案件だったろうというふうに思います。

 そういう中で、さまざまなことが起きる中で、そういう担当の職員の方はたいへん工夫をし、苦労をしながらぎりぎりの対応をしていたということが私の理解でありますので、そこについてはぜひご理解を賜りたいというふうに思っております」

石田議員「最後の売り払いに関わる経緯についても今見てきたわけでありますけれども、これを含めて、この森友問題、一刻も早く事実が明らかになって、この国会で前向きな議論ができるような、そういう状況にしていただきたい。そのためには、佐川さんにもしっかり対応していただきたいなというふうに思います。

 それで、先ほど申し上げましたように、これにはもう一面、この問題にはありまして、書き換え問題にはあって、書き換えそのものですね、書き換えそのもの、やはりこれは、先ほども申し上げましたけれども、ほんとうに言語道断ということになるわけでありまして、これは東芝の問題もありましたし、あるいはデータ改竄等々もありました。ほんとうに今、倫理的な退廃ではないか、やはり職業意識、職業倫理、職業規範、そういうものについて、もう一度われわれ、日本国全体で厳しく律していかなければいけない、そういう時を迎えているのではないか、そういうふうに思います」

公文書を書き換えさせられ自殺した職員の遺書についてノーコメントの佐川氏。公明・竹内譲議員は「申し訳ないのひと言もないのか?」

質問者:公明党・竹内譲議員

公明党・竹内譲議員「当時の職員の一部で行われた文書書き換え。その最高責任者は当時の佐川理財局長。責任を認識しているか?」

佐川氏「当時の局長としてたいへん申し訳ないが、『関与』についての答弁は、刑事訴追を受ける恐れがあるため差し控える」

竹内議員「自殺した職員の遺書についての報道は承知しているか?」

佐川氏「最近報道をきちんとフォローしていないので、知らないというのが正確なところ。書き換えの問題については、答弁を差し控える。一連の経緯についても答弁できない」

▲公明党・竹内譲 衆議院議員(衆議院インターネット審議中継より)

竹内議員「財務省に対して第三者からの、政治家からの、働きかけや相談などはなかったということでよいか?」

佐川氏「個別案件に対応できるのは理財局だけ。そういったことがあれば、当時の局長である自分が関知していたはずだが、それはなかった」

竹内議員「文書を書き換えさせられたという、遺書の文言。NHKで報道された。これは事実か?」

佐川氏「亡くなられたことはたいへん遺憾だが、遺書の内容についてコメントはできない」

竹内議員「申し訳ないのひと言もないのか?」

佐川氏「私は事実関係は承知しないのでございますが、もし仮にそういうことであれば、それは理財局として、こういう決裁文書の書換えをしたということでありますれば、それは本当に申し訳ないことだというふうに思います」

竹内議員「あなたは、書換え前の決裁文書は見たことはありますか?」

佐川氏「文書を見たのか見なかったのか、いつ見たのかなどに関しては、刑事訴追を受ける恐れもございますので、御答弁を控えさせていただきたいというふうに思います」

「あなたは書き換え前の決裁文書を見て自分の答弁との違いに驚き、部下に怒りをぶつけたのでは?」と問われ、「答弁を控える」を連発

竹内議員「これは私の推測なんですが、あなたはどこかで書き換え前の決裁文書をごらんになったと思うんですね。そして、おそらく、自分との答弁との違いに驚いて、大変部下との間でもめたんじゃないかというふうに思うですよ。そして、部下に、責任を誰がとるんだとか、あるいは、責任をとれと言わんばかりの怒りを激しくぶつけたのではないか?」

佐川氏「そこについてちょっと答弁は差し控えさせていただきます」

竹内議員「控えるとういことは、機微に触れる部分だろう思うんですね。現場を知らなければ指示ができないということで、私は、現場のことを一番よく知っているあなたの部下たちが佐川局長を忖度したのではないか。それが今回の書換えにつながり、それを黙認していったのではないか?」

佐川氏「先ほどからの委員のご指摘は、私が書換えが行われた決裁文書にどう関与してきたかという話題そのもの。まさにそれは刑事訴追のおそれがある話でございますので、答弁を控えさせていただきいというふうに思います」

竹内議員「その時の担当局長でありますから、国会にどういう文書を出すか、まったく知らないで出すということはあり得ない。少なくとも、書換え後のものは見ていたのは間違いないというのは、合理的推測だと思う。

 そして、現太田理財局長が、職員から聴取した結果として、2月下旬から4月にかけて、2月から3月までの国会答弁が誤解を受けないようにということで、佐川局長が(決裁文書の書換えを)やらざるをえなかった、関与の度外が大きかったと答弁されています。

事実は、佐川証人の国会答弁が先であって、それが誤解を受けないように決裁文書を書換えていったということでしょうか?」

佐川氏「現職の理財局長はそういう答弁をしていることは承知をしてございますが、財務省の答弁についてはコメントをする立場ではございません」

竹内議員「否定をされていないということはでありますので、おおむね正しいんだろうというふうに推測されるわけですね。

 さて、証人は、昨年3月2日の参議院予算員会等で、政治家の事務所を含めて外部からの問い合わせは多数あるが、個別の記録は残されていない旨の答弁をされている。書換え前の決裁文書は、明らかに昭恵夫人を含めて10人もの政治家の名前が書かれていた。明らかに事実と異なる答弁をしたことは認めるか?」

佐川氏「私は昨年の答弁で、個別の記録が残っておりませんので、どういう問い合わせがあったのかということについては承知しておりませんと答弁をしたのは間違いございません。

