防衛省が大学や公的研究機関、企業等の研究から「有望」な防衛装備品への研究を助成する「安全保障技術研究推進制度」が、2015年度からスタート。これまで153件の応募があり、19件の研究が採択されている。
安倍政権が「デュアルユース」の名のもと、民生技術の軍事転換を推し進めるこうした動きに反対するため、「軍学共同反対アピール署名の会」「大学の軍事研究に反対する会」「『戦争と医』の倫理の検証を進める会」の3団体が中心となり、「軍学共同」の動きに強い懸念をいだく団体・個人が結集して「軍学共同反対連絡会」を結成。2016年9月30日、衆議院第二議員会館で記者会見が行われた。
「この秋から冬が正念場だ」と語ったのは、「軍学共同反対アピール署名の会」の池内了(さとる)名古屋大学名誉教授だ。
「安全保障技術研究推進制度」の予算は、2015年度は3億円、2016年度は6億円だったが、8月31日に発表された2017年度の概算要求では、防衛省は軍学研究助成に110億円の要求を出した。日本学術会議は「安全保障と学術に関する検討委員会」での意見集約を来年春の総会でまとめると予想されているが、池内氏はこの金額が日本学術会議の議論に「影響を与えるだろう」と警戒感をあらわにした。