2012年秋冬連続講座「めざせ!八王子市民発電」 第2回 2012.10.21

記事公開日:2012.10.21取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・荒瀬/奥松)

 2012年10月21日(日)13時30分から、東京都八王子市のクリエイトホールで、「2012年秋冬連続講座『めざせ!八王子市民発電』第2回」が行われた。「太陽を“味方”につける~エネルギーの地域循環・飯田市の取り組みから学ぶ~」をテーマに、おひさま進歩エネルギー(株)代表取締役の原亮弘氏が、地域の行政と企業と住民を結びつける地域循環型エネルギーへの取り組みについて、講演を行った。

■全編動画
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  • 日時 2012年10月21日(日)13時30分
  • 場所 クリエイトホール(東京都八王子市)
  • 主催 子どもたちの未来と自然エネルギーを考える八王子市民講座

 原氏は、長野県飯田市における環境事業の取り組みについて、「飯田市は、もともと環境文化都市として環境問題に取り組む土壌があった。2004年に設立したNPO法人 南信州おひさま進歩では、子ども達に環境のことを知ってもらう活動や、環境アドバイザーを養成するなど、市民の立場で環境問題に取り組んできた。地域の特性を生かしたエネルギーの地産池消が大きな目標であり、飯田市は日照時間が比較的長く、農家で太陽光温水機を利用する家が多かったこともあり、太陽光エネルギーを利用することになった」と述べた。

 最初の取り組みとして、市民から寄付金を募り、地元の明星保育園の屋根を借りて、太陽光パネルを設置したという。原氏は「発電量のわかるパネルで『見える化』をしたことで、子ども達や保護者などが電気を大切にし始めた。電気だけでなく水道の使用量も節約するなど、地域的にエコ意識が高まるという利点もあった」と話した。

 2005年、日本で初めての地域エネルギー事業として、環境省や自治体とも繋がりながら、おひさまファンドを創設したことについて、「市民出資という初めての試みではあったが、2億円を全国から募り、利益配分2%以上を目標にファンドを立ち上げた。飯田市の公共財産である施設の建物に『屋根貸し』を利用して太陽光パネルを設置し、余剰電力を中部電力が買い取る。太陽光発電と省エネを事業の柱とした、小規模分散型の地域エネルギーモデルを作ることができた。地球温暖化問題や、未来の子ども達のために出資したいという人も多く、社会の課題に意志を持って投資するということが求められている」と話した。

 最後に、原氏は「自然エネルギーは地域のものである。地域の特性を活かし、市民と地元の金融機関と行政が一緒に関わることで、地域で利益が回っていく仕組みを作ることが大事だ。事業を『見える化』することで、出資者に利益の分配だけでなく、お金がどう役立てられているかがわかることも重要だ。信州は、太陽光以外にも、森林バイオマスエネルギーなどの可能性がある。森林バイオマスは、維持するためにたくさんの雇用が生まれ、地域が元気になる仕組みだと考えている。ぜひ、挑戦していきたい」と語った。

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