 それで、今委員がご指摘のように、書換え前の文書の経緯にそういうことが書かれているというのは、今回財務省が提出しましたところに書かれておるとういことでございます。

 そうしますと、それは、私がその書類の書換えが行われた決裁文書について、いつ認識したかという問題そのものでございますので、そういう意味で、今私が刑事訴追の可能性がございますので、その点についても答弁を控えさせていただきたいというふうに思います」

竹内議員「昨年2月17日の衆議院予算委員会で安倍総理は、『私や妻が、もし関わっていたとすれば総理大臣をやめる』という発言がありました。この発言があったから『書き換え』を決断したのでしょうか?」

佐川氏「私もこの予算委員会の場におりましたので聞いておりましたが、(この発言が)私の『答弁』には影響しておりません」

竹内議員「本件の土地の売払いに当たりまして、近畿財務局と大阪航空局が森友学園に『特段の配慮』をして、売却価格が約1億3千4百万となるように調整をしたというような認識はありますか?」

佐川氏「まず最初に、大阪航空局が専門的な知見に基づいてごみの、廃棄物の撤去費用を算定して、その後で、不動産の鑑定にかけて更地の価格を出して、その結果として1.3億円ということでございましたので、それは不動産鑑定価格の結果として売却価格も決まるというふうに思っております」

竹内議員「これは非常に闇の中なんです。書き換えは理財局でやったということなので、当然、最大の責任者は佐川局長、それは認めますね?」

佐川氏「理財局長でありましたので、私の責任でございます」

竹内議員「今回の書換えに、複数の職員の方々や部下の方々がかかわっておられる。そういう意味で、部下たちへ何かメッセージはありますか?」

佐川氏「決裁文書の書換えに問題の有無等にまさにかかわる話でございますので、その点も答弁を差し控えさせていただきたいと思います」

竹内議員「あなたが最大の責任者と認めた。理財局の長としてやはり部下に迷惑をかけたんじゃないか、その関与の仕方はわかりませんけれども、大変迷惑をかけた、申し訳ないというぐらいのひと言はないんですか?」

佐川氏「書換え問題そのものについては、もうまさに理財局長としての責任でございますので、その点、理財局長として申し訳ないと思っております」

竹内議員「近財に対してもきちっとした言葉をいただきたいと思いますが、いかがですか?」

佐川氏「今回の書き換えにつきましては、理財局の当時の責任者として本当に申し訳ないというふうに思っております」

「関わっていたら総理をやめる」という安倍総理発言の影響はゼロ!? 「上司がああいう発言をしたら組織は震撼するはずだが」と立憲民主・逢坂誠二議員

質問者:立憲民主党・逢坂誠二議員

立憲民主党・逢坂誠二議員「まず、去年の2月17日、総理が、かかわっていたら総理も議員もやめるという答弁をした、その前後で佐川さんの答弁は変化がないというふうにおっしゃいました。

 答弁は変化がなかったかもしれませんが、財務省内で、あるいはたとえば官邸との間で、その発言を契機にして、特別に何らかの対応、対策を話し合ったことはございませんか?」

佐川氏「私が当時理財局長としてここで答弁をし、いろいろ答弁の資料を読み、現場の職員が一生懸命そういうことをしていたという中で、何か、その総理のご発言をもとに何かいろいろ協議をしたとか、そういうことはございませんでした」

逢坂議員「通常、上司がああいう発言をするとですね、組織内はそうとう震撼をするというか、ものだとは思うんですが、特段のことはなかったということですね。はい、了解いたしました。

 それでは次に、退職されてから官邸の関係者とお会いになったことはございますでしょうか?たとえば、総理、官房長官、あるいは官房副長官、あるいは総理補佐官、あるいはそれらの秘書の方々、あるいは官邸の職員の方々とお会いになったことはありますでしょうか?」

佐川氏「3月の9日に退職をいたしまして、それ以来、そういう方々とは会っておりません」

逢坂議員「午前中の参議院でも出ておりましたけれども、総理秘書官の今井さんとお会いになったのは、最後はいつでしょうか?」

佐川氏「大変申し訳ありません。記憶がすごく遠いのですが、私が理財局長のときに、なってすぐの頃ぐらいだったと思いますが、経済対策で官邸にご説明に上がったことがございまして、そのときにお部屋にいらっしゃったということだと思います。」

逢坂議員「これも午前中の質疑でしたけれども、今回の森友の案件に関して官邸から指示を受けたとかさまざまな指摘を受けたとか、そういうようなことはないというような答弁だったかと思うんですが、それでよろしいでしょうか?」

佐川氏「官邸から森友のこの決裁文書の話についてですね、私に話があったことはございません。

 それから、もし仮に当の理財局内にそういう話があれば、私のところにその報告は上がるだろうというふうに思っておりますので、それもございませんでした」

逢坂議員「決裁文書ではなく、取引、貸し付け、売買、値引き、あるいは分割、さまざまなことについて、官邸から何らかの指示、示唆、そういうものはございませんでしたか?」

佐川氏「貸し付け、売却等が行われましたのは私が理財局長になる前の話でございまして、そこについて、私はおりませんでした。

 昨年、理財局長になって半年以上経って、2月からこの問題になって、そういう中で局内でいろいろ聞く中では、そういうことはございませんでした」

逢坂議員「確かに、佐川さんの前の迫田さんの時代にさまざまな案件が行われているわけですから、佐川さん自身がすべてについて官邸からの指示がなかったと言い切るのは、私は少し無理があるんだろうというふうに思っていますが、ただですね、昨日ですね、参議院の予算委員会で菅官房長官がこんな答弁をしているんですね。

 24日の少し前だったと思いますけれどもって、これは、24日というのは、去年の2月の24日のことであります。私自身、財務省理財局長、国交省航空局長、この両局から土地の売却の経緯について説明を受けましたというふうに言っているわけです。

