2016年5月10日、東京・四谷のプラザエフで「円(まどか)より子を応援する会」の第一部として、シンポジウム「立憲主義とアベ政治」が行われ、前日の記者会見で政治団体「国民怒りの声」から参議院選への立候補を表明したばかりの慶應義塾大学名誉教授・小林節氏が立候補に至る経緯などを語った。
(城石 裕幸)
※5月22日テキストを追加しました!
2016年5月10日、東京・四谷のプラザエフで「円(まどか)より子を応援する会」の第一部として、シンポジウム「立憲主義とアベ政治」が行われ、前日の記者会見で政治団体「国民怒りの声」から参議院選への立候補を表明したばかりの慶應義塾大学名誉教授・小林節氏が立候補に至る経緯などを語った。
記事目次
■ハイライト
立候補表明会見の裏側を明かす小林氏は、「家内の抵抗が一番大きかった」と話す。「たまたまこうなってしまった。昨日の記者会見を最終的に決断したのは一昨日の晩。家内に『仕方ないわね。あなたらしいわ。私はおとなしく我慢しているから』と言ってもらってああなった」
そして、「その一週間くらい前から市民運動の経験者である弁護士や公認会計士、中小企業の社長ら友人10人が夜集まって、まるで私を査問するように『行動を起こせ。看板はお前しかいない。我々は志を共有しているし、それぞれ使えるものを持っているから、お前が恥をかけ』と迫られた」とも語った。
「もっと言うと、その前に現職の政治家の方々から、私を担いで運動を起こしたいと言われていた。一人は飛び出しちゃった亀井静香さん。私の名前で文章出しちゃって、記者会見で予告までしちゃって、ひどいですよね。
で、打ち合わせと称して私を赤坂の料亭に呼び出すことにして、そこに週刊誌の記者を待たせていた。つまり、私を身動きできなくしようとしたんでしょうね。 私はそれを知ったので、20人くらいの周りの政治家たちに、『なんとかあのおじさん止めてよ』と言いましたが、『やったけど止まらない。あなたにしか止められない』と言われ、私の責任になっちゃった。だから亀井静香さんに手書きの決別状を書きまして、それで私は、拉致されると思って入院しちゃったんです」と続けた。
そして、「いろんな政治家が、三顧の礼ならぬ、十顧の礼で私を担ぎ出そうとした。でも私がはっきり政治家たちに言ったのは、『現職の政治家たちの様々な立場上の利害・打算に利用されるのは嫌だ』ということ。
私の人生で、しかも退職後の老後ですから『やるなら私のイニシアチブで、私の思い通りにやらせていただきたい。支援はいらない』というふうにきっぱり申し上げて、それでまったくど素人に近い、
続けて小林氏は小選挙区制について次のように語った。
「話は単純で、今の選挙制度では勝つしかない。とにかく安倍さんの暴走を止めればいいので、自民党がなくなる必要はない。小さくなって改めて反省してもらいたい。 僕はいまだに自民党の友達が多いですから。昨日も自民党の某代議士から『頑張って下さい』と、名前付きのショートメールが来たのを残してあります。
今の選挙制度で勝つということは、自民党と公明党に勝たなきゃいけないということ。今の選挙制度は、衆議院であれ参議院であれ、一人区の比重が大きい。 20年前、私はまだ40代でしたけど、細川内閣の時に4人の学識経験者の一人として参考人に呼ばれて、賛成発言をした。ただそれは、的確に決めて執行し、まずかったら“Trys&Errors&collections”で、進めるようにする立法趣旨でした。
理屈っぽく言えば51%の票を取った政党が100%の議席が取れる。これは49%にとても失礼なように見えますが、たった2%動いただけで全取っ替えになる。この緊張感があれば、決して死に票は死に票じゃない。そうやって気を使いながら政権を運営しないと吹っ飛ぶ。
ただ、動いている世界でテキパキと決めなければいけないから、相対的多数派に絶対的多数を与えて決められる体制を作る。『その代わり失敗したら一気に相対的少数派に落とすぜ、』という制度だった。これがうまく行くはずだった。私は学説として『全部小選挙区にしろ』と主張した。それなのに比例復活という安全装置がついちゃって、予想外のことが起きた。
一つは自民党の過半数が、世襲貴族のような議員たちになってしまった。その自民党に、思考停止で『右向け左』ができる創価学会(公明党)がくっついた。中選挙区制から小選挙区制になったことによって選挙区が小さくなり、ちょうど江戸時代の300藩と同じ数になった。それで自民党の世襲議員たちが選挙区をほとんど領地にしてしまった。
創価学会の思考は『常に権力の側にいれば安全だ』というもの。これは日蓮上人の教えとは違う。日蓮上人は正義のために命を捨てることができた人で、私はすごく憧れている。私もどこかに命の捨て場がないものかと思っていて、今がそうなのかという気がしている。
ところが創価学会と公明党の人は、我が身の安全ばかり考えている。『自民党とくっついていた方が安全だ』と。自民党はかなり伝統のある組織政党だから、それに思考停止をした公明党がくっつくと、越えられない壁みたいになっちゃった。だから野党も戦う前から元気が出ないような状態になってしまっています」
(…会員ページにつづく)