7月2日(月)朝、東京電力福島第一原発で火災警報が発生し、その現場を確認に行った作業員が倒れているところを発見された。一連の事態を受け、同日午後5時から、東京都千代田区の東京電力本店で東京電力による定例会見が開かれ、IWJはその模様を中継・録画した。
火災警報の発生については、東電によれば「本日午前5時49分、5号機廃棄物処理建屋プリコートポンプ室で火災警報が発生しました。6時9分に双葉消防本部に通報した上で、6時34分に当社社員が現場に行き、その時点では炎・発煙はないと確認しました。双葉消防本部からは、8時40分に火災ではないとのご判断をいただいております」という状況だった。
一方、6号機タービン建屋地下1階ヒータールームで倒れていたのは、東電フュエル所属の50代男性作業員。「自衛消防隊員」として、火災警報の発生現場を確認に行ったものと思われる。
午前8時27分ごろに倒れているところを東京電力の社員が発見し、ただちにER(救急救命室)で医師の診察を受けたところ、緊急の搬送が必要と判断され、午前9時33分、救急車を要請し、病院に搬送。医師により熱中症と診断された。
IWJの渡会裕記者が、火災警報が発生したのが5号機でありながら、作業員が倒れていたのが6号機であることを確認すると、東京電力は「この方は火災警報が発生した5号機から休憩所に向かわれる途中で、その隣の6号機を通られたということだと思います」と説明した。
会見時には、倒れていた作業員の発見からでも、すでに10時間近くがたっていた。人の命にかかわることなのに、安否の確認、搬送、原因の把握、会見での発表まであまりに時間がかかり過ぎではないか。東京電力は、「火災警報が発生した原因は調査中」であると、この時点でまだなお、原因を特定できていなかったが、それよりも何よりも、救急搬送された作業員の容体さえ確認しようとしていなかったことから、記者からは「対応が遅い」との批判が相次いだ。