 その後また答弁は続くんですけれども、こうやって官邸に説明に行っていることはある、これは事実だというふうには思いますが、加えて、そのときに何らの指示も、何らのサジェスチョンもないということなんですか?」

佐川氏「今おっしゃるとおりで、日付をちょっと覚えていないんですけど、この議論が国会で始まった割合早い段階だったと思いますが、官房長官のところに、私ども理財局とそれから国土交通省の航空局で経緯についてご説明に上がって、こういう、このいつごろ取得要望とか、いつまでの貸付契約とか、そういうような経緯を私どもからして、国土交通省はたしかその工事の話だったような気がしますけれども、そんなお話をして、それを官房長官はお聞きになっていたということだったと思います、そのときは」

逢坂議員「それでは、そのときには何らかの指示はなかったということでよろしいでしょうか?」

佐川氏「指示はございませんでした」

「佐川さん、国会でこう答弁してくれ、そうしたら今後の人生、何か保障しますよ、ということはなかった?」「ございません」

逢坂議員「実は私、佐川さん、知らない仲ではないので、今回理財局長になられて、理財局長になる前と、なって今、多分、人生設計も大きく変わられたんだろうというふうに思わざるを得ません。

 それで、その中でですね、たとえばですよ、今回のこの証人喚問を受けるにあたって、さまざまな答弁をすると。この答弁の内容について、佐川さん、こういう答弁をしてくれとか、こういう方向で答弁をしてくれといったような、何らかの、ある種、佐川さんの意と違う、あるいは、自分もそういう答弁をしようと思っていたけれども、そういう答弁をしたら今後の人生、何らか保障しますよとか、仕事を世話しますよとか、そういうようなことというのはまったくなかったというふうに言ってよいですか?」

佐川氏「そういうことはございませんし、そういう意味では、今回、あの実は証人に出るのに、やや、あの資料も、こういう状態でございますので、そういう意味では、今後ろにいらっしゃる補佐人の方といろいろお話をしてきております」

▲立憲民主党・逢坂誠二 衆議院議員(衆議院インターネット審議中継より)

逢坂議員「今日のこの参考人の答弁にあたって、事前に与党の皆さんと何らかの形で、たとえば直接でもいい、間接でもいい、何らかの形で、今日の答弁の内容のすり合わせ、情報交換、こういうことはございましたか?」

佐川氏「私がこの証人喚問に立って直接お話をしているのは、今後ろにいらっしゃる補佐人の方とは話をしておりますが、私が与党の方とその話をしたということはございません」

逢坂議員「それと次に、今回のこの森友案件に関してですね、これは財務省内で、この森友案件については、総理夫妻が関わる案件であり、安倍事案などと称されていると、こういう言い方をしている職員がいる、こういうことについては承知をしておりますか?」

佐川氏「承知しておりません」

逢坂議員「森友問題は、なぜこんなに大きな問題になったというふうにお考えでしょうか?」

佐川氏「なぜと言われると、即座にはお答えできないんですけれども、私も、何か、昨年2月の上旬の新聞の報道で初めて知ったわけでございまして、そういう意味では、その売却価格が非開示になっているというところからここは始まっているわけでございますが、その翌週からさまざまなご質問を国会でいただきまして、なぜと言われますと、なんというかな、もう本当にそういう国会でのご議論がどんどん大きくなっていって、その中でも必死に走っていたというのが私の実感でございます」

逢坂議員「午前中の答弁の中で、国会を混乱させたのはひとえに私の責任だって、それで改竄についてお詫びをするということでございましたけれども、ただ、この案件は、改竄とそれから丁寧さに欠ける答弁だけが問題ではない、貸し付けや契約や値引きや、あるいは分割にしたといったようなことも問題になっているわけですが、それらの点について、要するに、文書の改竄と丁寧さを欠く答弁以外には不適切なところはなかったという理解でしょうか?」

佐川氏「さまざまなご指摘を昨年受けまして、実は、先ほどちょっと石田委員にも少しお答えを申し上げたんですけれども、やはりこの案件は、国有財産の政策として、国有財産をちゃんと売っていこうという政策の中で、現場の職員が行う案件としてはたいへん難しい案件だった。

 そういう中で、たとえば売買予約契約をつけて貸付契約を結ぶとか、それこそ本当に、普通に売るというよりも、相当難しい案件。でも、現場の職員は、ちゃんと国有財産を売っていこうという思いの中で、さまざまな、その途中いろいろ工夫をしなくちゃいけないというところに、何か便宜を図ったのではないかといったようなご質問を受けたというのが私は実態だったんじゃないかなと当時思って答弁しておりました」

前任の迫田理財局長から引き継ぎなし!「それなのに証人喚問されて、理不尽だと思わないか。あなたは被害者では?」

逢坂議員「お詫びの言葉を何度も述べておられますけれども、貸し付け、売買、その一連のプロセスについては、お詫びをするような事態はないという理解でよろしいでしょうか?」

佐川氏「個別個別、いろいろその、ご指摘、ご批判はあるだろうと思いますけれども、私自身は、貸し付け、2回、不動産鑑定にかけておりますけれども、それも最後は不動産鑑定士の判断ですし、売却契約も、その、ゴミの撤去費用のご議論あるのは承知しておりますけれども、それでもやはり、不動産鑑定士のやった価格と、われわれが大阪航空局にお願いした価格の引き算で撤去費用を控除した価格であったという意味では、私はそこは、貸し付けも売却契約も適正に行われたと今でも考えております」

逢坂議員「適正に取引が行われているのに、なぜ文書を改竄するのか、適正に取引が行われているのに、なぜ丁寧さに欠く答弁をせざるを得なかったのか、これが問題の核心だというふうに思うんですが、今回の案件は、これ、迫田理財局長から引き継ぎを受けるわけですね、そういうことですよね。前任は迫田さんと言うことでよろしいですよね?

