(前号の続き)
(岩上安身)
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記事目次
関「森鴎外(※230)。これは話すと長くなるんですけれども」
岩上「これはね、びっくりする話ですよ。森鴎外(もり・おうがい)は、なんと津和野出身で」
関「はい。津和野出身で、西周(にし・あまね)の親戚です。西周は、山縣有朋の指令で軍人勅諭を起草するんですけれども、『軍人の命は鳥の羽よりも軽い』と言ったんですよ。だから『天皇のために死になさい』と(※231)」
岩上「それが玉砕にまで行くんですよね」
関「その西周とつながっているんです。玉砕思想を実践して、軍人の命を、もう本当に鳥以下に殺していったのが森鴎外」
岩上「これはショックですよ、知らない人も多いと思う。夏目漱石と森鴎外。我が国の近代日本文学の双璧を成す、巨人と思われている森鴎外は、実はこんな奴だった」
関「そうですね。このことは、この前NHKの『フランケンシュタインの誘惑』(※232)という番組で取り上げていました。最近、森鴎外の悪事は暴かれつつありますね。
何をしたかというと、陸軍では兵に白米だけを食べさせていたんですよ。白米だけ食べていれば栄養は足りると主張したのが森鴎外なんですね。でも白米だけではビタミンが取れないんです。重大な病気になります。それは脚気(※233)ですね。栄養をちゃんと消化吸収できなくなるんですよ。玄米や麦にはビタミンが入っているから、玄米や麦を食べると治る。麦飯か、白米にも麦をちょっと混ぜると脚気にならないんですよ。海軍はそれに気づいて、白米に麦を混ぜたら脚気はゼロになったんですね。
海軍は薩摩閥で、麦飯を導入したのが薩摩の高木兼寛(かねひろ)(※234)という人なんですね。海軍の軍医です。薩摩の軍医が言ったことに唯々諾々と従うのは、森のプライドが許さなかったんですよ。だから麦飯導入を断固として拒否します。鴎外はナショナリストだったのかどうか、白米は完全に栄養があって、白米だけ食べている日本民族は優秀であると、白米主義を続けるんです(※235)」
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