 迫田さんとは、いつ、どこで、この引き継ぎというのを受けているんでしょうか?」

佐川氏「本件につきましては、迫田からは一切引き継ぎを受けておりません」

逢坂議員「これについては、迫田さんから直接の引き継ぎは受けていないと。午前中の答弁には勉強という言葉がありましたけれども、本事案については、それでは、この昨年の2月あたりから事案がこう大きくなった段階で勉強させてもらったということでしょうか?」

佐川氏「たいへん申し訳ありません、勉強という言葉が適切でなかったかもしれませんが、森友学園というものがあって、こういう取引が行われていたということを私が知ったのは、あの2月の売却価格の非開示の報道が初めてでございました」

逢坂議員「この本事案は、佐川さんの理財局長に就任したときにはおおむね完結をしているというか、すべてではありませんけれども、迫田さんの時代に行われた案件なわけですよね。であるにもかかわらず、事案の本当の当事者でないにもかかわらずですね、こうして証人喚問を受けるということについて、理不尽だというふうに思うことはないですか?」

佐川氏「私どもは、公務員であったときには、そこにつけばその職責を果たすというのが私どもの本分だというふうに思っておりました。

 したがいまして、それは、起きたことは前任の時代だったり前々任の時代だったりするかもしれませんが、そのときに、国有財産の担当部局の局長として、国会でご議論あれば、それは私の仕事として、一生懸命局内から話を聞き、資料を読んだりしてご答弁を申し上げるというのが私の仕事でありますし、その当時にこういう決裁文書の書き換えが起こったということでありますれば、それは私の責任だというふうに思います」

逢坂議員「私は、佐川さんは被害者のような気がしてならないんですけれども。だって、事案発生そのものは自分のときじゃないんですよ。そして、そのことについて自分は直接引き継ぎを受けていない。そして後になって書類を見て、あるいはそれに携わった職員から話を聞いて、それにもとづいて答弁をしている。そして、それが原因になって、今こうして証人喚問という立場になっているわけですよ。

 これで理不尽だと思わないというのはなぜですか?」

佐川氏「それは、そのとき理財局長であって、国有財産の答弁を求められれば、それは自分の仕事だと思っておりました。そういうときに、こういう書き換えのようなことが起きたということであれば、それはやはり私の重い責任だというふうに思います」

文書改竄や丁寧さに欠ける答弁をしたのは「理財局内が混乱していたから」――その混乱の原因は何か?

逢坂議員「だから、問題はそこなんですよ。事案が適切に行われていたというふうに認識をしているにも関わらず、改竄や丁寧さに欠く答弁を繰り返さざるを得なかった。その理由は何なんだというところなんですね。それはお答えいただけますか?」

佐川氏「最初の方の、なぜ書き換えが行われたかということについては、先ほど来、たいへん恐縮でございますが、お答えを差し控えさせていただきますが、後段の、丁寧さを欠いた答弁の方は、やはりそれは私の至らなさでありまして、いくら忙しいとかいうのを、何か言い訳がましいことを言っても、それはやはりきちんと丁寧に対応すべきであったというふうに思います」

逢坂議員「その丁寧さを欠く答弁について、午前中の答弁の中で、交渉記録に関する答弁に関し、今になって思えば丁寧さを欠いた旨の答弁をした、そしてその理由として、局内が混乱していたといったような趣旨の発言をされたんですが、局内はなぜ混乱していたんですか?」

佐川氏「ものすごく、毎年、国会答弁がたくさん当たる部局というのも霞が関にはございます。あまり、そういう意味では、国有財産の部局は、個別案件の話も多うございますし、もちろん政策の話もございますけれども、そんなに毎年たくさんの国会でのご質問をいただく部局ではないわけでございまして、そういう中で、毎日、月曜から金曜まで、毎週、何十問も先生方からご答弁の通告をいただき、資料のご要求もいただき、それから外部からも情報開示請求をいただき、それでいろいろなチェックをしなくてはいけないという中で、理財局、人数多うございますが、それはやはり国有財産の担当部局でしかもちろん仕事はできないわけでございまして、そういう意味では、大変な状況であったというのは事実でございます」

逢坂議員「あらためて訊きますが、予算委員会の最中というのは基本的に財務省は忙しい、これはたぶんどこのセクションも忙しいんだろうと思うんですが、本件に関してだけ、なぜ特に理財局は忙しい、混乱をする、混乱という言葉を使われていたかと思うんですけれども、混乱という事態になったんでしょうか?」

佐川氏「たいへん申し訳ありません。ちょっと、午前中も含めて、言葉の使い方が適切でないということかもしれません。お詫び申し上げます。

 とにかく大変忙しかった。それから、予算委員会の間は、確かに委員がおっしゃるように、どこも忙しいというのはそういうことでございますが、でもそれは、基本は、予算委員会でございますので、予算に関すること、あるいはその時々のテーマになることがありますので、そういうときに忙しくなりますけれども、今申しましたように、毎年、予算委員会で国有財産関係の質問がたくさんあるということではございませんので、そういう意味では、やはり昨年は、ある種、例年にない状況であったということだろうと思います」

「公文書に安倍昭恵さんの名前、どう思ったか」「刑事訴追の恐れがある。ご容赦を」「見たか見なかったかも言えないなんて!」と白熱の追及

逢坂議員「それでは、ちょっと話題を変えますが、補佐人、今回就かれておりますけれども、この補佐人の方は、今回のこの事案をお願いするにあたって、与党関係者や政府関係者との接触というのはありますでしょうか?」

佐川氏「補佐人につきましては、これも、私が個人的にお願いしている話でございますので、そこについてはちょっと答弁は差し控えさせていただきたいと思います」

逢坂議員「それでは、与党、政府関係者との接触は否定されないということに受けとめられるんですけれども、それでよろしいでしょうか?」

佐川氏「補佐人の助言を求めたいと思います」

〔速記中止〕

佐川氏「すみません、今のご質問ですけれども、『うちの補佐人が政府関係者とか与党の関係者との接触はあったか』と。ないということでございます」

逢坂議員「はい、了解いたしました。それでは、公文書の中で安倍昭恵さんの名前を見たときに、どのような印象を受けましたか?」

佐川氏「公文書と申しますのは、今議論が行われている決裁文書の話でございましょうか。たいへん恐縮でございますが、その決裁文書を私がいつ見たか、認識したかということに関わりますので、そこについてはぜひ、刑事訴追の恐れがありますので、ご容赦いただきたいと思います」

逢坂議員「今の話は、なかなか理解されないと思います。改竄に関わったと言っていて、安倍昭恵さんの名前が落ちているわけです。改竄に関わった方が安倍昭恵さんの名前を見たか見なかったかも言えないというのは、私は、それは合理性がない。

 私は、いつ見たかと訊いているんじゃないんです。見たときにどう思ったか、それを訊いただけなんですけれども、なぜ答えられないんですか?」

佐川氏「見たか見なかったかということも含めまして、それは、その書き換えが行われました決裁文書にどういうふうに関わったかになると思いますので、見たか見なかったかも含めて、そこは私の、捜査の範囲に入っているというふうに思います」

逢坂議員「改竄に携わったといってお詫びをしている、改竄に携わっている人が、改竄の核心部分、個人の名前のところ、見たか見なかったかも言えないなんて、それじゃ、改竄に携わっていないかもしれないじゃないですか」

佐川氏「今委員のおっしゃった、携わったか携わっていないかという意味は、書き換えに関与したかどうかということでございますので、それはまさに、その関与の有無等も含めまして私が捜査の対象になっているということでございますので、そういう意味で、私は答弁を、捜査の対象になっているということを申し上げているわけでございます」

逢坂議員「時間が残り少なくなりましたので。総理や昭恵夫人がこの問題に関わっていなかったということで午前の質疑で断言をしておりますけれども、その理由として、価格について不動産鑑定にかけたからだ、そういう理由で関わっていないと言っておられましたが、不動産鑑定というのは、鑑定に出すときにさまざまな条件があります。条件を付与するのは、不動産鑑定を依頼する方です。その条件に関してもまったく影響がなかったとうふうに断言できるんでしょうか?」

佐川氏「去年の答弁にあたりまして、局内でいろいろ、もちろん職員から話を聞いたうえで答弁を申し上げておりますが、そういう局内からの報告にも、そういうお話はなかったということでございます」

逢坂議員「価格については、それでは仮に、関わっていなかった、影響がなかったとしても、分割払いにするとか、ゴミをどう算定するとか、ゴミの価格をどうするかとか、さまざまな要素が今回のことにはあります。それらのことについても関わっていないとなぜ断言できるんでしょうか?」

佐川氏「たとえば、今のゴミの算定でありますれば、当時、大阪航空局と近畿財務局のやりとりといったものも昨年聞いております。それから、さまざまなことについて、今委員がおっしゃったようなことも、局内で、答弁するにあたっては、その事実関係を局内の職員から聞いた上で答弁をしておりますが、そういう中で、総理とか総理夫人の話はなかったということでございます」

逢坂議員「今回の案件は、もう先ほど竹内委員からも話が出ましたけれども、職員が自殺をする。それからさらに、これは私の仄聞するところでは、この事案に絡んで民間の方も何か命を落とされた方がいるように、これは私は確認はとれておりませんけれども、そういう情報もあるようでございます。

 これは、単に公文書の書き換えといったようなことだけですまされる問題では私はないと思う。だからこそ、本当のことを言っていただいて、何に問題があったのか、そして、自分で答えられないところについては、この人に聞いてくれということぐらいを言わないと、この案件は、私は解決しないと思っていますが、最後にいかがですか?」

佐川氏「証人としてお答えできることはお答えをしているつもりでございます。ただ、私のまさにこの捜査の身分に関わる話についてご答弁を控えさせていただくということでございますので、ご理解を賜りたいと思います」

「安倍総理と夫人についてだけ、影響はないと断言。他のことは沈黙。ダブルスタンダードでは?」と希望・今井雅人議員が指摘!

質問者:希望の党・今井雅人議員

希望の党・今井雅人議員「証人は、事前に与党とは打ち合わせはしていないということですけれども、政府あるいは官邸の人たちとも今回は打ち合わせはしていないということでよろしいでしょうか?」

佐川氏「私は、今回、今後ろにいらっしゃる補佐人だけやりとりをしておりますが」

今井議員「総理あるいは総理夫人の直接の指示があったか、あるいは影響があったかということに対して『まったくなかった』とおっしゃっていますが、これは改竄の原因や経緯に関わることです。なぜ、この部分だけは話して、ほかの部分は訴追のおそれがあるから答えられませんって、このダブルスタンダードは一体どういう意味なんですか?」

佐川氏「理財局の中で行われた行為が、今捜査の対象になっているということを申し上げていて、理財局長として何か大臣等から支持を受けたこていないかということと、今まさに捜査の対象となっている理財局の中についてのお答えはする話というのは、これはまさに操作に関わる話であるということであります。」

今井議員「直接指示がなかったとしましょう。だとしても、夫人のいろんな関わりで忖度して、あるいは間接的な影響でこの改竄をした可能性というのは否定できないじゃないですか。なぜ影響すらなかったということが断言できるんですか?」

佐川氏「忖度とかいうお話は、まさに個々の内面の問題のお話ですので、私が何かここで特定のことを言うことはできませんけれども、昨年の一連の答弁の中で、その貸付や売却に係る中で総理とか総理夫人の話はなかったということを申し上げています」

▲希望の党・今井雅人 衆議院議員(衆議院インターネット審議中継より)

今井議員「ゴミについて虚偽の報告書を作ったというふうに証言があることはご存知ですね?」

佐川氏「そういう報道があることは承知しております」

今井議員「これが本当だとすれば、今おっしゃっていることはすべて崩れるんです。そういうことを含めて、今ここで影響がないと言い切るのはおかしいでそう」

佐川氏「今委員がおっしゃるように虚偽だったかどうかというのは、私は存じませんけれども、私は当時の大阪航空局の清算が正しかったというふうに思っていいたということでございます」

「私や妻が関係していたらやめる」という発言は安倍総理のアドリブ。「総理は政治的な思いで発言したのだろう」と佐川氏

今井議員「この森友学園関連で、安倍昭恵夫人が名誉校長になっていると何らかのかかわりあいがあるというふうに最初に認識したのはいつですか?」

佐川氏「売却価格が非開示だという新聞報道のときに、たしか名誉校長は総理夫人だというふうに書いてあったと思います」

今井議員「当時、田村さん(室長)は、谷さんが安倍総理夫人の秘書だとわかって電話で対応した、とういことでよろしいですねか?」

佐川氏「総理夫人付だということを知っていたのではないか、というふうに私は思います」

今井議員「個別に谷さんと田村さんがどういうやり取りをしていたか、承知していないというふうにおっしゃられていて、それで、なぜ田村さんにかかわることで夫人のことが全然影響していないということがわかるんですか?」

佐川氏「実際その場にいたのではなく、報告を聞いております」

今井議員「その取引関わったいろんな職員の全員にヒヤリングされましたか、安倍昭恵夫人ということを意識していたかどうか、とういことを?」

佐川氏「しておりません」

今井議員「なんでヒヤリングもしていないのに、安倍昭恵夫人が影響していないと、なぜ言い切れるんですか?」

佐川氏「役所の組織でございますので、局長として、やはり報告を受ける人を信じる。私に報告を上げてくる人たちの中にはそういうような話もなかったということでありますので、そういうふうに申し上げておるわけでございます」

今井議員「職員を信じているということで、影響があったかどうか確認していないということを今はっきりおっしゃいましたので、ここは大事な答弁だと思います。

 2月17日に、理財局のS課長補佐さんが、籠池さんに身を隠してくださいと弁護士を通じて連絡をしたというふうに籠池さんが言っていますが、事実でしょうか?」

佐川氏「私自身、まったくそういうことはしておりません」

今井議員「そのSさんという人に事実関係を確認されましたか?」

佐川氏「私の部下でございますので、確認をしております」

今井議員「2月17日の予算委員会で、うちの福島議員が、森友学園の小学校建設のための国有地売却ということで総理に質問通告をしました。これの答弁は、理財局が書いて総理に渡しているということでいいですか?」

佐川氏「総理答弁の中でも、国交省や文科省もありますし、理財局が書くべき、割り振られた答弁については理財局が書いているんだろうと思います」

今井議員「この時、総理が初めて答弁されている。『私や妻が関係していたらやめる』という話は、当然答弁書にはないわけだと思うんですけれども、そこまでおっしゃるのか、ちょっとびっくりされたりはしなかったですか?」

佐川氏「おっしゃる通りで、それは理財局が作った答弁ではないと思いますが、それを私も席に座って聞いておった時には、ああ、総理は、政治的な思いで、おっしゃっているんだろうなとそのときは感じました」

今井議員「改竄は2月後半から4月にかけてということでよろしいですかね」

佐川氏「そこは、捜査の対象である私からは、刑事訴追のおそれがあるとうことで、お答えを差し控えさせていただきます」

今井議員「証人は、面談記録は破棄したとおっしゃっていますが、今でもそう思っていますか?」

佐川氏「交渉記録の存否については、省内の取り扱い規則に沿って、保存期間1年未満、そして実態はその事案終了時という取扱いでありましたので、そういう取扱いについて述べたということでありまして、そういう意味では、国会対応に丁寧さを欠いたということで、お詫びを申し上げた次第でございます」

「佐川さんは自分一人で責めを負う覚悟なのか? それがあなたの美学でも、国民の理解はとうてい得られない」と無所属・江田憲司議員が説く

質問者:無所属の会・江田憲司議員

無所属の会・江田憲司議員「これまでの佐川さんの証言を聞いておりますと、私には、もうこの問題は自分一人が責めを負っていこうという、何か決意というか覚悟みたいなものが感じられるんですよ。それがあなたの美学かもしれませんが、国民の理解はとうてい得られないということをはっきりまず申し上げたいと思います。

 そして、委員長にお願いをしたいことは、議院証言法の訴追の恐れというのは、高裁の判決が出ていまして、これは、具体的な犯罪の構成要件事実あるいはそれを想定される密接関連事項とありますから、それ以外のことで拒否をされるのなら、ぜひ委員長、差配をよろしくお願い申し上げます。

 そして、佐川さんは、それは証言拒否罪というのもあるということも念頭においてご答弁をください。

 まず、佐川さん、本当に、丸山委員への答弁も、その後も何度も確認されて、この改竄問題については、一切どなたも関わっておりませんという断言なんですよね。しかし、もし仮にあなたがこの改竄問題に関与していないとすれば、そんな断言答弁はできないでしょう。これは、まさにあなたがこの改竄問題に関与しているという自白をしているのと同じじゃありませんか?」

佐川氏「先ほどから申し上げていますが、本件、国有財産売却の個別の案件でございまして、こういう案件は、まさに理財局の中で、そういう現場の話を聞きながら、資料対応なども関係するということでございまして、そういう意味では、他の部局に相談するような話でもありませんし、それから、先ほどから申しましたように、官邸とか大臣とかそういうところから指示があれば、当然私のところに報告も来ますし、あるいは直接であれば私のところにも来るということで、そういうこともございませんでしたと言っております」

江田議員「いやいや、あなたがもし改竄に関与していないとすれば、あなたは部外者なんですよ。こんな改竄というのは、大っぴらにやりませんから、密室でやるんですよ。唯一あなたが関与しているときだけ、いろいろ関与していたけれども、どこからも関与も圧力もありませんでしたといって初めて断言できるじゃないですか。

 だったら、何で、私が知る限り関与はありませんでしたという答弁じゃなくて、すべて見ましたけれども、全部、ございません、ございません、ございませんですよ。何でこんな答弁ができるんですか。あなたが関与している証拠じゃありませんか?」

佐川氏「私は理財局長でございまして、そういう意味で、その外、外というと変ですけれども、そういう、たとえば官邸から入ったときに、局長に情報を上げていなかったら、それはもう、局長が知っていないのかということになりますですよね、私が知らないところで誰か局内の人に指示があったとしたときに局長に報告をしなければ。したがって、そういう官邸なり大臣なりから仮に指示があったとすれば、必ず私のところに報告が上がってくるというふうに思います」

本来なら大臣まで上がるほどの案件なのに「理財局限りでやった、政治家の関与は一切ない」と言い切る断定答弁!

江田議員「いやいや、あなたが改竄に関与していなかったら、秘密にするでしょうか、そんなこと。当り前じゃないですか。だから、これはほんとうに違和感があります、非常に。

 あなたの場合は、断言答弁って多いんです。昨年、政治家の関与は一切ございません、記録は全部廃棄しましたと。普通、私も官僚出身ですけれども、官僚答弁というのは、後々何か起こったことに備えて逃げ道を作るものなんですよ。

 あなたの断言、言い切り答弁というのは、あなたの判断でやられたんですか、それとも答弁資料にそう書いてあったんでしょうか?」

佐川氏「私の答弁がそういう、よくないというお話であれば、たいへん丁寧さを欠いたという意味ではお詫び申し上げますが、不当な働きかけは一切なかったというのは、それは、そういう政治的な圧力というものは、当時局内でも報告を受けて、聞いておりますし、交渉記録については、それは本当に、先ほどからお詫び申し上げておりますけれども、そういう文書管理規則に沿って答弁をしたということでありますので、そういう意味では、ほんとうに答弁そのものが丁寧さを欠いたということであるとうふうに思っております」

▲無所属の会・江田憲司 衆議院議員(衆議院インターネット審議中継より)

江田議員「いや、あなたの判断で政治家の関与は一切ないと答弁したんですね?」

佐川氏「私の判断というか、理財局として、その貸し付けとか売却の経緯は、その記録を見ながらやっているわけでございますので、そういう中で、そういう不当な働きかけというったものはなかったというのを局内からきちんと聞いた上で答弁をしたということでございます」

江田議員「先週金曜日の財金委員会、私も太田局長に聞きましたが、もともとの答弁資料は、政治家からの不当な働きかけはなかった、ただ、政治家を含めて一般的ないろんな問い合わせはあったというものだった。それを最終的には佐川局長が判断してああいう答弁をされたという答弁をいただきました。

 ですから、一切ないと。不当な、不当というのをあえてつけて、不当な介入はない、それから、問い合わせはあったという答弁であれば、その後こういうことが起きていてもかろうじて何か逃げ道があったかもしれない。それをあなたは、むしろ逃げ道を封じてああいう答弁をされたということは、どなたかからそれを、いっさい政治的な関与はないという答弁をすることで責任を逃れようという政治側からの関与があったということじゃないですか」

佐川氏「委員、大変恐縮でございますが、私の昨年の国会での答弁は、不当な働きかけは一切なかったと申しております。ただ、一般的に、国有地の売却ではさまざまな問い合わせがあって、政治家、政治の側からの問合わせも含めてありますという答弁をしております。

 したがいまして、問い合わせそのものについては、さまざまな問い合わせがあるけれども、不当な働きかけは一切なかったという答弁をしておりまして、いまちょっと委員がおっしゃった、一切、何もかもなかったかのようなことは、ちょっと私の記憶では、なかったというふうに考えておりますが」

江田議員「3月の2日に、一切なかったと答弁しているんです。

それから、個別案件だから理財局限り、これは嘘でしょう。これも、官房長に聞きましたが、国会提出資料はすべからく官房長まで上げるというのが金曜日の答弁ですよ。なぜ理財局限りって嘘をつくんですか、あなたは?」

佐川氏「嘘というか、国会に提出するときに、国会担当の部局は官房にございますので、それはもう当然、官房経由で出すとかいう手続き論はあると思いますが、私が申しあげているのは、それはもう実質論でございまして、理財局のあっている国有財産の個別の案件を官房に、こういう中身でどうでしょうかとか、そんなことを相談したり報告したりすることはないという意味で、官房がそこをチェックしたりするということもございませんし、よく委員ご指摘のとおり、官房部局が国会担当をやっているというのは、それはもう事実でございます」

江田議員「いやいや、もう政権を揺るがす大きな問題になっていたわけですから、官房に上がって官房長が見れば、これは次官、大臣まで上がっていくという、そのくらいの案件だったわけですよ。理財局限りでやったというあなたの答弁はまったく信じられないということを申し上げて、私のあれを終わります」

「あなたは昨年の国会で『交渉記録は破棄した』と私に答弁。あれは虚偽だったのか!?」 ~共産・宮本岳志議員の抗議で速記が止まる!

質問者:日本共産党・宮本岳志議員

日本共産党・宮本岳志議員「この森友問題、これは昨年2月15日の私の当院財務金融委員会の質問から始まりました。いわば、この問題は、この質問を端緒にして、私とあなたの間で争われてきたといっても過言ではありません。

 そこで訊くんですが、あなたは昨年2月24日の衆議院予算委員会で、面会などの記録は平成28年6月20日の売買契約締結をもって破棄している、こういう答弁を私に初めてなさいました。この答弁は、虚偽答弁でありましたか」

佐川氏「委員おっしゃるとおり、2月の半ばから委員のご質問で始まったことでございまして、今のお話の、6月20日をもって廃棄をしたという私の答弁は、財務省の、ここで何回か申しました、財務省の文書管理規則の取り扱いをもって答弁したということでございまして、そういう意味ではほんとうに丁寧さを欠いたということでございます。申し訳ありませんでした」

宮本議員「そういう問題ではないんですね。

 あなたは、午前中の証言で、個別の事案についてもきちんと確認をして答弁をしなかったという点で丁寧さを欠いた、こういう答弁をしているんですね。

 しかし、2月24日の私に対する答弁、あなたの答弁は、昨年6月の売買契約の締結に至るまでの財務局と学園側の交渉記録につきまして、委員からのご依頼を受けまして確認しましたところ、近畿財務局と森友学園の交渉記録ということはございませんでしたと。

 このとき、確認をして、なかったと答弁しているので、一般的な規定を答弁しているんじゃないです。これはまったく、どちらかが嘘ですね」

佐川氏「たいへん申し訳ありません。その確認をしたという意味ですけれども、理財局に、本省で文書の取り扱い規則を確認したということで、そういう答弁をしてしまいました。申し訳ありません」

〔宮本議員抗議、速記中止〕

佐川氏「本当に申し訳ありませんでした。文書の取り扱い規則の話をしてございました。すみません」

宮本議員「では、この答弁については虚偽答弁を認めますか?」

佐川氏「それを虚偽というふうにあれですけれども、私自身は、虚偽という認識はそのときはございませんでした」

宮本議員「確認をしてというのが、規定をただただ確認しただけだと。通りませんよ、それは。そして、今日やっている証言は、確認をしていなかったから丁寧さに欠けたと言っているんですよ。これは、午前中の答弁が、まさに証言が偽証であるか、昨年の答弁がまさに虚偽答弁であるか、2つに1つですよ。

 じゃあ、午前中の答弁、撤回してください」

佐川氏「ですから、お詫び申し上げますが、昨年の委員に対する答弁がそういう趣旨の答弁だったということでございます」

宮本議員「まったく納得できません。これは本当に重大なことだし、午前中の証言のまさに信憑性にも関わる問題だと思います。

 先ほどからあなたは、決裁文書について問われたらすべて答えないという態度をとっておられます。しかし、あなたは、書き換えはあったということを、これは事実を認めて、そしてその責任をとっておやめになった。これは認めておられるんですね。

 書き換えの事実があったとあなたが認めているのは、まさに決裁文書に書き換え前のものと書き換え後のものと2つある、これは確認されたということですね」

佐川氏「やめたというのは、長官の話でございましょうか。

 それは、当時、この報道が出て、その週、国会が空転をするような状態になったということも踏まえて、他にいくつかの理由を申し上げましたが、そういう意味で、この決裁文書を提出した当時の理財局長として責任を痛感したというふうに、そのとき心から申し上げました。

 それから、事実を改竄、決裁文書の書き換えがあったかどうかの事実関係というのは、それは、財務省の理財局が国会にきちんと提出をして、明らかにこれは事実関係として間違いなくて、書き換えがあったということでございますので、それは書き換えがあったというのは認識をしてございます」

▲日本共産党・宮本岳志 衆議院議員(衆議院インターネット審議中継より)

宮本議員「つまり、2つの文書については確認をしたんですね」

佐川氏「財務省が12日に提出した、その調査結果は見ました」

宮本議員「だったら、その中身について答えればいいんですよ。何の問題もないじゃないですか。

 時間が来ましたから、これ、全然不十分なんですよ。

 先ほど来あなたは、最終的には不動産鑑定をやったから正当なんだということを繰り返しているんですよね。しかし、昨年11月に提出されたこの会計検査院の報告書では、不動産鑑定価格から8億2000万円を差し引いた、それは鑑定士にとって、他の専門家の調査結果としては使えなかった、まともなものじゃなかったと出ているんですよ。それをもって正当だったということはまったく通らない。

 引き続き、この問題の解明は絶対に必要だということを申し上げて、私の質問を終わります」

「総理が私を外して、下の者と何かしていたことになるかも」!? はぐらかしとお詫びに終始した佐川氏の言葉から真実は見えず

質問者:日本維新の会・丸山穂高議員

日本維新の会・丸山穂高議員「自分では関与していると認めたも同然。それでよいでしょうか?」

佐川氏「総理が私を外して、下の者と何かしていたということになるのかも知れないが、それでも話は、局長である自分に上がってきます」

丸山議員「部下からそういう報告は一切なかったのでしょうか?」

佐川氏「ございませんでした」

▲日本維新の会・丸山穂高 衆議院議員(衆議院インターネット審議中継より)

丸山議員「国民に対してこれで解明できたと、自分では思っているでしょうか?」

佐川氏「今日いろいろな方からお叱りを受けております。解明できていないということなのだと思っております。誰が具体的にどんな指示をしたのかは、明らかになっていません」

丸山議員「このような短時間で事実は明らかにできず、北朝鮮など国外問題もある。ぜひ第三者委員会などの機会を設けてほしい。最後に、国民に対して率直に言いたいことは?」

佐川氏「行政への信頼を損なって、国民の皆様にはたいへん申し訳ないと思っております。お詫び申し上げます」

(了)

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